ポン酒猫のジャズ屋A7

日々ジャズと酒に明け暮れるジャズ喫茶のマスターが書き綴る何の役にも立たない話

Dorothy Ashby And Frank Wess / In A Minor Groove

2008-08-29 03:20:40 | JAZZ


 ハープとフルートによる爽やかなジャズ・アルバム。

 ハープのドロシー・アシュビーは1932年8月6日 ミシガン州デトロイト生まれ。

 幼少より音楽の手ほどきわ受け、大学で正規の音楽教育を経ている。

 彼女がハープを手にしたのは1952年。

 そしてその翌年には本格的なデビューをしている。


 本作でも彼女のハープは心地よくスウィングしている。

 柔らかなハープの音色に絡むフランク・ウエスの美しいフルート。

 二人が紡ぎ出す音は、 あたかも優雅な室内楽のようである。



  Dorothy Ashby And Frank Wess / In A Minor Groove

    New Jazz NJLP-8202
    ビクター・エンターテインメント VICJ-2181

 1,Rascallity
 2,You'd Be So Nice To Come Home To
 3,It's A Minor Thing
 4,Yesterdays
 5,Bohemia After Dark
 6,Taboo
 7,Autumn In Rome
 8,Alone Together


 Dorothy Ashby (harp)
 Frank Wess (fl)
 Herman Wright (b)
 Roy Haynes (ds)


 1958年 9月19日 New Jersey録音



クアルテート・エン・シー (ザ・ガールズ・フロム・バイーア) / パードン・マイ・イングリッシュ

2008-08-27 02:58:18 | SAMBA / BOSSA NOVA

 ブラジルの4姉妹のコーラス・グループ「クアルテート・エン・シー」は ポルトガル語で「CYのカルテット」という意味。

 その由来は4人の名前からきている。

 メンバーは長女=Cyva(シーヴァ)、次女=Cybele(シベーリ)、 三女=Cynara(シナーラ)、四女=Cylene(シレーネ)。

 その彼女らが「ガールズ・フロム・バイーア」の名義で録音し、アメリカで発売されたのが本作品である。

 アメリカのスタンダード・ナンバーをポルトガル語で、 ボサ・ノヴァ・ナンバーを英語で歌うという 楽しいコンセプトで創られたアルバムだ。

 但し、12曲目の「オサーニャの歌」だけは原詩のまま ポルトガル語で唄われている。

 「天使のハーモニー」と称された彼女らの 瑞々しく且つ美しいコーラスを堪能出来る。

  Quarteto Em Cy(The Girls From Bahia) / Pardon My English

    Warner Bros. WS-1658
    ワーナーミュージック・ジャパン WPCR-12983


 1,Pardon My English
 2,Makin' Whoopee
 3,Tears
 4,Oh, Susannnah
 5,Voce
 6,Tup-A-Tup
 7,Surfin' In Rio
 8,Bye, Bye Blackbird
 9,Useless Landscape
 10,The Face I Love
 11,Image
 12,Canto De Ossanha

 Quarteto Em Cy=The Girls From Bahia (chorus)

 1965~66年 リオ・デ・ジャネイロ録音


ザ・モダネアーズ / シング・ザ・グレート・グレン・ミラー・インストルメンタルズ

2008-08-23 16:02:37 | JAZZ CHORUS

 スウィング時代にグレン・ミラー楽団で活躍したジャズ・コーラス・グループ「ザ・モダネアーズ」。

 グレン・ミラーのヒット曲「チャタヌガー・チュー・チュー」や「セレナーデ・イン・ブルー」等、多くの作品にザ・モダネアーズのコーラスはフィーチャーされている。

 彼らは女性1人、男性4人のいわゆる混声グループ。

 綺麗で心地よいハーモニーは、フォー・フレッシュメンをはじめその後のコーラス・グループにも影響を与えている。

 本作品はそんな彼らの代表作の1つで、1960年の録音。

 縁のあるグレン・ミラー・オーケストラの十八番とも言える「イン・ザ・ムード」「ムーンライト・セレナーデ」などのナンバーを、軽快にスウィングして唄っている。


  The Modernaires / Sing The Great Glenn Miller Instrumentals
   United Artists WWS-8510


 1,Tuxedo Junction
 2,A String Of Pearls
 3,Sunrise Serenade
 4,Pennsylvania 65000
 5,Sleepy Town Train
 6,In The Mood
 7,St. Louis Blues March
 8,Little Brown Jug
 9,Stardust
 10,Adios
 11,Caribbean Clipper
 12,Moonlight Serenade


 The Modernaires (chorus)


 1960年録音



 
 尚、トミー・ドーシー・オーケストラのヒット曲を唄ったアルバム「The Modernaires / We Remember Tommy Dorsey Too!」と本作品をカップリングしたお買い得なCDが輸入盤で発売されている。ジャズ・コーラス好きな人にオススメだ。

 Europe EMI 7243 5 33087 2 8

 


Marty Paich / I Get A Boot Out Of You

2008-08-19 15:25:37 | JAZZ

 

 これは前回紹介した「踊り子」のジャケットのアルバムの姉妹編である。

 「お風呂」の愛称でジャズ・ファンの間では『幻の名盤』扱いされてきた。

 こちらもウエスト・コーストの有名ミュージシャンを多数起用している。

 全8曲中1曲のスタンダードを除き、他はエリントンやボビー・ティモンズらのペンによるジャズ・メンのオリジナル・ナンバーが占めている。

 ここでのペイチのアレンジはテーマは勿論の事、アドリブのソロ・パートにもサックスのアンサンブルを効果的に絡めている。

 1曲目の「モーニン~Moarnin'」から最後の「昔はよかったね~Things Ain't What They Used To Be」まで一気に聴き通せる程、何とも粋で洒落たアルバムに仕上がっている。


  Marty Paich / I Get A Boot Out Of You
   Warner Bros. WS-1349
   ビデオアーツ・ミュージック VACM-3031 ¥2,000


 1,Moarnin'
 2,It Don't Mean A Thing
 3,No More
 4,Love For Sale
 5,Violets For Your Furs
 6,Medley : What Am I Here For~Cottontale
 7,Warm Valley
 8,Things Ain't What They Used To Be


 Marty Paich (arr,con)
 Jack Sheldon (tp)
 Al Porcino (tp)
 Conte Candoli (tp)
 Bob Enevoldsen (v-tb)
 George Roberts (tb)
 Art Pepper (as)
 Bill Perkins(ts)
 Bill Hood (bs)
 Vince DeRosa (french horn)
 Russ Freeman (p)
 Victor Feldman (vib)
 Joe Mondragon (b)
 Mel Lewis (ds)


 1959年6月30日、7月7日、7月12日 Los Angeles 録音
 


 尚、この「お風呂」のアルバムと、姉妹編である「踊り子」のアルバムをカップリングしたCDが現在輸入盤で発売されている。



 米 (輸) Collector's Choise 6832

 

 



緑川 (純米)

2008-08-14 14:31:34 | 日本酒 / ビール

 
 新潟は魚沼市の酒、「緑川(純米)」です。

 淡麗辛口のスッキリした呑み口でありながら、ほのかな味のふくらみ、そして旨みを残した良い酒です。

 冷酒、常温、ぬる燗、どれも良しです。


 緑川(純米) 1,8ℓ ¥2,415

 原材料:米、米こうじ

 精米歩合:60%

 
 〒946-0043

 新潟県魚沼市青島4015番地1

 緑川酒造株式会社

 TEL.025-792-2117 

 http://www.niigata-sake.or.jp/data/kura/69_index.html

 

 


美脚ジャケットその3 : Marty Paich / The Broadway Bit

2008-08-12 14:12:29 | JAZZ



 美脚ジャケットその3は、マーティ・ペイチのビッグ・バンドによるアルバム「ザ・ブロードウェイ・ビット」である。

 楽屋で寛ぐ踊り子を絵柄にしたジャケットもさる事ながら、踊り子の一人にダウンビート誌を持たせるというセンスは中々洒落ている。

 タイトル通りブロードウェイのミュージカルのヒット曲を採り上げているこのアルバムは、ウエストの錚々たるミュージシャンを起用し、ペイチらしい粋なアレンジで、スウィンギーな作品となっている。

 中でもアート・ペッパーのソロがほぼ全編にわたって聴けるのもジャズ・ファンには嬉しい限りだ。

 又、今は亡きベーシスト、スコット・ラファロのソロも1,3,5の3曲で聴く事が出来る。



  Marty Paich / The Broadway Bit
   Warner Bros. WS-1296
   ビデオアーツ・ミュージック VACM-3032 ¥2,000


 1,It's All Right With Me
 2,I've Grown Accustomed To Her Face
 3,I've Never Been In Love Before
 4,I Love Paris
 5,Too Close For Comfort
 6,Younger Than Springtime
   ~The Surry With The Fringe On Top
 7,If I Were A Bell
 8,Lazy Afternoon
 9,Just In Time


 Marty Paich (arr,con,p)
 Frank Beach (tp)
 Stu Williamson (tp,v-tb)
 Bob Enevoldsen (v-tb,ts)
 George Roberts (tb)
 Art Pepper (as)
 Bill Perkins (ts)
 Jimmy Giuffer (bs,cl)
 Vince DeRosa (French horn)
 Scott LaFaro (b)
 Mel Lewis (ds)


 1959年 5月13日 Los Angeles 録音



 尚、この「踊り子」と姉妹編である「お風呂」のジャケットのアルバムをカップリングしたCDが、現在輸入盤で発売されている。

 米 (輸) Collector's Choice 6832

 

 


Shelly Moore / For The First Time・・・

2008-08-11 00:04:04 | JAZZ VOCAL :女性

 実はこのアルバム、アーゴから出ています。

 アーゴ・レーベルと言うとアーシーで泥臭いイメージが有り、ヴォーカルなんぞとは無縁と思われがちですが、どっこいちゃんと出しているのです。


 シェリー・ムーアはイギリスロンドン生まれ、ロンドンで活動した後アメリカで歌うことを夢見て渡米。

 1960年アーゴ・レコードのプロデューサーに認められ本作品を吹き込む。

 あまり声量はありませんが、ドリス・デイに似た感じの声質。

 ドリス程のしっとり感が無いのがちょっと残念ですが、可憐に歌ってます。

 バックは当時のアーゴのミュージシャン、ラムゼイ・ルイスを筆頭にエディ・ハリス、プラス・ジョンソンのサックスが加わったコンボ編成です。


 Shelly Moore / For The First Time...
  Argo LP-4016
  ユニバーサル・ミュージック UCCC-9081 ¥2,345


 1,For The First Time
 2,I Want To Be Happy
 3,Twilight
 4,Thanks To You
 5,So In Love
 6,The Thrill Is Gone
 7,Dancing In The Dark
 8,Summer Love
 9,I Hadn't Anyone Till You
 10,Lonely Seasons


 Shelly Moore (Vo)
 Eddie Harris (as,ts)
 Plas Johnson (as,ts)
 Ramsey Lewis (P)
 John Collins (g)
 Eldee Young (b)
 Isaac Holt (ds)


 1961年 10月 Los Angeles 録音



Mel Torme With The Mel-Tones / Back In Town

2008-08-08 14:10:35 | JAZZ CHORUS

 1940年代にメル・トーメにより結成され、モダン・ジャズ・コーラス・グループの先駆者となったメル・トーンズ。

 このアルバムは、1946年にメル・トーメの独立と共に解散したメル・トーンズが13年振りに編成され、メル・トーメと共演した作品。

 鮮やかで、軽妙かつ粋なハーモニー。メル・トーメとの掛け合いなども有り、楽しさ一杯のアルバムに仕上がっている。

 尚、バックを務めるマーティ・ペイチのオーケストラには、アート・ペッパーやジャック・シェルドン等が参加しており、彼等のソロも聴く事が出来る。


  Mel Torme With The Mel-Tones / Back In Town
   Verve V6-2120
   ユニバーサル・ミュージック POCJ-2764


 1,Makin' Whoopee
 2,Baubles, Bangles And Beads
 3,What Is This Thing Called Love
 4,I've Never Been In Love Before
 5,Truckin'
 6,A Bunch Of The Blues : Medley
   ~Keester Parade~TNT~Tiny' Blues
 7,It Happened In Monterey
 8,I Hadn't Anyone Till You
 9,A Smooth One
 10,Don't Dream Of Anybody But Me
 11,Some Like It Hot
 12,Hit The Road To Dreamland


 Mel Torme (Vo)
 The Mel-Tones
 :Ginny O'Connor (Vo)
 :Bernie Parke (Vo)
 :Sue Allen (Vo)
 :Tom Kenny (Vo)
 Marty Paich (P,Org,celeste,arr)
 Jack Sheldon (tp)
 Art Pepper (as,ts)
 Victor Feldman (Vib)
 Unknown (b)
 Unknown (ds)


 1959年 4月23,28,29日 Los Angeles 録音



Miles Davis / Birth Of The Cool

2008-08-06 03:32:06 | JAZZ
 
 このアルバムは決してジャズ入門者用ではない。

 実際私もジャズを聴き始めの頃に購入したが、当時は全くピンとこなかった事を憶えている。


 ブルーノート、プレステッジ、リバーサイドの主だった作品を押さえ、その後パシフィック、コンテンポラリー、ベツレヘム、ヴァーヴなどのレーベルを聴き込み、なお且つジャズ・ヴォーカルの面白さが判る様になって、初めてこのアルバムの良さ、凄さに気が付くのである。


 特にウエスト・コースト・ジャズの好きな人は、是非とも再度聴き直して頂きたい。

 1949年~1950年の録音だが、既にウエスト・コースト・ジャズのエッセンスがふんだんに詰まっている。

 コンテンポラリーが1951年、パシフィックは1952年の設立という事を考えると、その先見性は素晴らしいものがある。


  Miles Davis / Birth Of The Cool
   Capitol T-762
  

 1,Move
 2,Jeru
 3,Moon Dreams
 4,Venus De Milo
 5,Budo
 6,Deception
 7,Godchild
 8,Boplicity
 9,Rocker
 10,Israel
 11,Rouge
 12,Darn That Dream


 1,2,5,7
 Miles Davis (tp)
 Kai Winding (tb)
 Junior Collins (French horn)
 John Barber (tuba)
 Lee Konitz (as)
 Gerry Mulligan (bs)
 Al Haig (P)
 Joe Shulman (b)
 Max Roach (ds)
 1949年 1月21日 New York録音


 4,8,10,11
 Miles Davis (tp)
 J.J. Johnson (tb)
 Sandy Siegelstein (French horn)
 John Barber (tuba)
 Lee Konitz (as)
 Gerry Mulligan (bs)
 John Lewis (P)
 Nelson Boyd (b)
 Keny Clarke (ds)
 1949年 4月22日 New York録音


 3,6,9,12
 Miles Davis (tp)
 J.J. Johnson (tb)
 Gunther Schuller (French horn)
 John Barber (tuba)
 Lee Konitz (as)
 Gerry Mulligan (bs)
 Al McKibbon (b)
 Max Roach (ds)
 Kenny Hagood (Vo)...12 Only
 1950年 3月9日 New York録音


 Arranged By
 Gerry Mulligan...2,4,6,7,9,12
 John Lewis...1,5,11
 Gil Evans...3,8
 John Carisi...10


 現在、米 Capitol Jazz にて「ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター」仕様にて発売されています。

 米(輸) Capitol Jazz 7243 5 30117 2 7



Art Farmer Tentet / Brass Shout

2008-08-03 03:49:52 | JAZZ

 このアルバム、リーダーはアート・ファーマーとなっているが、実際は全編アレンジを担当したベニー・ゴルソンであろう。

 ファーマーとゴルソンは3管編成の「ジャズテット」を結成するなど名コンビとして知られている。

 ここではテンテットというオーケストラ編成の中で、サックスが1本も無いブラス主体のユニークなサウンドを作り上げている。

 「ブラス・シャウト」と言うタイトルはここに由来する。


 録音当時ファーマー、ゴルソン共に30歳、カーティス・フラー24歳、ボビー・ティモンズ23歳、リー・モーガン20歳、若さと才気が溢れるアルバムである。
 
 「ジャズテット」の一連の作品や名盤「ブルー・スウェット」と比べても、この「ブラス・シャウト」の出来は抜きん出ている。


  Art Farmer Tentet / Brass Shout
   United Artists UAS-5047
   東芝EMI TOCJ-5320


 1,Nica's Dream
 2,Autumn Leaves
 3,Moarnin'
 4,April In Paris
 5,Five Spot After Dark
 6,Stella By Starlight
 7,Minor Vamp


 Art Farmer (tp)
 Lee Morgan (tp)
 Ernie Royal (tp)
 Curtis Fuller (tb).....1,2,3,5,6,7
 Jimmy Cleveland (tb)...1,2,3,5,6,7
 Wayne Andre (tb).......1,2,4,6
 James Haughton (bariton horn)...3,4,5,7
 Julius Watkins (French horn)...1,2,3,5,6,7
 Bob Northern (French horn)...4
 Don Butterfield (tuba)
 Bobby Timmons (P)...3
 Parcy Heath (b)
 Philly Joe Jones (ds)...3,4,5,7
 Elvin Jones (ds)...1,2,6
 Benny Golson (arr)


 1959年5月14日 ニューヨーク録音


 尚、現在このアルバムに
 「Art Farmer&His Orchestra / The Aztec Suite」(写真下)をカップリングしたCDが「ブラス・シャウト」と同じジャケット・デザインで米国ブルー・ノートから発売されている。

 こちらはビッグ・バンドのラテン・ジャズ作品。

 ズート・シムズの参加が個人的には気になったが、4曲目「Woody 'N' You」で短いソロが聴けただけであった。


 Art Farmer / Brass Shout~Aztec Suite
 米(輸) Blue Note 50999 5 17465 2 0