前回、「天使と悪魔」で、カラヴァッジョとベルニーニとの出会いを折々に綴ると書いたものの、さて始めるとなると、どの美術館、どこの教会から始めればよいのか悩ましい。
折から京都で、「ボルゲーゼ美術館展」(NHKなど主催)が開催されている。
このボルゲーゼ美術館、カラヴァッジョとベルニーニの後援者だったシピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿のコレクションを中心に展示している。
ふたりの作品のほかに、盛期ルネサンスの巨人ラファエロの 「一角獣を抱く貴婦人」や同じく盛期ルネサンス・ヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノの傑作 「聖愛と俗愛」、ルネサンス後期ともされるマニエリスムのイタリアの画家コレッジョの最高傑作 「ダナエ」などの優れた作品も所蔵している。
が、強いて言えばふたりのための美術館とも言えなくもない。
同展のホームページを覗いたら、ベルニーニを “ 天使と悪魔では、謎解きの道標として彼の傑作が次々と登場 ” と紹介、思いつくことが似ていて面白い、で、ボルゲーゼ美術館(上)からスタートすることにした。
この美術館、ローマの北東に拓く広大なボルゲーゼ公園の中に建つ。
地下鉄A線のスパーニャ駅から、呆れるほど長い地下通路のエスカレータなどを乗り継ぎ、ピンチアーナ門近くの出口に出る方法もあるが、便利なのはテルミニ駅前の五百人広場のバス・ターミナルから出る910番のバス。
ピンチアーナ門を過ぎ、多分ひと停留所だと思う、ボルゲーゼ公園でバスを棄てるのが一番早いようで、そこからは美術館の屋根が見える。
ちなみに往路は、地下鉄A線のルートを利用した。
入館には予約が要り、出国前に同館のHPで朝一番の予約を得ておいた。
建物正面左側、半地階の受付で予約券を見せチケットを購入、一旦、外に出て正面階段から1階へ上がりロッジア(下)で開館を待った。(続く)