『第9地区』や『エリジウム』の監督ニール・ブロムカンプが制作、監督するオーツスタジオによる10話からなる短編集がNetflixで配信されていた。5分から20分ほどの短編で全部見ても2時間ほど。だけど、そのあまりの過激さには驚く。ビジュアル面での充実だけではなく、お話の展開のほうが過激。悪意のある描き方や残虐さ。ブラックユーモアでは括れない。1話目の「ラッカ」には衝撃を受けたがだんだん麻痺してくる。特に2,3分の超短編が過激すぎる。そのなかでも家電商品の紹介を描く3話からなる『ビルの楽しいクッキング』のグロさには辟易する。
個々の作品にはしっかりとニール・ブロムカンプの世界観が明確に描き出されていて、納得はいくし、最初はその圧倒的なビジュアルと怒濤の展開で衝撃を受けたのだが、3話以降は飽きてしまった。こんなふうに出来事の断片を瞬間的に切り取るのではなく、ちゃんとした長編としてこの世界とどう向き合いそこにどんな答えを出そうとするのか、それが見てみたい。