ウィリー・コローンは1950年ニューヨークのサウス・ブロンクス生まれのプエルト・リコ人。
ニューヨークのサルサのミュージシャンの中では若手という事もあってか、
彼の音楽には本格的なキューバン・スタイルの他に、
ロックやソウル、そしてブラジル音楽まで色々な要素を見出す事が出来る。
それは、1961年に米国がキューバと国交を断絶した事により、
キューバ音楽及びミュージシャンが入って来れなくなったという事が
大きく起因していると思われる。
本作品は元々サルサのトロンボーン奏者として名を馳せていた
ウィリー・コローンが歌手として初めてリリースしたもので、
1979年にFaniaレコードから発売されている。
大胆なストリングスの導入、そして女声中心のコーラスと
ウィリー・コローンの優男風の甘いヴォーカルとの対比。
当時のサルサとしてはかなりポップな作品だ。
ブラジル音楽に詳しいウィリー・コロンらしく、
5曲目にはピシンギーニャ作の有名なショーロ・ナンバーを収録してはいるが、
3曲目に至っては日本の歌謡曲を思わせるものまで入っている。
アルバムとしてのサウンドは、素晴らしく軟弱なのだが、
これが何とも心地好いのである。
ジャズ・ファンにはコーラスに、マーリン・ヴァー・プランクの名が
クレジットされているのが気になる処かもしれない。
ともあれ、肩肘張らずに気軽にサルサを楽しめる好盤と云える。
尚、このアルバムは日本盤は完全に廃盤であるが、輸入盤で簡単に入手出来る。
Willie Colon / Solo
原盤 : Fania JM-00535
Reissue : ポニー・キャニオン PCCY-00181 (廃盤)
1,Nueva York
2,Sin Poderte Hablar
3,Chinacubana
4,Senora
5,Urubatan
6,Juancito
7,Colonizaciones
8,Mentiras Tuyas
9,Julia
10,Tu Eres Tu
Willie Colon (vo,bass-tp,chorus)
Bobby Porcelli (as,fl)
Mauricio Smith (fl,picolo)
Ronnie Cuber (bs,fl)
Mario Rivera (bs,fl)
Leopoldo Pineda (tb)
Angel “Papo” Vasquez (tb)
Sam Burtis (bass-tb,tuba)
John Fartis (tp)
Tony Cofresi (tp)
Luis Esteban Ortiz (tp)
Hector Zarzuela (tp)
Professor Joe Torres (p)
Salvador Cuevas (b,fender-b)
Jose Mangual Jr. (bongo)
Eddie Montalvo (tumbadora)
Jimmy Delgado (timbal)
Yomo Toro (cuatro)
Irving Strings Ensemble
Adrian Albert (chorus)
Demaris Cortez (chorus)
Jose Mangual (chorus)
Nestor Sanchez (chorus)
Marlene Ver Plank (chorus)
Cynthia Colon (chorus)
Ada Chabrier (chorus)
1979年 発売