ニール・ジョーダンがなぜ、この手のハリウッド映画を手掛けたのだろうか。別に商業映画がよくないなんて全く思わない。彼の作品はアート系とはいっても、とても解りやすくて、ハリウッドでも通用するスタイルなので、正直言うともっとハリウッド大作を手掛けてもいいくらいだ。だけどもデビット・フィンチャーのようにスタイリッシュなだけでなく、その底に、もう少し気味の悪いドロドロとしたものが流れている。(それがハリウ . . . 本文を読む
11人の作家による短編連作。タイトルが全体のテーマになっている。それぞれが自由にこの課題に対してアプローチをかける。もう「大人だから」というある種のあきらめがテーマになっているものが多い。大人ということを肯定的に捉え、大人だからこんなに凄い片思いができるんだ、なんていうアプローチをする作家は残念ながらいなかった。
片思いというのは、若い子の特権ではない。大人だって片思いをする。ただ、片思いっ . . . 本文を読む
トリスタン・ツァラの『雲のハンカチ』というテキストを使って、前回と同じように、物語を見せていくのではなく、物語の枠踏みを完全に解体してしまう。そのへんは前作以上に徹底している。
一応、「夫に構ってもらえない妻が、詩人に恋をして、彼を追いかける」というストーリーはあるのだが、正直言ってパンフにある<あらすじ紹介マンガ>の内容すら舞台上からは理解できなかった。後で、このマンガを見て、そんな話があ . . . 本文を読む
芝居のタイトルがこんなにも丁寧に内容を説明している芝居を見たのは、初めてではないか。丸尾さんの描きたかったことが、そのまんまこのタイトルには込められてある。
役者として、「挫折」してしまった女が、彼女を慕う劇団員の「思いやり」によって企画された「連続殺人」というショーを見る。このコンセプトをいかに大事に見せるかが、今回の芝居の成否を握っていたはずだ。しかし、いろんな意味で欲張りすぎて失敗して . . . 本文を読む