ポン酒猫のジャズ屋A7

日々ジャズと酒に明け暮れるジャズ喫茶のマスターが書き綴る何の役にも立たない話

Mauro Pagani / Mauro Pagani

2013-01-13 03:06:21 |  ROCK / POPS


マウロ・パガーニはイタリアのプログレッシヴ・ロック(この言葉今や死語ですね)

の雄「PFM」のバイオリニストで、このバンドのリーダー格であった。


当時日本のキング・レコードから「ヨーロピアン・プログレッシヴ・ロック・シリーズ」

と云ったような、違ったような、まぁとにかくそんなシリーズの中の1枚として発売された。

日本タイトルは「地中海の伝説」で、大学7年生の頃に購入している。

しかし、経済的理由によりその後処分してしまった。(中古の買取価格は目茶苦茶安かった)

そのアルバムを中古CDで見付け、懐かしさも有り即購入。

購入金額¥600。こちらも凄まじく安い。


さてこのアルバム、今改めて聴くとタイトル通り中近東やイタリア、ギリシャなどの

地中海に面した地方の民族音楽的要素をかなりの比重で採り入れている。

ブズーキなどの民族楽器が使用されているのはある意味当然と云える。

只、その音楽的方向と、70年代のプログレッシヴ・ロックのアプローチが

非常に巧く融合しており、かなり聴き応えのある作品に仕上がっている。


1曲目の中近東的サウンド。

2曲目のオーボエ、ブズーキ、ヴァイオリンに

女性ヴォーカルが絡むスラブ的な音。

そして6曲目の「Choron=コロン」の導入部は、

まるで日本の篠笛を想わせる様な音創りである。


プログレッシヴ・ロックというジャンルを超えた

バラエティーに富んだ楽しめるアルバムだと思う。



 Mauro Pagani / Mauro Pagani

 原盤 : 伊 Ascolto ASC-20093

 Reissue : ディスク・ユニオン ARC-8017


1,Europa Minor~ヨーロッパの曙
2,Argiento~アルジェント
3,Violer D'Amores~哀しみのヴァイオリン
4,La Citta' Aromatica~馨しき街
5,L'Albero Di Canto (PartⅠ)~木々は歌う(パートⅠ)
6,Choron~コロン
7,Il Blu Comincia Davvero~海の調べ
8,L'Albero Di Canto (part Ⅱ)~木々は歌う(パートⅡ)


Mauro Pagani (vln, viola, Bouzouki, mandolin)
Teresa De Sio (vo)....2
Demetrio Stratos (vo)....5,8
and Others


1978年 発売

 

 


The Lovin' Spoonful / Hums Of The Lovin' Spoonful

2012-04-24 02:57:11 |  ROCK / POPS

 

全米No.1ヒットを記録した「Summer In The City」を収録した

1966年にリリースされたラヴィン・スプーンフルの3枚目のアルバム。


このアルバムからは合わせて3曲のシングル・ヒットが生まれている。

フォーク調の「Rain On The Roof」(全米10位)、

カントリー・タッチの「Nashville Cats」(全米8位)、

そしてストレートなロックン・ロールの「Summer In The City」(全米1位)である。


フォークやロック、ブルースを基本スタンスとしながら、

カントリーやジャグ・バンドの要素まで取り込んだ

彼等のグッド・タイム・ミュージックはこのアルバムでも健在。

しかし、この時代を反映してか、サイケデリックでハードな

香りも感じさせる作品となっている。



 
 The Lovin' Spoonful / Hums Of The Lovin' Spoonful

 原盤 : Kama Sutra KLPS-8054

 Reissue : BMG Heritage 74465-99732-2


1,Lovin' You
2,Be's Friends
3,Voodoo In My Basement
4,Darlin' Companion
5,Henry Thomas
6,Full Measure
7,Rain On The Roof
8,Coconut Grove
9,Nashville Cats
10,4 Eyes
11,Summer In The City

■Bonus Tracks
12,Darlin' Companion (John Sebastian Solo)
13,Rain On The Roof (Instrumental)
14,4Eyed (alternate Vocal)
15,Full Measure (Instrumental)
16,Voodoo In My Basement (Instrumental)
17,Darlin' Companion (Alternate Vocal)


The Lovin' Spoonful
・John Sebastian (vo,g,key,harp,autharp)
・Zal Yanovsky (vo,g)
・Steve Boon (b,p)
・Joe Butler (vo,ds)


1966年 発売

 

 


Clifton Chenier / Bayou Blues

2011-11-23 03:53:14 |  ROCK / POPS



クリフトン・シェニエ(写真下)はアメリカ南部の音楽である

Zydeco(ザディコ)のミュージシャン。

 

 

初めてザディコを聴いたのは白人女性ミュージシャンの

Queen Ida(クイーン・アイダ)のアルバムで大学の頃であった。

だが、そのサウンドは同じ南部の音楽Cajun(ケイジャン)に近かった。


ザディコはそのケイジャンと深いつながりがある。

ケイジャンは元々ルイジアナ州のフランス移民がもたらしたもので、

フィドル(ヴァイオリン)とアコーディオンを主要楽器とし、

ワルツ等のダンス音楽を好んで演奏していた。

現在はカントリー&ウエスタンの影響もかなり受けている。


ザディコはケイジャンに黒人のブルースやR&Bを融合した音楽で、

ケイジャン同様アコーディオンをメイン楽器にしているが、

リズムは3連のブルースが主流である。


いかにもアメリカ南部のデルタ地帯を思わせる

イラストが印象的なこのアルバムは昔日本盤LPでも発売された事がある。

黒っぽいがやや野暮ったい、何ともイナタいサウンドは中々魅力的である。


尚、3曲目の「Yesterday」はビートルズ・ナンバーではなく、全くの別曲である。




 Clifton Chenier / Bayou Blues
 
 原盤 : Specialty SPS-2139

 Reissue : Specialty SPCD-2139


1,Boppin' The Rock
2,The Things I Did For You
3,Yesterday
4,Clifton's Squeeze-box Boogie
5,I'm On My Way-Part 1
6,Eh, Petite File
7,All Night Long
8,Opelousas Hop
9,I'm On My Way-Part 2
10,Think It Over
11,Zodico Stomp
12,The Cat's Dreamin'


Clifton Chenier (vo,acco)
and Others


1970年 発売 

 

 


The Anita Kerr Singers / All You Need Is Love

2011-09-25 14:36:38 |  ROCK / POPS

 

これまた最近ウチの店でよく掛かるアルバム。

アニタ・カー・シンガーズの「All You Need Is Love」である。


所謂ジャズという範疇からは少々外れているかもしれないが、

殆んどヴォーカルを中心とした音楽が流れているウチの店では

意外と違和感なく受け入れられているようだ。


アニタ・カー・シンガーズはアレンジャーでもあるアニタ・カーを中心に結成された

男性2人と女性2人の混声コーラス・グループ。

ポップで洒脱な曲、洗練されたハーモニーは

粋でありながら親しみ易く、何とも耳触りがよく心地よい。


これは1967年にワーナー・ブラザースからリリースされたもの。

タイトル曲であるビートルズの「愛こそはすべて」、ビージーズの「ホリディ」、

キャロル・キング作でアレサ・フランクリンの歌でヒットした「ナチュラル・ウーマン」、

アソシエイションの「ネヴァー・マイ・ラヴ」、バカラックの「恋の面影」等

全12曲を収録している。




 The Anita Kerr Singers / All You Need Is Love

 原盤 : Warner Bros. WS-1724

 Reissue : Collectors' Choice CCM-814


1,All You Need Is Love
2,Holiday
3,(You Make Me Feel Like) Natural Woman
4,Never My Lobe
5,Stay
6,How Can I Be Sure
7,Autumn Afternoon
8,No Salt On Her Tail
9,The Look Of Love
10,In The Morning
11,I Make A Feel Of Myself
12,The Last Waltz


The Anita Kerr Singers
・Anita Kerr
・B.J. Baker
・Gene Merlino
・Bob Tedow

and Orchestra


1967年 発売

 

 

 


Claudine Longet / The Look Of Love

2011-09-24 02:48:57 |  ROCK / POPS

 

ウチの店で最近ヘヴィー・ローテーションと成っているCD。

クロディーヌ・ロンジェのアルバム「The Look Of Love」である。


彼女は1960年代後半に、その清楚でキュートな容姿と

まるで少女の様な可愛らしい歌声で当時の音楽シーンに登場した。


これは彼女の2作目にあたるアルバム。

ハーブ・アルパートが設立したA&Mレコードから1967年にリリースされている。

タイトル曲であるバカラック・ナンバーからボサ・ノヴァ、

そして2曲のビートルズ・ナンバーを収録している。


囁く様な彼女のヴォーカルは、時にはコケティッシュに、

また時にはセクシーにと、リスナーの耳に心地良く響いてくる。

この辺りはアレンジャーのニック・デ・カロの手による処が大きいように思う。

彼女のヴォーカルが生きる様に計算されたバックと楽器の絡みは

流石としか云いようがない。


尚、現在本アルバムと彼女の3作目「Love Is Blue」を

カップリングしたCDが韓国盤で発売されている(写真下)。

こちらはタイトル曲の「恋は水色」の他、「ハッピー・トーク」、「ジンジ」、

ビージーズのヒット曲「ホリディ」等を収録。

ここでも彼女の魅力的なヴォーカルが味わえる。


 

 

 

 Claudine Longet / The Look Of Love

 原盤 : A&M LP-129

 Reissue : ユニバーサル・ミュージック UICY-3285 (廃盤)


1,The Look Of Love
2,Man In A Raincoat
3,Think Of Rain
4,How Insensitive
5,Manha De Carnaval
6,I Love How You Love Me
7,Creator Of Rain
8,When I'm Sixty-Four
9,Good Day Sunshine
10,The End Of The World


Claudine Longet (vo)

Produce : Tommy Li Puma
Arrange : Nick De Caro



1967年 発売