ポン酒猫のジャズ屋A7

日々ジャズと酒に明け暮れるジャズ喫茶のマスターが書き綴る何の役にも立たない話

Richard Williams / New Horn In Town

2011-11-30 03:04:28 | JAZZ

 

クリフォード・ブラウン系のトランペッター、リチャード・ウイリアムスの

初リーダー作であり代表作。


リチャード・ウイリアムスは1931年テキサス州ガルベストン生まれ。

彼が音楽的に最初に影響を受けたのはファッツ・ナヴァロであった。

その後は自身の音楽スタイルを形成する上で、

ディジー・ガレスピーの影響も少なからず受けている。

力強く、温か味があり、朗々と鳴る音色は非常に魅力的である。


このキャンディド盤は初のリーダー作という事もあってか、

かなりイキの良いプレイが聴かれる。

バックはアルトとフルートにレオ・ライト、

ピアノにリチャード・ワイアンズ、そしてベースはレジー・ワークマン

といった結構渋めのメンバー。

曲により彼等のソロも楽しめる好アルバムとなっている。




 Richard Williams / New Horn In Town

 原盤 :  Candid 9003

 Reissue :  Candid 79003


1,I Can Dream, Can't I ?
2,I Remember Clifford
3,Ferris Wheel
4,Raucous Notes
5,Blues In A Quandary
6,Over The Rainbow
7,Renita's Bounce


Richard Williams (tp)
Leo Wright (as,fl)
Richard Wyands (p)
Reginald Workman (b)
Bobby Thomas (ds)


1960年 9月27日 New York 録音

 

 


Beth Carvalho / Mundo Melhor

2011-11-27 02:49:28 | SAMBA / BOSSA NOVA

 

1970年代のブラジルを代表する正統派女性サンバ歌手、ベッチ・カルヴァーリョ。

これは彼女が1976年にブラジルRCAに録音したアルバムで

彼女の最高作と言えるものである。

日本では1978年にRCAビクターから「すばらしき世界」(RVP-6323)

と云うタイトルで発売された。


当時のブラジルではサンバ・ルネッサンスというムーヴメントが興り、

カルトーラ、ネルソン・カヴァキーニョといった

所謂エスコーラ第一世代のサンビスタに対し、

尊敬の念を込めて大々的にスポットが当てられていた。


本アルバムでも何曲か採り上げられている彼等の作品だが、

そこにはサンバの持つ甘さと切なさ、そして楽しさが溢れている。

そんな彼等の曲に若々しく瑞々しいベッチの歌唱が出会い、

素晴らしいアルバムに仕上がっている。


尚、このアルバムは日本では1992年にCD化されたものの、

現在は廃盤となっている。

この時期のベッチのRCAの作品は非常にレベルの高いものが多い。

このアルバムを含め全て再発して欲しいものである。




 Beth Carvalho / Mundo Melhor

 原盤 : ブラジルRCA 103.0177

 Reissue : RCAビクター RVP-6323 (LP) = 廃盤

 Reissue : BMGビクター BVCP-2081 (CD) = 廃盤


1,Antes Ele do que Eu ~ 去りし愛へのサンバ
2,Se Voce Quiser ~ あなたが望むなら
3,Quero Alegria ~ 陽気になろう
4,Volta pro Morro ~ 丘にもどって
5,As Rosas Nao Falam ~ 沈黙のバラ
6,Cavaquinho Camarada ~ 我が友カヴァキーニョ
7,Te Segura ~ あなたとどこまでも
8,Salario Minimo ~ こんな暮し
9,Meu Escudo ~ 心の楯
10,Divina E a Musica ~ すべては音楽
11,Com a Vida que Pediste a Deus ~ 幸せへの道
12,Mundo Melhor ~ すばらしき世界


Beth Carvalho (vo)
and Others


1976年 録音

 

 


米鶴 : 純米吟醸まほろば

2011-11-24 02:09:08 | 日本酒 / ビール

 

山形県は置賜(おきたま)地方=米沢市を中心とした

山形南部の宮城、福島県側=の酒「米鶴(よねつる)」の純米吟醸まほろばです。


酒米は「出羽燦々」を使用。

米鶴酒造とその地場である高畠町の農家とで研究し栽培した山形の酒米です。


やや辛口ですがスッキリとした味わい。

呑み終えた後に極々軽い酸味を薄っすらと感じます。


蔵のオススメの呑み方は冷酒ですが、

余り冷やさない方が酒のふくらみが有ります。

気温10℃以下の冬ならば常温で十分イケル酒だと思います。



 米鶴 : 純米吟醸まほろば  

 720ml ¥1,428

 酒米 : 出羽燦々

 精米歩合 : 55%

 米鶴酒造株式会社

 〒992-0301
 山形県置賜郡高畠町二井宿1076

 TEL. 0238-52-1130


Clifton Chenier / Bayou Blues

2011-11-23 03:53:14 |  ROCK / POPS



クリフトン・シェニエ(写真下)はアメリカ南部の音楽である

Zydeco(ザディコ)のミュージシャン。

 

 

初めてザディコを聴いたのは白人女性ミュージシャンの

Queen Ida(クイーン・アイダ)のアルバムで大学の頃であった。

だが、そのサウンドは同じ南部の音楽Cajun(ケイジャン)に近かった。


ザディコはそのケイジャンと深いつながりがある。

ケイジャンは元々ルイジアナ州のフランス移民がもたらしたもので、

フィドル(ヴァイオリン)とアコーディオンを主要楽器とし、

ワルツ等のダンス音楽を好んで演奏していた。

現在はカントリー&ウエスタンの影響もかなり受けている。


ザディコはケイジャンに黒人のブルースやR&Bを融合した音楽で、

ケイジャン同様アコーディオンをメイン楽器にしているが、

リズムは3連のブルースが主流である。


いかにもアメリカ南部のデルタ地帯を思わせる

イラストが印象的なこのアルバムは昔日本盤LPでも発売された事がある。

黒っぽいがやや野暮ったい、何ともイナタいサウンドは中々魅力的である。


尚、3曲目の「Yesterday」はビートルズ・ナンバーではなく、全くの別曲である。




 Clifton Chenier / Bayou Blues
 
 原盤 : Specialty SPS-2139

 Reissue : Specialty SPCD-2139


1,Boppin' The Rock
2,The Things I Did For You
3,Yesterday
4,Clifton's Squeeze-box Boogie
5,I'm On My Way-Part 1
6,Eh, Petite File
7,All Night Long
8,Opelousas Hop
9,I'm On My Way-Part 2
10,Think It Over
11,Zodico Stomp
12,The Cat's Dreamin'


Clifton Chenier (vo,acco)
and Others


1970年 発売 

 

 


朝丘 雪路 / シング・シング・シング+8

2011-11-10 02:26:35 | JAZZ VOCAL :女性

 

ディスク・ユニオンのTHINK!レコードから復刻された朝丘雪路のジャズ・アルバム。

オリジナルは10インチ=25センチ盤で、1962年に東芝より発売されている。

今回の復刻に当たり、発売当時のステレオ・ヴァージョンの他、

新たに見つかったモノラル音源を加えた16曲入りのCDとして日の目を見た。


この時代にジャズ・ナンバーを歌う場合、英語に日本語を交える事が多々あった。

これは英語による唄がまだ世に十分浸透していなかった事が考えられる。

実際、美空ひばり、江利チエミのジャズ・アルバムでも

日本語を交えて歌われている曲が幾つか存在する。


このアルバムも同様で、最後の「魅惑のとりこに~Bewitched」を除き

他は岩谷時子作詞による日本語を交えたナンバーが収録されている。


宝塚歌劇団出身の朝丘雪路であるが、ジャズ・フィーリングは中々のもの。

スウィング感もあり、英語の発音も決して悪くはない。

ジャズ・シンガーと云っても良い位の見事な歌を聴かせている。




 朝丘 雪路 / シング・シング・シング+8

 原盤 : 東芝音楽工業 JSP-3021, JPO-1164

 Reissue : THINK! Records THCD-082


<ステレオ>
1,シング・シング・シング~Sing Sing Sing
2,いとしのヴァレンタイン~My Funny Valentine
3,いつか、どこかで~Where Or When
4,霧の中のジョニー~Johnny, Remember Me
5,ネイチャー・ボーイ~Nature Boy
6,恋とはどんなものかしら~What Is This Thing Called Love?
7,あなたはすてき~You Deserve
8,魅惑のとりこに~Bewitched

<モノラル>
9~16 同上


朝丘 雪路 (vo)
高見 健三とミッドナイト・サンズ・オーケストラ
小野崎 孝輔 (arr)


1962年 発売

 

 

 


Helen O'Connell / An Era Reborn

2011-11-05 02:13:25 | JAZZ VOCAL :女性

 

このアルバムはヘレン・オコネルがカメオ・レーベルに吹き込んだもの。

25年程前にアメリカの中古盤店から通販で入手、

確か3ドル程であったと記憶している。

写真下はカメオのセンター・レーベルである。




その頃海外からアルバムを購入する場合は当然の事ながら手紙での遣り取りが中心。

オーダーフォームに欲しいアルバムを記入し郵送、在庫確認の後、

国際郵便為替等で支払うという面倒くさい手続きが必要であった。


このアルバムは当時日本では未発売だった為、

入手した直後は店で、『どうだ』と云わんばかりに

自慢げにターンテーブルに乗せていたものだ。

ところが、入手して僅か半年後に日本盤が発売されガックリきた思い出がある。


アルバムはややポピュラーっぽい処はあるものの、

内容は非常に良く、ヘレンの隠れた名盤と云えるのではなかろうか。

12曲のスタンダード・ナンバーを収録しており、

ヘレンはビッグ・バンドをバックに明るく、ノリの良い唄を聴かせている。


尚、このアルバムは日本のセンチュリー・レコードから

CD化されて以来、約25年の間廃盤という状況である。

是非とも再発して欲しい作品だ。

 

 

 Helen O'Connell / An Era Reborn

 原盤 : Cameo SC-1045

 Reissue : センチュリー・レコード 32ED-5054 (廃盤)


■ Side A
1,The Sweetest Sounds
2,Till There Was You
3,Fly Me To The Moon (In Other Words)
4,I Can't Stop Loving You
5,Small World
6,Moon River

■ Side B
1,Make Someone Happy
2,What Kind Of Fool Am I
3,Witchcraft
4,Where Is Love
5,The Sound Of Music
6,I Left My Heart In San Francisco


Helen O'Connell (vo)
and Others


1960年 発売 


■関連アルバム 
 Bob Eberly, Helen O'Connell / Recapturing The Excitement Of The Jimmy Dorsey Era