盛期ルネサンスの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)、画家としては寡作で、現存するのは僅か20点足らずだとされている。
かつては英国王チャールズ1世(1600-1649/在位1625-1649)が所有し、その後長い間行方不明となっていた作品がNYで発見されたのが2011年のこと。
その作品とは、巨匠が1500年頃に描いたとされる 「サルバトール・ムンディ(救世主)」(65.6×45.4cm)。
青い服を着たキリストが、左手に水晶玉を持ち右手で天を指さす様子が描かれ、果たして本物か? と騒がれたことを憶えている。
そして、過日(11/16)の朝日夕刊の第一面に “ 510億円 ダビンチ(ママ)のキリスト画落札 史上最高額 ” の見出しが踊っていて驚いた。
米国発の記事は、その 「サルバトール・ムンディ」が、“ 15日、NYで競売にかけられ、約4億5031万ドル、約510億円で落札、絵画としては史上最高額の落札額となる ” と告げ、“ 落札者は明らかにしていない ” と続けていた。
捻くれカトリックのペトロ、真贋を疑う訳じゃないが、写真を見て、「水晶玉なんて占い師じゃあるまいし」と、眉に唾をつける。
また、ほぼ同じ頃、ドイツ・ルネサンスの奇才デューラ(1471-1528)が、自身をキリストに見立て描いたとされる 「<1500年の自画像>」(1500年/67×49cm/アルテ・ピナコテーク蔵 )と重ね、「ヴィンチさん、女性を描くのは上手いンだけど男性はどうもねえ」とも。
それはとも角として、ヴィヴィッドな彼の 「<洗礼者聖ヨハネ>」(1513-1516年/69×57cm/ルーヴル美術館蔵)とイメージが被る本作、そのヨハネの「表情が好きなれないの」と言ったカタリナ、に感想を訊いてみたい気がしないでもない。
それにしても、発見時は160億円程度の評価が三倍とはねえ、いやはや、狂っとる!
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1449
この絵、初めて見ました。
私も狂ってるって思いました(^-^;
コメントありがとうございました
買ったのが個人か美術館か明らかにされていませんが、あるところにはあるんですねえ
こんなに高く売れるんだったら、もっと描いときゃよかったと、寡作の巨匠、今頃、臍を噛んでるかも知れませんね
オイルマネーじゃないと中々買えないでしょうねえ
でも、この分だと一般公開されるンじゃないかと思いますが、アブダビとは少々癪に障りますね・・・