前半は正直言ってあまり乗れなかった。漫才とか、全く興味ないし、芸人の話というだけでなんか引いてしまうくらいだ。途中で何度かやめようかな、と思うくらいの勢いだったが、途中で投げ出すのは嫌いだし、小山幸久の『幸福ロケット』が好きだったので、このデビュー作を読み出したのだから、やめずに無理して読んで行く。すると、後半2人が成功していくところからは、わりとすいすい読めた。
豆タンクのアカコと、180 . . . 本文を読む
6つの作品からなる短編集。6人の女性作家が、旅をテーマにして紡ぎあげる連作。それぞれ別々の作品だが、日常の延長線上にある旅をとても巧みに捉えてある。主人公が実際に旅をする作品もあるが、そうではなく、ほんの少し旅の気分を味わうことで、生きていく実感を感じさせるものに、心惹かれた。
平田俊子『いとこ、かずん』が僕的にはベスト。これは、大学生になり、東京に出てきた従弟を家に下宿させる話。もちろんこ . . . 本文を読む
けっしてつまらないとは言わないが、この程度の味付けでは、納得いかない。40歳前後の中年男が、もう「男である」ことは棄てたはずなのに、一人の女を好きになり、のめりこんでいく。相手は派遣社員としてやってきた31歳の独身女性。偶然バッティング・センターで必死にバットを振っている彼女と出会い、ノリで仲間と一緒にカラオケに行き、酔いつぶれた彼女を家まで送って行ったところから、交際が始まる。自分には妻子がい . . . 本文を読む
封切り2日目の夜、劇場に行ったら、日曜の夜なのに若い子供たち(高校生くらいの子たちのことです)でいっぱいだった。凄い人気なんだなぁ、と驚く。2時間、ずっと喧嘩ばっかりしてる。まるでヤクザ映画を見てる気分。
鈴蘭男子高校というありえないような暴力高校を舞台にして、ここでの縄張り争いと抗争が繰り返されるだけで、彼らには家族とか、授業とかいう日常生活は一切ない。(まぁ、描かれてないだけで、ないわけ . . . 本文を読む
縦4枚、横9枚の計36枚のパネルが舞台の上を覆いつくす。そこには様々な生き物の絵が描かれてある。動物だけでなく植物もある。そのちょうど中央には地球が描かれてある。その地球のパネルが外れたとき、向こう側には、絵と同じ大きさの地球が浮かんでいる。そして、それがゆっくりと動いていく。ぐるりと回って裏にいくと、そこは文字盤になっている。1から9までの数字が書かれてある。
パネルは次々に外されていき、 . . . 本文を読む