ポン酒猫のジャズ屋A7

日々ジャズと酒に明け暮れるジャズ喫茶のマスターが書き綴る何の役にも立たない話

Dusko Goykovich / After Hours

2011-02-24 03:16:15 | JAZZ

 

バルカン半島の国、旧ユーゴスラヴィア(現:ボスニア・ヘルツェゴビナ)出身の

トランペッター、ダスコ・ゴイコヴィッチ。

彼のトランペット・プレイは音艶が良く朗々と鳴る正に正統派。

そしてそのオリジナル曲は美しく哀愁を帯びている。


その昔、店でこの「After Hours」をターン・テーブルに乗せると、

客の多くがこのアルバムを手にとって、しげしげと眺める事が何度となくあった。


全6曲中、ダスコのオリジナルは3,4,6,の3曲。

バックのメンバーも見事なサポートをみせており、

中でもピアノのテテ・モントリューのプレイが光る。


尚この作品、元々はスペインのEnsayoレーベルの

「Ten To Two Blues」(写真下)というアルバムがオリジナル。

 

 

その後ドイツのEnjaレーベルから「After Hours」というタイトルで再発されたが、

Ensayo盤とは曲順を変えている。

当店所有のLPは独Enja盤、故に曲順表記もそれに倣う事とする。



Dusko Goykovich / After Hours

原盤 : スペイン Ensayo ENY-45

独 Enja 2020 (Reissue)


1,Last Minute Blues
2,A Child Is Born
3,Old Fisherman's Daughter
4,Remember Those Days
5,I Love You
6,Ten To Two Blues


Dusko Goykovich (tp)
Tete Montliu (p)
Rob Langereis (b)
Joe Nay (ds)


1971年 11月9日 スペイン Barcelona 録音

 

 


にいがた国際映画祭「ソウル・パワー」

2011-02-20 23:55:39 | ライヴ / イベント

 

映画好きには堪らないイベント「にいがた国際映画祭」

毎年この時期に開催され今回で21回を数えます。


2月12日から始まった映画祭も今日が最終日。

中央区にある「クロスパルにいがた」の4階映像ホールで

ジェームス・ブラウンやB・Bキング等が出演した

1974年にアフリカの旧ザイールで行われた音楽祭を記録したドキュメンタリー映画、

「ソウル・パワー」を観て参りました。


これはかの有名なモハメド・アリとジョージ・フォアマンの世界タイトル戦に

先駆けて開催されたコンサートの模様とその舞台裏を描いたもの。

お目当てのJ・BやB・Bキングは勿論素晴らしいパフォーマンスを魅せてくれましたが、

それ以外にアフリカやラテンのミュージシャンも多く出演しており、

どちらかと云うとそちらの方に興味をそそられました。


ミリアム・マケバ、マヌ・ディバンゴ、フランコ&OKジャズ、タブー・レイ等は

大学時代アフリカ音楽に嵌まっていた頃よく聴いたアーティスト、

そしてジョニー・パチェーコ率いるファニア・オールスターズと

セリア・クルースの共演ステージ。

曲は彼等の名盤「Celia & Johnny」(写真下)から「Quimbara」。

 

 

35年を経て初めて観た彼等の映像は、ある意味新鮮で感激でした。

 

 


平山 みき / キャバレー・ガール

2011-02-13 01:48:06 | JAZZ VOCAL :女性

 

橋本淳作詞、筒美京平作曲の不朽の名作「真夏の出来事」で有名な

「平山みき」がスタンダードを唄ったアルバム。


アンニュイで時として投げやりな感すら憶える彼女のヴォーカルと

スタンダード・ナンバーが出会い、何とも不思議な雰囲気を醸し出している。


全11曲中最初の5曲は英語で、1曲インストを挟んだ後、

7曲目以降は日本語で歌っている。

尚、彼女のヒット曲である「フレンズ」も収録している。





平山 みき / キャバレー・ガール

アブソード・ミュージック・ジャパン ABCS-32



1,It's Only A Paper Moon
2,Georgia On My Mind
3,You'd Be So Nice To Come Home To
4,Satin Dool
5,Stella By Starlight
6,I Can't Write The Words
7,Friends
8,Baby Face
9,Dinah
10,Bye Bye Blackbird
11,Moon A Lullaby Moon



平山 みき (vo)
ジェイク・H・コンセプション (sax,cl)
中西 俊博 (vln)
鳴海 寛 (g)
and Others



1987年 録音

 

 


Supersax & L.A. Voices / L.A.

2011-02-12 01:16:34 | JAZZ CHORUS


メッド・フローリーをリーダーとした「スーパーサックス」は

チャーリー・パーカーのアド・リヴを5本のサックス・ハーモニーで

演奏するというグループで、キャピトルやMPSに何枚かのアルバムが在る。

彼等の緻密で計算されたアレンジとサックス・アンサンブルは

何とも新鮮な響きであった。


このアルバムはその「スーパーサックス」と

スー・レイニーをリーダー格としたヴォーカル・クインテット

「L.A.ヴォイセス」が共演したものである。


粋で洒落た「L.A.ヴォイセス」のコーラスと

「スーパーサックス」のサウンドが絡み合い、

ご機嫌にスウィングする楽しいアルバムに仕上がっている。

ウエスト・コースト・ジャズ及びジャズ・コーラス好きの人には

絶対のオススメ作品である。


但し残念ながらこのアルバム、1980年代にCD化されたものの、

現在は廃盤となっている。

本アルバム並びに続編の2作も併せて再発を切にお願いしたい。




Supersax & L.A. Voises / L.A.

原盤 : 日本 Epic Sony 28・3P-450 (LP) 35・8P-24 (CD)


1,The Song Is You
2,Embraceable You
3,Stardust
4,Star Eyes
5,L.A.
6,Dancing In The Dark
7,Don't Blame Me
8,Stella By Starlight
9,Old Folks
10,In The Still Of The Night


■Supersax
Med Flory (Lead as)
Lanny Morgan (2nd as)
Ray Reed (1st ts)
Jay Migliori (2nd ts)
Jack Nimitz (bs)
Conte Candoli (tp)
Lou Levy (p)
Monty Budwig (b)
John Dentz (ds)

■L.A. Voicrs
Sue Raney (Lead vo)
Melissa Mackay (alto)
John Bahler (tenor)
Gene Merlino (baritone)
Med Flory (bass)


1982年 12月、 1983年 1月、2月 Hollywood 録音

 

 

 


Kenny Burrell / Weaver Of Dreams

2011-02-07 00:16:12 | JAZZ VOCAL :男性

 

これまた恐らく珍盤の部類に入るであろう。

ギタリスト、ケニー・バレルのヴォーカル・アルバム。


元々は米コロムビアから発売されたものだが、長い間廃盤となっていた。

ところが、最近Wounded Bird Recordsから再発され、

比較的簡単に入手出来るようになった。


さて、肝心のバレルのヴォーカルであるが、

これが中々渋い味わいのある声で、歌い廻しも悪く無い。

興味のある人には一聴をオススメする。


尚、バックのミュージシャンにはピアノのトミー・フラナガン、

テナーにはボビー・ジャスパー等が参加している。



Kenny Burrell / Weaver Of Dreams

原盤 : Columbia CS-8503

Wounded Bird WOU-8503 (Reissue)


1,I'll Buy You A Star
2,Weaver Of Dreams
3,The More I See You
4,I'm Just A Lucky So And So
5,A Fine Romance
6,Until The Real Thing Comes Along
7,The Blues Is Awful Mean
8,That Old Feeling
9,If I Had You
10,Hootchie-Koo...Instrumental
11,Afternoon In Paris...Instrumental
12,Like Someone In Love


Kenny Burrell (vo,g)
Bobby Jaspar (ts)
Tommy Flanagan (p)
Joe Benjamin (b)
Wendell Marshall (b)
Bill English (ds)
Bobby Donaldson (ds)


1960年 10月18日、1961年 6月28日 録音

 

 


Dinah Washington / Dinah !

2011-02-05 01:43:22 | JAZZ VOCAL :女性

 

ダイナ・ワシントンと云うと「ダイナ・ワシントン・ウイズ・クリフォード・ブラウン」と

「縁は異なもの」の2枚が彼女の代表作のように語られる。

しかし、このアルバムも上記2枚に比べて

内容は何ら遜色ない出来ではないかと思う。


バックを務めるオーケストラとコンボにはウイントン・ケリー(p)、

フランク・ロソリーノ(tb)、ジミー・コブ(ds)、ハーブ・ゲラー(as)等が参加している。

収録曲もスタンダードが中心で、ダイナの明るく

伸び伸びした歌唱を堪能出来る作品である。


尚、このアルバムは30年程前に

日本フォノグラムの海外輸出用LP(日本フォノグラム EXPR-1036)として

リリースされたのを最後に日本では発売されておらず、輸入盤CDも廃盤である。

是非とも再発をお願いしたい。




Dinah Washington / Dinah !

原盤 : Emarcy MG-36065

米 Polygram 842-139-2 (Reissue) (廃盤)


1,Look To The Rainbow
2,Ill Wind
3,A Cottage For Sale
4,All Of Me
5,More Than You Know
6,There'll Be Some Changes Made
7,Goodbye
8,Willow Weep For Me
9,Make Me A Present Of You
10,Smoke Get In Your Eyes
11,I Could Have Told You
12,Accent On Youth

■Bonus Tracks
13,What Is This Thing Called Love
14,The Show Must Go On
15,The Birth Of The Blues


Dinah Washington (vo)
Harold Mooney (arr,cond) and Orchestra
featuring
George Auld (ts)
Herb Geller (as)
Wynton Kelly (p)
Keeter Betts (b)
Jimmy Cobb (ds)


1955年 録音