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MotoGP : Moto3 技術規則

2010-11-08 19:35:34 | MotoGP 2010

FIMが、2012年から始まるMoto3クラスのテクニカルレギュレーションを発表した。

基本的にはMoto2クラスの概念を踏襲しているが、単一エンジンサプライでは無い。
エンジンサプライヤーになるには、15人以上のライダーに供給するという縛りがある為、Moto2のようにメーカーが乱立する事は無さそう。
今のところ、ホンダを筆頭に、アプリリアも参入の意思を示しているようだ。



FIM announces Moto3 technical rules

Engine

* 4ストロークエンジンに限る。
*エンジン容量 : 最大250cc。
*単気筒に限る。
*最大ボア : 81mm。オーバルピストン禁止。
*自然吸気エンジンとする。ターボ、スーパーチャージ禁止。
*最大回転数 : 14,000 rpm
*点火装置は、一つ。
*バルブは、4バルブまで。
*油圧及びニューマチックバルブの禁止。
*バルブタイミングのドライブは、チェーン駆動に限る。
*可変バルブタイミングシステムの禁止。

Engine Supply

*エンジンの定義は、吸気系(スロットルボディ、インジェクタ)やトランスミッションを含むものとする。
*エンジンの価格は12,000ユーロを超えてはならない。
*各エンジンの供給者は、15人以上のライダーに対し、十分なエンジンとスペアパーツの供給を保証しなければならない。
*各エンジンの供給者は、スペアパーツの価格や納期をオーガナイザーに提出しなければならない。
また、その価格を越えて請求してはならない。価格は妥当なものでなければならない。
*エンジンやパーツがアップデイトした場合、これらを全てのチームが利用できるようにしなければならない。
価格は、先に提出した価格を尊重する事。

Inlet & Fuel System

*可変長吸気管システムは禁止。
*スロットルコントロールバルブは一つだけとし、ライダーにより制御されるものとする。
その他のデバイスの介入は不可とする。
*アイドルスピード調整のバイパスをECUで制御するのは可。
*フューエルインジェクターは、吸気バルブの前に設置する事。
*フューエルインジェクター及びドライバは最大2までとする。
*燃料噴射圧力は最大5.0バーを越えてはならない。
*燃焼室、吸気管内にはブリーザ―ガスを除き、エア、混合気のみ流入が可。
*燃料は、FIMの定める仕様を遵守せよ。

Exhaust system

*可変長エキゾーストは禁止。
*騒音規制は、115 db以下とする。(静止状態測定)
*不動パーツ(バルブ、バッフル等)は可。

Transmission

*最大6速まで。
*トランスミッション、プライマリドライブのギア比は二つまで変更可。
チームはシーズン初めに各ギア比を申告しなければならない。
*電気式及び電気油圧式クラッチは禁止。

Ignition, Electronics & Data-Logging

*点火、燃料噴射コントロールユニット(ECU)は、オーガナイザーが承認したものに限る。
*ECUは、ハードもソフトも変更してはならず、オーガナイザーが提供した状態とする。
ソフトウェアを使用してのセッティングはその限りでは無い。
*テクニカルディレクターは、いつでもチームに対し別のECUへの変更を要求出来る。
*これらの公式ECUは、エンジン回転制御機能を含んでいる。(データロガーは、承認されたものを使用する事)

Chassis

*シャーシはプロトタイプとし、FIMのグランプリ技術規則の範囲内において自由に製作できる。
*最低重量規定 : 148kg(ライダー+マシン)
*ブレーキディスクは、鉄製でなければならない。
*サスペンションは、従来の器械的なものとし、一切の電子制御を認めない。コイルスプリングは、鉄製でなければならない。

Wheels & Tyres

*ホイールリムに使用可能な材料は、マグネシウムとアルミニウム合金とする。
*ホイールリムサイズ : フロント、2.50"× 17" リア、3.50"× 17"
*タイヤの数と仕様は、イベント毎に各競技者に割り当てられたものとする。
*公式サプライヤーのタイヤのみ使用する事が出来る。

Materials & Construction

*使用可能な材料は、FIMグランプリ規則第2.7.10に準拠する。
*カムシャフト、クランクシャフト、ピストンピンは、鉄ベースの合金とする。
*エンジンのクランクケース、シリンダブロック、シリンダヘッドは、鋳造アルミニウム合金製とする。

General

*マシン数 : ライダー1人にマシン1台とする。
*エンジン数 : シーズン中に使用できるエンジン数は最大8機まで。リビルドされたエンジンは、新エンジンとしてカウントする。
*各チームは、最初のセッション開始前日までにテクニカルコントロールにエンジンを登録しなければならない。
登録されたエンジンは、カムカバー、トランスミッションを除き、密封される。
この登録密封されたエンジンのみ使用可能となる。
*上記以外の基準は、FIMグランプリ規則に準じる。



公式リリース(PDF)


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2 コメント

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エンジンだけでホンダRS125Rの価格を超えるかもしれないんですね ()
2010-11-09 06:51:56
でも今のアプリリアよりはずっと安くすむんだろうな
電子制御は禁止されてないんですね。エンブレコントロールは最低限必要かも

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電子的なデバイスの介入は全面的に禁止されているようではないですが、トラクションコントロールは使えないみたいですね。 (pegasus)
2010-11-09 10:45:31
若いライダーを育てるというこのクラスの趣旨からいえば妥当なレギュレーションに見えます。

車両も安くなりそうですね。Moto2のシャーシが、8万ユーロ位と言われているから、Moto3がその半分位とすると4万ユーロで、全部で6万ユーロ位で一台が組みあがるのでしょうか。車両代だけを考えればアプリリアの4分の1位になりそうです。

Moto3クラスの新設で、今年の小山選手のようにマシンによるハンデが無くなると実力勝負で面白くなりそうですが、2サイクルで育った私としては、2サイクル車が無くなるのに一抹の寂しさを覚えます。
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