新嘗祭(にいなめさい)の頃から二十四節気の “ 小雪 ”(しょうせつ)、僅か乍ら雪が降り始める頃とされる。
縦長の日本列島、紅葉と雪の便りが混ざる。
歌舞伎だったか、「この辺りは山家ゆえ、紅葉のあるに雪が降る。さぞ寒かったで・・・」という台詞があったように思う。
小春日和の一日、紅葉を求めて京や奈良の名所に人が集っているらしい。
京といえば、“ 山陰の小京都 ” とか “ 飛騨の小京都 ” とか呼ばれる所があり、九州や四国や東北など方々にそれなるものがある。
自然にそのように呼ばれる所もあれば、観光協会などが商魂逞しくあやかろうとする所もあるよう、そんなものと無縁に暮らす人のなかには、眉をひそめている向きもあるだろう。
この手の話、なにも日本だけではない。
フランスのアルザス地方のストラスブール、ライン川に沿ったこの町、“ 道の町 ” の意のラテン語 “ ストラテブルグム ” に由来、古来より交通の要衝だったらしい。
かつてドイツとフランスが領土を争う時代があって、ストラスブルクとドイツ語で呼ばれた時期もあったと聞く。
その頃の名残なのかフランスにありながら “ プティット・フランス ” と呼ばれる一角が残る。
そのストラスブールからさらにライン川に沿って南、アルザスワインの産地コルマールには “ プティット・ヴニース ” がある。
小賢しくもそんな名前を付けなくとも、昔ながらの木組みの家並みを水路が囲む辺りは個性的で、十分に美しいのにである。
久しぶりに主日ミサ、日曜礼拝といえば分かりがいい。に与った。
11月29日は、待降節第一主日、教会暦ではこの日から新しい一年になる。
教会の脇祭壇にはイエスの生誕をジオラマにしたプレゼーピオが飾られ、アドベント・クランツ(写真下)、樅の枝のリースで飾られた四本のローソクを週毎に順に点し、主が降誕された日を待ちわびる。
四本のローソク全てに灯が点る待降節第四主日が過ぎると、降誕祭、クリスマスだ。
うん? もうそんな時期、と少し憮然としながら11月を見送る。