ポン酒猫のジャズ屋A7

日々ジャズと酒に明け暮れるジャズ喫茶のマスターが書き綴る何の役にも立たない話

Bill Watrous / Funk'n Fun

2009-11-11 01:45:21 | 日本発のウエスト・コースト・ジャズ

1970年代後半に新世代トロンボーン奏者と云われたビル・ワトラスのリーダー作。

しかし、このアルバムの中心は何と云ってもアート・ペッパーである。


ディレクターの石原康行氏の意図により、

1950年代のペッパーをこの時代に再現しようとしたもので、

それは「ビギン・ザ・ビギン」を始めとして「ジャスト・フレンズ」や「エンジェル・アイズ」など

過去にレコーディングした曲を再度録音している事でも分かる。


ペッパーとワトラスは何の違和感も無く上手く絡みあっており、

2人のアドリヴもお互い刺激し合い非常にキレのあるものに成っている。


陽光溢れるヨット・ハーバーのジャケットの様に、

明るく爽快な演奏が散りばめられた、素晴らしいアルバムに仕上がっている。



 Bill Watrous Quintet / Funk'n Fun

  ユピテル YJ25-7024 (廃盤)


Side A
1,Just Friends
2,Bigin The Biguine
3,When Your Lover Has Gone
4,For Art's Sake

Side B
1,Funny Blues
2,Angel Eyes
3,P. Town


Bill Watrous (tb)
Art Pepper (as)
Russ Freeman (p)
Bob Magnason (b)
Carl Burnett (ds)


1979年 3月26日、27日 Los Angeles 録音





Shelly Manne Trio / Gemini Threee

2009-11-10 03:15:53 | 日本発のウエスト・コースト・ジャズ

ここで紹介するのは1970年代後半にユピテル・レコードが石原康行氏をディレクターとして

日本で企画し、米西海岸で録音した作品の中の1枚である。

この後ユピテル・レコードはこれらの作品の延長線上に位置する

「アトラス」と云う完全にウエスト・コースト・ジャズ専門のレーベルを立ち上げる。

ここでリリースされた作品は内容、参加ミュージシャン共に素晴らしく、

日本発のウエスト・コースト・ジャズと言っても何ら差し支えない程充実したものであった。


このアトラス・レーベルの中心はアート・ペッパーで、

ペッパーとソニー・スティットの初共演アルバムや

ペッパーとリー・コニッツの初共演アルバムなど

ジャズ・ファンには垂涎の作品を多々世に送り出したが、

ユピテルの倒産と共に残念ながらその殆んどが廃盤となってしまった。

(但し、現在その内の数少ない何枚かはCD化され再発されている)


本アルバムは1979年にロスで録音されたシュリー・マンをリーダーとした

ピアノ・トリオで、ピアノはピート・ジョリーが担当。

馴染みのあるスタンダード・ナンバーばかり7曲を収録している。


ピート・ジョリーの粋でスマートなピアノと、シェリー・マンの名人芸とも云うべきドラム、

そして好くスウィングするチャック・バーグホーファーのベース。

3者が一体となったグルーヴ感が何とも心地よい見事な作品に仕上がっている。



 Shelly Manne Trio / Gemini Three

  ユピテル YJ25-7026 (廃盤)


Said A
1,Love For Sale
2,Willow Weep For Me
3,On Green Dolphin Street
4,What Is This Thing Called Love

Said B
1,Alone Together
2,Round About Midnight
3,All Blues


Shelly Manne (ds)
Pete Jolly (p)
Chack Berghofer (b)


1979年 3月29日、30日 Los Angeles 録音