ポン酒猫のジャズ屋A7

日々ジャズと酒に明け暮れるジャズ喫茶のマスターが書き綴る何の役にも立たない話

Larry Horvis / My Heart Belongs To Only You

2011-10-21 03:21:10 | JAZZ VOCAL :男性

 

このアルバムは今から10年程前、新潟の今は無き「ダイエー」の

中古盤フェアで新品未開封のLPを500円で入手したもの。


当時はこのアルバムの主人公であるラリー・ホーヴィスが何者なのか全く知らなかった。

購入理由は裏ジャケのライナーと曲目(写真下)、

思った通り見事に当たりのアルバムであった。


 

ラリー・ホーヴィスは1936年2月ワシントン州のワパトで生まれ、

その後テキサスのヒューストンへ移住。

7歳の頃から姉と共に歌手としてのキャリアをスタートする。

1950年代後半にはブロードウェイのショウにも何本か出演し、

TVの人気ドラマにも抜擢されている。


その後もTVの脚本やコントも手がけるなど才能を発揮したが、

2003年9月9日食道ガンの為67歳でこの世を去った。


これは1959年にキャピトル・レコードに吹き込んだ

彼の唯一のアルバムである。


余り声量は無いが、甘く優しい声質。

誠実且つ丁寧な歌唱で、白人らしいスマートさも持ち合わせている。

曲によってはやや表現が若いと感じる処もあるが、

これも又彼の魅力の一つではなかろうか。

是非とも日本盤で紹介して欲しい歌い手だ。


尚、バックはジャック・マーシャル編曲のオーケストラである。





 Larry Horvis / My Heart Belongs To Only You

 原盤 : Capitol ST-1218



■Side A

1,My Heart Belongs To Only You
2,Deed I Do
3,But Beautiful
4,As Long As I Live
5,Love-Wise
6,Just In Time

■Side B

1,Nice To Be In Love
2,Then I'll Be Tired Of You
3,I Want To Fall InLove
4,S'posin'
5,Polka Dots And Moonbeams
6,Exactly Like You


Larry Horvis (vo)
Jack Marshall (arr) and Orchestra
Dave Cavanaugh (arr)


1959年 録音

 

 

 


Lester Bowie / The great Pretender

2011-10-05 01:39:35 | JAZZ

 

フリー・ジャズ界最高のコンボとして名高い「アート・アンサンブル・シカゴ」。

これは、そのトランペッター、レスター・ボウイが1981年にECMに吹き込んだ

ECMにおける最初のリーダー作品。


圧巻は何と云ってもタイトル曲であり、アルバムの冒頭を飾る

16分を超える大作「The Great Pretender」。

プラターズで有名なこの曲を、レスター・ボウイは

ユーモア有るトランペット・プレイとトーンを巧みに混じえて

素晴らしい作品に仕上げている。

この1曲だけでこのアルバムを購入する価値が有ると云っても過言ではない。


また、バックを務めるバリトン・サックスのハミエット・ブルーイットと

ピアノのドナルド・スミスらは、やや前衛的ではあるが、

レスターの意図を汲み楽曲にマッチしたプレイとサポートをみせている。


尚、余談だが「The Great Pretender」に参加している

女性ゴスペル・シンガーのフォンテラ・バスはレスターの奥方である。




 Lester Bowie / The Great Pretender

 原盤 : ECM-1209

 Reissue : ECM-1209 B0011869-02


1,The Great Pretender
2,It's Howdy Doody Time
3,When The Doom (Moon) Comes Over The Mountain
4,Rios Negros
5,Rose Drop
6,Oh, How The Ghost Sings


Lester Bowie (tp)
Hamiet Bluiett (bs)
Donald Smith (p,org)
Fred Williams (b,el-b)
Phillip Wilson (ds)
Fontella Bass (vo)....1
David Peaston (vo)....1


1981年 6月 Ludwigsburg 録音