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ポン酒猫のジャズ屋A7

日々ジャズと酒に明け暮れるジャズ喫茶のマスターが書き綴る何の役にも立たない話

June Hutton & Axel Stordahl / Afterglow

2010-09-30 02:40:34 | JAZZ VOCAL :女性

2003年の東芝EMIからの紙ジャケット仕様で再発されて以来

トンとご無沙汰のジューン・ハットン。

このアルバム、今回の『ジャズ名盤ベスト&モア999円』のシリーズに

組み込まれるのではと期待していたが、残念ながら選に漏れてしまったようだ。


ジューン・ハットンは、パイド・パイパーズのメンバーとして知られているが、

グループ入りしたのは1944年。

前任のジョー・スタッフォードがソロとして独立したため、

その後任として迎えられた。


本アルバムは1955年にキャピトルから発売されたもので、

スタンダードを中心に全12曲が収録されている。


ここでジューンは「ザ・ボーイ・ネクスト・ドア」という

男性コーラスと共に歌っている。


パイド・パイパーズを彷彿させる粋で美しいハーモニーと、

バックを務める彼女の旦那であるアクセル・ストーダル編曲、指揮の

オーケストラが醸し出すしっとりとしたムードが見事に絡み合い、

このアルバムを素晴らしいものにしている。




 June Hutton & Axel Stordahl / Afterglow

 原盤 : Capitol T-643

 東芝EMI TOCJ-5401


1,Never In A Million Years
2,Gone With The Wind
3,Until The Real Thing Comes Along
4,I Should Care
5,It's Talk Of The Town
6,You're Getting To Be A Habit With Me
7,Day By Day
8,East Of The Sun (West Of The Moon)
9,Taking A Chance On Love
10,I Hadn't Anyone Till You
11,My Baby Just Cares For Me
12,Dream A Little Dream Of Me


June Hutton (vo)
The Boy Next Door (chorus)
Axel Stordahl (arr,cond) and His Orchestra


1955年 発売





ローズ・マーフィー・フィーチャリング・スラム・スチュアート/ ジャズ, ジョイ・アンド・ハッピネス

2010-09-29 02:19:42 | JAZZ VOCAL :女性

黒人女性歌手ローズ・マーフィーは1913年オハイオ州ズイニア生まれ。

1940年代からナイト・クラブ等に出演し、スターの仲間入りをする。

そして1950年代末から60年代にかけては、

ベースのスラム・スチュアートと組んでツアーを重ねている。


彼女はブロッサム・ディアリーと同様の、幼い童女のような声の持ち主、

ピアノの弾き語りをする処もブロッサムと全く同じだが、

ローズ・マーフィーの方がブロッサムよりはるかに先輩である。


この二人、もしも「カマトト・ヴォイス」という番付けがあれば

間違い無くブロッサムもローズ・マーフィーも

東西の横綱を張っているに違いない。



本アルバムは彼女がスラム・スチュアートとコンビを組んでいた時のもの、

ローズ・マーフィーはキュートで且つ可愛らしい声で、

楽しく、温か味のある歌を聴かせてくれている。


スラム・スチュアートも歌と、得意であるベースとユニゾンの

ボウイング・アンド・ハミングを披露している。

また、バックのチャーリー・シェイバース、セルダン・パウエルの両者が

歌の合い間にとるソロも良い出来である。


尚、このアルバムは日本では1980年にキング・レコードから

発売されて以来、長い間廃盤となっている。

現在このアルバムの権利を持っている東芝EMIさん

次回の『ジャズ名盤ベスト&モア999円シリーズ』で是非とも再発をお願い致します。




 Rose Murphy featuring Slam Stewart / Jazz, Joy And Happiness

 United Artists UAJJ-15025

 キング・レコード GXH-3511 (廃盤)


■Side 1
1,If You Were Mine
2,When Johnny Comes Marching Home Again
3,You Made Me Love You
4,I've Got Everything
5,All Of Me
6,You Go To My Head

■Side 2
1,Seasons Greetings
2,Oh Lady Be Good
3,Little Lamb
4,Kids
5,What Good
6,Put On A Happy Face


Rose Murphy (vo,p)
Slam Stewart (vo,b)
Charlie Shavers (tp)
Seldon Powell (ts,fl)
Ernie Hayes (org)
Carl Lynch (g)
Julio Calazzo (conga)
Specs Powell (ds)
Joe Jones (ds)


1962年 作品





エリン・オブライエン / ソングス・フロム・ザ・ハート・オブ・エリン・オブライエン

2010-09-25 04:54:43 | JAZZ VOCAL :女性

美しく、気品ある顔立ちの女性のジャケットが目を惹くこのアルバムは

スペインLP-Timeレーベルより再発されたもの。


ジャケットの女性エリン・オブライエンは、

カリフォルニア州、ロサンゼルス出身。

アーサー・ゴッドフリーのタレント・スカウト・ショウで見出され、

そこから歌手の道へと進む。


本作品は1957年にコーラル・レーベルに吹き込まれたもので、

録音は彼女の出身地ロサンゼルス。


清楚で、美しく伸びのある声質のエリン・オブライエン、

歌い方はややクラシック的である。


ジャズ批評の「女性シンガー大百科Vol.2」の中で、

彼女の事を『アンナ・マリア・アルバゲッティ辺りに近い』と

坂田一生さんが評しておられたが、確かに似たタイプだ。

アンナ・マリア・アルバゲッティがお好きな人には一聴をオススメする。


尚、バックはストリングス入りのオーケストラ。

しっとりとしたバラード中心に仕上げられた好アルバムである。




 Erin O'Brien / Songs From The Heart Of Erin O'Brien

 Coral CRL-57194

 スペイン LP-Time LPT-1115 (Reissue)


1,My Foolish Heart
2,Let Me Love You
3,Forbidden Love
4,Love Letters
5,This Love Of Mine
6,I'M Glad There Is You
7,When I Fall In Love
8,These Foolish Things
9,Maybe It's Because
10,My Romance
11,Every Time
12,Where's The Happy Ending


Erin O'Brien (vo)
Charles Bud Dant (direct) and Orchestra


1957年 Los Angeles 録音





Dory Langdon / The Leprechauns Are Upon Me

2010-09-20 02:30:06 | JAZZ VOCAL :女性

ドリー・ラングドンの名を初めて知ったのは、

彼女のかつての旦那のアンドレ・プレヴィンと

連名でクレジットされたアルバム(写真下)を入手した時で、

今から30年程前の事である。





このアルバムは元々Verveがオリジナルであるが、

当時DRGから再発されたアルバムでは、

ドリー・プレヴィンとクレジットされており、裏ジャケ(写真下)には

彼女とアンドレ・プレヴィンの2ショット写真が掲載されていた。





日本では、1993年にポリドールの「名盤コレクション・オン・ヴァーヴ・パート2」

のシリーズで、本名であるドリー・ラングドン名義のオリジナル・ジャケット仕様で

発売された事がある。

しかし残念ながら、それ以降このアルバムは陽の目を見ていない。


ドリー・ラングドンはどちらかと言えば、歌手よりも作詞家としての方が知られており、

ペギー・リーの名唱で有名な「Sea Shell」=邦題「貝がら」は

彼女が作詞を手がけている。


本アルバムの収録曲も全て彼女が作詞したもので、

さながら「ドリー・ラングドン・ソング・ブック」の様相を呈している。


余り声量はないが、素直な歌唱のドリー・ラングドン。

彼女自身クラブ専門で歌っていた事もあり、確かに余り大きくない場所で

聴きたいと思わせる歌い手だ。


バックはこの後に旦那となるアンドレ・プレヴィンとケニー・バレル、そして他のメンバー。

歌伴は流石にプレヴィンで云う事なし、またバレルも渋いプレイを聴かせている。


但し現在、DRG盤及び日本ポリドール盤のどちらも入手はかなり難しい状況である。



 Dory Langdon / The Leprechauns Are Upon Me

 Verve MGV-2101

 DRG MRS-503 (廃盤)

 ポリドール POJJ-1559 (廃盤)


Side A
1,Can't We Be Enemies
2,Lonely Girl In London
3,Let Me Show You Off
4,My Heart Is A Hunter
5,Leprechauns Are Upon Me
6,Warm Winter Day
7,Carefree Love

Side B
1,No
2,Sea Shell
3,Many Sides
4,Gooney Bird
5,Just For Now
6,Forget Me


Dory Langdon (vo)
Andre Previn (p)
kenny Burrell (g)
Unkown (b)
and Others


1958年 2月20日、21日、3月6日 Los Angeles 録音





ベティ・ジョンソン / ザ・ソング・ユー・ヒアド・ホエン・ユー・フェル・イン・ラブ...

2010-09-18 03:18:16 | JAZZ VOCAL :女性

スペインのLP-Timeレーベルから再発されたアルバム。

ベティ・ジョンソンはノース・カロライナ出身で、5歳の頃から

家族で「ジョンソン・ファミリー」として結婚式などの

色んな式典で歌っていた。


本作品は1957~58年にかけて、

アトランティック・レーベルに吹き込まれたモノである。


ベティ・ジョンソンは明るく落ち着いた声質、

誠実で丁寧な歌唱をする歌い手。


アルバムはジャズ色は殆ど感じられないが、

ポピュラー作品として聴くには申し分ない内容である。

バックは彼女の夫であるチャールズ・グレーンが編曲、指揮するオーケストラ。

このオケにはアコーディオンやチェンバロが入っており、

特にアコーディオンは非常に効果的に使われている。

また、曲によってベティ自身のトリプル・トラックによる

ハーモニーが加えられている。


尚、今回の再発に当って6曲のボーナス・トラックが収録されているが、

この6曲は、Ballyレーベルから発売された

「The Touch Of Betty Johnson」(Bally BAL-12011)(写真下)から抜粋したもので、



曲によってバックには男性コーラスやストリングスが参加している。

ここでもベティの滑らかで柔らかい歌声が聴かれる。


最近のLP-Timeの再発モノとしてはオススメの作品である。




 Betty Johnson / The Song You Heard When You Fell In Love...

 Atlantic SD-8027

 スペイン LP‐Time LPT‐1110 (Reissue)


1,The Song You Heard When You Fell In Love
2,Red Sails In The Sunset
3,Once In A While
4,I'll Follow You
5,Dancing In The Dark
6,Together
7,I Don't Know Why
8,For You
9,Dream
10,The Very Thought Of You
11,Always
12,Goodnight Sweetheart

・Bonus Tracks
13,I Get The Blues When It Rain
14,There Will Never Be Another You
15,Don't You Remember Me?
16,Suddenly
17,For Sentimental Reasons
18,I'll Hold You In My Heart


Betty Johnson (vo)
Charles Grean (arr,cond)
and Orchestra


1~12
「The Song You Heard When You Fell In Love」(Atlantic SD-8027)
1957~58年 New York 録音

13~18
「The Touch Of Betty Johnson」(Bally BAL-12011)
1956年 録音





Julie London / Our Fair Lady

2010-07-24 14:46:58 | JAZZ VOCAL :女性

今回(2010年6月23日)発売された

「ジュリー・ロンドン・オリジナル紙ジャケ・コレクション」の30枚の中の1枚。

多分このシリーズの中でも人気の高いアルバムではなかろうか。


オリジナルのリリースは1965年で、内容は映画のヒット・ナンバーを集めたもの。

初めてジュリー・ロンドンを聴く人にとっても、なじみ易い作品である。


バックはストリングス入りのオーケストラ、

ジュリーは大人のムードで成熟した唄を聴かせてくれる。


尚、余談ではあるが、このアルバムはウチの店ではほぼ毎日のように掛かる

ヘヴィー・ローテーションのCDとなっている。




 Julie London / Our Fair Lady

 Liberty LST-7392

 EMI ミュージック・ジャパン TOCJ-9683 (Reissue)


1,The Days Of Wine And Roses
2,Call Me Irresponsible
3,Theme From "A Summer Place”
4,As Time Goes By
5,More (Theme From "Mondo Cane”
6,Charade
7,Never On Sunday
8,An Affair To Remember
9,Wives And Lovers
10,Fascination
11,Boy On A Dolphin
12,The Second Time Around


Julie London (vo) and Orchestra


1965年 発売





Annita Ray / Slow Glow

2010-05-12 02:37:04 | JAZZ VOCAL :女性

アニタ・レイはニューヨークの生まれ。これは彼女のファースト・アルバム。

1962年にハリウッドのマイナー・レーベル「Ava」に吹き込まれたもので、

最近スペインのLP-Timeから再発されている。


アニタはハスキーな声質、アンニュイで気だるい歌唱。

リズムのキレはどちらかと云えば余り良い方ではなく、

ややベタっとした感じである。


その為かどうかは判らないが、アルバムはスローなバラード・ナンバーを

中心に構成されている。


尚、バックはハリー・ベッツ編曲、指揮のオーケストラである。



 Annita Ray / Slow Glow

 Ava AS-16

 スペイン LP-Time LPT-1097 (Reissue)


1,Slow Glow
2,Don't Want To Walk Without You
3,The Heart That Broke Was Mine
4,Another Time, Another Place
5,Oh, You Crazy Moon
6,I'll Be Around
7,This Time The Dream's On Me
8,This Life We've Led
9,For All We Know
10,A Sunday Kind Of Love


Annita Ray (vo)
Harry Betts (arr,cond) with Orchestra


1962年 8月20日、21日 Hollywood 録音





ジュリー・ロンドンのオリジナル・アルバム紙ジャケシリーズ

2010-04-11 23:35:50 | JAZZ VOCAL :女性


東芝EMIからジュリー・ロンドンのオリジナル・アルバム30枚が全て紙ジャケで発売されます。

1枚¥1,800で、6月23日にリリース予定です。

HMVTOWERで確認出来ます。HMVでは何枚かジャケット写真は表示されていますが、

残念ながらTOWERでは未だにジャケ写は表示されていません。

ジュリー・ロンドンのアルバムは、ウチの店ではLP、CD合わせて20枚程所有しておりますが、

持ってないモノは今回購入する予定でおります。




Diana Trask / Diana Trask

2010-03-09 02:53:47 | JAZZ VOCAL :女性


ダイアナ・トラスクは1941年オーストラリアのメルボルン生まれの映画スター。


これは彼女のデビュー・アルバムで、1960年にコロムビアに吹き込まれたもの。

前半6曲がバラード、そして後半6曲がスウィンギーなナンバーで構成されている。


ダイアナ・トラスクは同じコロムビア・レーベルの女性歌手ドリス・デイに

やや似た感じで中々チャーミングな声質をしている。


しかし、残念な事にリズムに余り切れが無く、

ベタっとした感じを与え、軽やかさにやや欠ける。

歌い廻しにもメリハリが感じられず、平板な点が多々見受けられる。

声質が良いだけに、この辺りが何とも勿体無い。

 

この点を除けば、スタンダードを中心とした選曲も良く、

それなりに楽しめる作品である。

 

尚、バックはグレン・オッサー編曲、指揮のオーケストラが担当している。




 Diana Trask / Diana Trask

  Columbia CL-1601

  スペイン LP-Time LPT-1092 (Reissue)


1,It Might As Well Be Spring
2,Little Girl Blue
3,Spring Here
4,My Funny Valentine
5,By Myself
6,Spring Never Comes
7,Hello Young Lovers
8,Let's Fall In Love
9,I Hear Music
10,The Gypsy In My Soul
11,Let's Face The Music And Dance
12,Temptation


Diana Trask (vo)
Glen Osser (arr,cond) and Orchestra


1960年 New York 録音





松尾和子 / 夜のためいき

2010-02-06 03:04:30 | JAZZ VOCAL :女性

女優であり、歌手としては「ムード歌謡の女王」としても知られる松尾和子。

これはそんな彼女のジャズ・アルバムである。


松尾和子と言えば「ハスキー・ヴォイス」と云うイメージがあったのだが、

アルバムを聴く限りではそれ程でもない。

それよりも女優として、また歌手として1曲1曲をじっくりと、

丁寧に演じながらアルバムを創り上げている印象を受ける。


いきなり日本語で始まる「いそしぎのテーマ」にはビックリする人も居るだろうが、

途中からは英語に変わり雰囲気も一変する。

ビッグ・バンドをバックにスウィンギーな唄を聴かせる「あなたと夜と音楽と」、

ジャジーでムードたっぷりな「セ・シ・ボン」、

「蜜の味」ではスキャットまで披露している。

また、8曲目の「イエスタディ」は勿論レノン=マッカートニーの作品である。


尚、松尾和子にはもう1枚ジャズ・アルバムが存在する。

こちらも是非とも再発をお願いしたい。




 松尾和子 / 夜のためいき

  ビクター SJV-237

  Think THCD-022 (Reissue)


1,いそしぎのテーマ
2,思い出のサンフランシスコ
3,いとしのヴァレンタイン
4,あなたと夜と音楽と
5,セ・シ・ボン
6,蜜の味
7,ゴールデン・イヤリングス
8,イエスタディ
9,イパネマの娘
10,星降るアラバマ
11,フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
12,ラブ・ミー・オア・リーブ・ミー


松尾和子 (vo)
小原重徳とブルーコーツ.....1,4,6,11
八木正生クインテット.....3,5,9,12
and Others


1966年 録音