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ペトロとカタリナの旅を重ねて

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レンブラント(2) 「ヨセフの息子たちを祝福するヤコブ」

2017年10月28日 |  ∟ドイツの美術館

 ドイツ カッセル/ヴィルヘルムスヘーエ城・古典絵画館編 (5) 中欧美術館絵画名作選 (108)

 ヴィルヘルムスヘーエ城・古典絵画館、オランダ絵画黄金期を築いたレンブラント・ファン・レイン(1606-1669)のコレクションを誇る。

 その二作目は、彼が数多く描いた宗教絵画のなかでも傑作のひとつとされる、旧約聖書の創世記、その第48章に記された一場面を描いた 「ヨセフの息子たちを祝福するヤコブ」(1656年/173×209 cm)。

 アブラハムからイサク、そしてヤコブへと連なるイスラエルの父祖三代の系統の末のこと、臨終を迎えたヤコブは苦しげにベッドに身を起こし、イスラエルの運命を背負う者として孫を祝福しようとしている。

 息子のヨセフは、長幼の序を無視、長男ではなく次男に祝福を与えようとする父ヤコブをたしなめ、父親の手を置き変えようとするがヤコブはそれを拒み、“ いや息子よ、分かっておる。私の子よ、私には分かっている ” と告げる。

 ヤコブの手はひざまずき神妙に頭を下げる弟エフライムの金髪の上に置かれ、その隣の小柄な黒髪の兄のマナセは祖父が弟を祝福するのを見て悲しげな表情を浮かべている。

 ところで彼、聖書の内容を忠実に描くことに定評があったが、ここでは珍しく聖書ではこの場に登場しないヨセフの妻アセナトを描いている。

 ちなみに彼女はエジプト人で41章に一度だけ登場しているが、彼女を描くことによって全体の構図、何よりも登場人物たちの心理の均衡を採ったとされている。

 聖書は、ヤコブが間違えたのでなければ、勝手に祝福をしたものでもなく “ 神の意志 ” で行われたのだということを伝えている。

 レンブラントは、それを深く理解し本作を描いたとされている。

 そして、マナセも一部族の長になるものの、エフライムはより偉大でイスラエル十二部族の中で最も大きな部族の長になったと旧約聖書は記している。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1420

 ※ 小編は、2009-06 に投稿した記事をリライト、再投稿したものです。


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