秋たけなわとなった。
ここ数日、夏日が続くものの、各地から紅葉や菊花展の便りが届き、先月27日からは「読書週間」も始まっている。
ガキ大将でろくすっぽ勉強もしたことがなかったが、何故か本だけは好きだった。
この時期、木造の小学校の図書館からは、裏山の燃えるような紅葉や銀杏が透き通った空に鮮やかに映え、本を読んでいることをも忘れ見入っていたことを覚えている。
裏山は村で一番高い山へと続き、頂きに崩れた石垣と枯れ井戸が残っていた。
その城山からは、開墾地と呼んでいた山あいの掌のような地に田が並び、この季節には籾殻を燃やす煙がたなびくのが望めた。
新嘗祭、豊穣を感謝する祭礼があって暫く、刈り取られた稲から新しい芽が伸びる頃、刈り取った稲株の根切りを済ませ麦蒔きに備える。
天気のいい冷え込んだ朝は霜が降り一面真っ白な景色が広がる。
娯楽といえるものは村に一軒の映画館とラジオと紙質の悪い雑誌だった。
が、そこにはまごうことのない四季があり、灯火に親しむやさしい秋があった。
通常国会冒頭、鳩山首相が異例の長時間を費やし所信を明らかにした。
週明けから衆参各委員会の論戦が始まるが、勤勉にも国のため十分働いてきたサイレント・マジョリティー、さて、新政権に何を期待していいのやら?
この月は、子供の健やかな成長を祈って「七五三」も行われる。
将来世代に野放図な飽食のつけ回しもできまいが、弱者目線の優しい政治を司ってほしいと思う。
歴代総理も与党も野党もゆ党と自称する何とか党も、みんな金持ち政治家(屋?)二世のぼんぼんばかり。
庶民の切実な気持ち、果たして届いているのやら・・・・。
11月霜月、霜降月ともいう。
秋の夜長にそんなことを思う。(写真はすべて西宮神社にて撮す)