ポン酒猫のジャズ屋A7

日々ジャズと酒に明け暮れるジャズ喫茶のマスターが書き綴る何の役にも立たない話

the popular music~筒美京平トリビュート

2011-04-20 03:15:44 | 歌謡曲 / J-POP

 

1960年代以降、日本のポピュラー・ミュージック・シーンの中心に位置し

その音楽をリードしてきた日本を代表する作曲家、筒美京平。

これはそんな京平センセのヒット曲を

12組のアーティストとバンドがカヴァーした作品。


アップ・テンポでソウルフルな山崎まさよしの「さらば恋人」、

少しヘヴィ・メタ調が入った柴咲コウの「ブルー・ライト・ヨコハマ」、

フュージョン風の徳永英明の「たそがれマイ・ラブ」、

跳ね気味16ビートレゲエ風ダブ・ナンバー?のmelody.が唄う「真夏の出来事」、

ストレートなロック・ナンバー草野マサムネの「木綿のハンカチーフ」など

非常に聴き処の多いアルバムに仕上がっている。




 the popular music~筒美京平トリビュート

 ユニバーサル・ミュージック UPCH-20031


1,さらば恋人 / 山崎まさよし 
  ~Original : 堺正章 1971/5/1
2,ブルー・ライト・ヨコハマ / 柴咲コウ 
  ~Original : いしだあゆみ 1968/12/25
3,たそがれマイ・ラブ / 徳永英明 
  ~Original : 大橋純子 1978/8/5
4,セクシャルバイオレットNo.1 / つんく♂ 
  ~Original : 桑名正博 1979/7/21
5,人魚 / Bonnie Pink 
  ~Original : Nokko 1994/3/9
6,お世話になりました / ET-KING 
  ~Original : 井上順 1971/9/25
7,飛んでイスタンブール Homme / 秋川雅史 
  ~Original : 庄野真代 1978/4/1
8,魅せられて / 島谷ひとみ 
  ~Original : ジュディ・オング 1979/2/25
9,夏のクラクション / ゴスペラーズ 
  ~Original : 稲垣潤一 1983/7/21
10,真夏の出来事 / melody. 
  ~Original : 平山三紀 1971/5/25
11,木綿のハンカチーフ / 草野マサムネ 
  ~Original : 太田裕美 1975/12/21
12,また逢う日まで / クレイジーケンバンド 
  ~Original : 尾崎紀世彦 1971/3/5


2007年 発売

ラテン・デ・ニッポン~Japanese Latin Beat '60s To '90s~

2010-11-24 02:20:23 | 歌謡曲 / J-POP


珍盤の類に入るこの作品は「マツケン・サンバ」が流行った頃に

企画、製作されたコンピレーション・アルバム。


行きつけの中古盤店でエサ箱を漁っていた時に偶然流れてきた

「アントニオ古賀 / クスリ・ルンバ」(原曲はコーヒー・ルンバ)。

この曲は大学時代の深夜放送でよく聴きました。

懐かしさもあり、早速店長に尋ねアルバムを拝見。

収録曲の面白さと「ラテン・デ・ニッポン」と云う怪しげなタイトルにも惹かれ、

すぐさま購入しました(¥1,160)。


ラテンでありながら、その実態はラテンではない。

日本独自の色合いを強く押し出した摩訶不思議なサウンド、

これこそが日本のラテンです。


このCDには1960年代から80年代までの日本のラテン音楽

所謂「ラテン歌謡」と云われる作品を24曲も収録しています。


先ずジャズ・ファンにとって興味深いのは「ソバマンボ」と「1 2 3ドドンパ」

「ソバマンボ」の方はクラリネットのトニー・スコットと

原信夫とシャープス&フラッツとの共演作品。

途中のソロは勿論トニー・スコット。

「1 2 3ドドンパ」は米の男性4人組コーラス・グループの

フォー・ラッズによる作品、軽妙で洒落たハーモニーが聴けます。


サディスティック・ミカ・バンドの「マダマダ産婆」は

加藤和彦らしいユーモアのある作品。

クリエイションの「暗闇のレオ」はTV番組「ムー一族」の主題歌でした。

こちらの2曲はロック・ファン向けですね。


また、アイドル・ファンには田村英里子の「誘惑のチャチャ」も収録、

何とも気配り?のある、サービス精神満点の選曲です。


中でも面白いのは、デューク・エイセスの「マンボ鵜」。

マンボの掛け声「ウー!」を長良川の鵜になぞらえた

洒落の効いた唄は見事(作詞は永六輔さん)。

楽しさが一杯詰まったアルバムです。




ラテン・デ・ニッポン~Japanese Latin Beat '60s To '90s~

東芝 EMI TOCT-25696


1,ソバマンボ / トニー・スコット
2,パチャンガで踊ろう / 富永ユキ
3,パラキンのスクスク / ダニー飯田とパラダイス・キング
4,チュンガで踊ろう / 有明ユリ
5,1 2 3ドドンパ / フォー・ラッズ
6,ボッサ・ノバNo.8 / ダーク・ダックス
7,九ちゃんの炭坑節 / 坂本九
8,モンキー・ボン・ダンス / 城山吉之助
9,トンバで行こう / 城卓矢
10,クスリ・ルンバ / アントニオ古賀
11,マンボ鵜 / デューク・エイセス
12,今宵踊らん~comoesta's mammbo mix
13,神武夫人のマンボ / 由紀さおり
14,今宵踊らん~comoesta's cha cha cha mix
15,誘惑のチャチャ / 田村英里子
16,ガスパチョ・スープ / 北原理恵
17,酔いどれサンバ / 植田ひとみ
18,マダマダ産婆 / サディスティック・ミカ・バンド
19,暗闇のレオ / クリエイション
20,今宵踊らん~comoesta's samba mix
21,恋はサンバにのせて・・・ / 中原めいこ
22,メルヘン / 植田ひとみ
23,愛した人のサンバ / オパ
24,別れのサンバ / 黛ジュン



2005年 7月 発売

 

 


松田聖子 / 風立ちぬ

2009-12-17 03:19:13 | 歌謡曲 / J-POP

1980年のデビュー以来、未だに音楽シーンで活躍する松田聖子。

デビュー2年目の最初のシングル「チェリー・ブラッサム」からは

シングルやアルバムの曲にコンポーザーとして「チューリップ」の

財津和夫を起用し始めている。

今考えるとこの頃からアイドル歌謡とニュー・ミュージックとの

本格的なコラボレーションが始まったように思う。


アルバム「風立ちぬ」は「SQUALL=スコール」「North Wind=ノース・ウインド」

「Silhouette=シルエット」に次ぐ4作目としてこの年(1981年)の秋に発売された。


A面5曲を手がけているのは、大瀧詠一。丁度大瀧が名作「Long Vacation」を

リリースしたこともあってか、全編 Wall Of Sound=フィル・スペクター・サウンドで溢れている。

B面は財津和夫や大瀧のナイアガラ・トライアングルⅡの仲間

杉真理らの作品が中心、こちらも楽曲の出来は非常に良い。

また、バックのミュージシャンには鈴木茂、吉川忠英、伊集加代子などが参加している。


このアルバム以降松田聖子は、ニュー・ミュージックの松任谷由実や

細野晴臣などと積極的に係っていく。

そして彼等の世界を体現するだけでなく、それを自らの音楽に取り込み、

単なるアイドルの枠を超えた存在となっていく。

アルバム「風立ちぬ」はそういう意味で彼女がアイドルから、アーティストへと

変わっていく切っ掛けとなった作品だと言えよう。


そしてこの流れは、後のアルバム「Pineapple=パイナップル」「Candy=キャンディ」にも

引き継がれ、名作「ユートピア」へと繋がっていくのである。



 松田聖子 / 風立ちぬ

  CBSソニー 28AH-1337

  CBSソニー CSCL-1268 (CD選書)


Side A
1,冬の妖精
2,ガラスの入江
3,一千一秒物語
4,いちご畑でつかまえて
5,風立ちぬ

Side B
1,流星ナイト
2,黄昏はオレンジ・ライム
3,白いパラソル
4,雨のリゾート
5,December Morning



松田聖子 (vo)



1981年 8月、9月 録音




勝 新太郎 / 夜を歌う+8

2009-07-07 03:22:46 | 歌謡曲 / J-POP

石原裕次郎のCDを紹介したからには、同時代のもう1人のスーパー・スター

勝新太郎も採り上げねばなるまい。


これは大映レコード時代のアルバム「夜を歌う」に、日本コロムビアでのアルバム

「人生劇場」、「夜の世界」、「イエスタディ」の3枚から8曲を選んでプラスしたもの。

ポピュラー・スタンダードの他に「人生劇場」や「見上げてごらん夜の星を」などの

日本の歌曲も収録されている。


驚くべきは、勝新太郎の唄の上手さ。

英語の発音は裕次郎同様少し甘い処は有るものの、

裕次郎に優るとも劣らない甘い歌声、その上音程、リズム感も申し分ない。


全21曲を収録しているが、ポピュラー・スタンダードと云えるのは14曲で

「アイ・リメンバー・ユー」、「サマータイム」、「ムーン・リバー」、

「想い出のサンフランシスコ」、「イエスタディ」、「ジ・エンド」の6曲のみ

全編英語で歌っている。



 勝 新太郎 / 夜を歌う+8

  徳間ジャパン・コミュニケーションズ TKCA-72490


1,世界の果てに / The End Of The World
2,サニー / Sunny
3,アイ・リメンバー・ユー / I Remember You
4,サマータイム / Summertime
5,ごめんね坊や
7,アンチェイン・マイ・ハート / Unchain My Heart
8,ハワイアン・ウェディング・ソング / Hawaiian Wedding Song
9,ムーン・リバー / Moon River
10,いつかどこかで
11,想い出のサンフランシスコ / I Left My Heart In San Francisco
12,いそしぎ / The Shadow Of Your Smile
13,夜と恋の終り
14,おまえは何処に
15,四月の或る日
16,人生劇場
17,見上げてごらん夜の星を
18,恋のひとこと / Somethin' Stupid
19,イエスタディ / Yesterday
20,ラスト・ワルツ / The Last Waltz
21,ジ・エンド / The End


勝 新太郎 (vo)
ニュー・パシフィック・オーケストラ


「夜を歌う」・・・1969年 5月5日 発売





石原裕次郎 / The Legendary Cover

2009-06-19 03:37:55 | 歌謡曲 / J-POP

これは石原裕次郎がポピュラー・スタンダードを歌ったものを集めて

編集した、所謂コンピレーション・アルバムである。


石原裕次郎の英語は、美空ひばりと比べると発音が少し甘い処があるが

このコンピレーションはその点も含めて石原裕次郎のヴォーカリストとしての

力量と魅力を実感出来るアルバムと言えるであろう。


最初の5曲は1958~59年の作品で、アレンジは1が鈴木章治、

2~5はバッキー白片が担当。

バッキーのアレンジには当然のようにハワイアン風スチール・ギターが入っている。


6~12は1960年代と70年代の作品。

声に深みが感じられ、楽曲の解釈も数段上手くなっている。


13~15は裕次郎が自らプロデュースしたアルバム「ノスタルジア」からのもので

1974年8月30日にロスに在るRCAのスタジオで録音されている。

監修はオリバー・ネルソン、編曲、指揮はベニー・カーター、

ドラムスはシュリー・マン、アルト・サックスにバディ・コレットなど

豪華なメンバーがバックを務めている。

裕次郎はリラックスした雰囲気の中、楽しそうに歌っている。


最後の16、17は1974年と1967年の作品で、17はライヴ録音である。



 石原 裕次郎 / The Legendary Cover

  TEICHIKU TECE-25292


1,It's Been A Long Long Time
2,For Sentimental Reasons
3,Love Letter
4,Beyond The Reef
5,The Very Thought Of You
6,Blue Hawaii
7,Ke Kali Nei Au
8,I Left My Heart In San Francisco
9,Arrivederci Roma
10,Autumn Leaves
11,sometimes I Feel Like Motherless Child
12,White Christmas
13,Again
14,As Time Goes By
15,Ruby
16,Love Is A Many Splendored Thing
17,My Funny Valentine


1~12,16,17
石原 裕次郎 (vo)
and Others

13,14,15
石原 裕次郎 (vo)
Bobby Bryant (tp)
Oscar Brasheer (tp)
Buddy Collette (as)
Bill Green (ts)
Jerome Richardson (ts)
Jack Nimitz (bs)
Lloyd Ulyate (tb)
Artie Kane (p)
Al Hendrickson (g)
Chuck Domanico (b)
Shelly Manne (ds)
Oliver Nelson (superviser)
Benny Carter (arr,cond)
and String Section,Background Chorus











清水ミチコ / 歌のアルバム

2009-04-30 16:07:10 | 歌謡曲 / J-POP

現代における女性ヴォードビリアンとも云うべき才能溢れるタレント

清水ミチコの傑作アルバム。


1曲目の山口百恵をパロった「波の数だけさよならを」から

最後の綾戸智恵のパロディ「テネシー・ワルツ」まで

彼女の笑いにおける類まれなセンスを感じる事が出来る。


中でも彼女自身大ファンの矢野顕子マネの「相合傘」と

フランソワーズ・アルディの「さよならを教えて」を

フランス語から日本語の九九による歌詞に置き替えて

4x5=20(しごにじゅう)と歌い出す「イェル・ケ・クク」は

際立っている。


全13曲中9曲が彼女の作詞、作曲によるもの、と言っても

その内2曲は語りだけ。

また、彼女自身が弾くピアノも見事の一言です。



 清水ミチコ / 歌のアルバム

  ソニー・ミュージック MHCL-489


1,波の数だけさよならを (山口百恵)
2,この凄い血筋いっぱい (森山良子)
3,ボイス・アドベンチャー
4,リキュールの恋人 (松任谷由実)
5,野球中継
6,ワルのテーマ
7,相合傘 (矢野顕子)
8,イェル・ケ・クク (フランソワーズ・アルディ)
9,クッキング・バトル
10,アタシのブルース (桃井かおり)
11,不思議なリズム
12,歌姫メドレー
  ・Jupiter (平原綾香)
  ・もらい泣き (一青窈)
  ・月光 (鬼束ちひろ)
  ・ワダツミの木 (元ちとせ)
  ・悲しみジョニー (UA)
  ・笑 (笹川美和)
  ・誰かの願いが叶うころ (宇多田ヒカル)
  ・地上の星 (中島みゆき)
13,テネシー・ワルツ (綾戸智恵)



清水ミチコ (vo,p)
and Others


2005年 作品



「デイヴ平尾」死去

2008-11-11 11:53:36 | 歌謡曲 / J-POP

ゴールデン・カップスのヴォーカリスト、デイヴ平尾が亡くなった。

ゴールデン・カップスはグループ・サウンズの中でも

演奏力の高いバンドとして知られ、

1967年「いとしのジザベル」でデビュー


当時のメンバーはデイヴ平尾(vo)、エディ藩(g)、

ルイズルイス加部(b)、ケネス伊東(g)、マモル・マヌー(ds)。

後にゴダイゴで活躍したミッキー吉野(key)は途中から参加している。


メンバー全員がハーフという触れ込みでデビューしたが、

デイヴ平尾、ルイズルイス加部、マモル・マヌー、ミッキー吉野は

生粋の日本人。エデイ藩は華人、ケネス伊東が日系アメリカ人二世であった。


主なヒット曲は「いとしのジザベル」、「銀色のグラス」

「長い髪の少女」、「愛する君に」等。



デイヴ平尾(本名 平尾時宗)

食道ガンのため入院治療中だったが、11月10日心不全で死去 

享年63歳

合掌。