INDIANAPOLIS GRAND PRIX
Indianapolis
MotoGP 第11戦 インディアナポリスGP アフターザフラッグ
■開催日:2010年8月29日(日)決勝結果
■開催地:インディアナ州/インディアナポリス・モーター・スピードウェイ(4.216km)
■周回数:28周(118.048 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:35度
■路面温度:56度
■観客:6万2,794人(3日間:13万6,184人)
■PP:B・スピース(1分40秒105/ヤマハ)
■FL:D・ペドロサ(1分40秒896/ホンダ)
REPORT
インディアナポリスGPの決勝は、気温35℃、路面温度56℃の厳しいコンディションとなった。
ポールポジションから、ホールショットを決めたベン・スピーズは、快調にレースをリードしていった。
しかし、ペドロサが徐々に差を詰め、7周目にスピーズを捕らえてトップに立った。
その後もペドロサのペースは衰えず、スピーズの追撃を振り切り、今季3勝目を飾った。
ペドロサは、MotoGPにステップアップして以来、2勝以上あげた事が無かったが、これで弾みを付け、更に勝利を上積みを目指す。
復帰戦の青山博一は、ド・ピュニエとの争いとなっていたが、最後に振り切り12位でゴールした。
Moto2クラスは、スタート直後に2コーナー付近で多重クラッシュが発生し、赤旗中断となった。
再スタート後のレースは、エリアス、シモン、レディングが、トップを走行。
体調不良ながら走りきったエリアスが、今季5勝目を挙げ、チャンピオンシップを更に有利にした。
高橋裕紀は、他車の転倒に巻き込まれて転倒し、再スタートを切ったが3周遅れの26位。
手島雄介も他車の転倒に巻き込まれ、リタイアしている。
また、スタート直後の多重クラッシュに巻き込まれた富沢祥也は、自力でピットに戻ったものの、マシンの修復が間に合わずリタイア。
Moto2クラスに出場した日本人選手は、3人ともに厳しい結果に終わった。
RIDERS COMMENT
MotoGP
1 ダニー・ペドロサ Honda 47'31.615
「今日は暑くて厳しいレースになったが、優勝することができてうれしい。スタートはよくなかったが、コース序盤のいくつかのコーナーでトップグループの後ろまで順位を上げることができた。その後、リズムよく乗れたし、トップを走っていたベンに追いつき、抜くことができた。今日はストレートが速くて、コーナーでも気持ちよく乗れた。バイクの状態は完ぺきだった。今日のレースは本当に体力を消耗した。トップをキープするのが大変だった。咋年も同じようにトップを走れたけれど、転んでしまった。その雪辱を果たせたこともうれしい。今週は本当に転倒車が多く、ミスを犯さないように集中しなければならなかった。これまでシーズンで2勝までしかしたことがなかったので、シーズン3勝目を挙げることができて本当にうれしい。チームはもちろんのこと、サポートしてくれているすべての人たちに感謝したい」
2 ベン・スピース Yamaha +3.575
「母国アメリカの大勢のファンの前で、またこの由緒あるインディアナポリスで、モトGPベストリザルトを獲得することができてとてもうれしい。ホームレースでベストリザルトを実現したいということは、今まで何度も話してきたので、そのミッションが達成されたということなんだ。ポールポジションから好スタートを切って、モトGPで初めてトップを走ることができた。でも悔しいことに、ダニのペースにはどうしてもかなわなかったんだ。優勝はできなかったけれど、ミスはほとんどなかったし、最後までコンスタントに走り切ることができたことには満足しているよ。ダニに抜かれたときすでに、ついて行くことは不可能だとわかっていたんだ。だから彼を先に行かせて、そのあとは3位で追ってくるホルヘとの差に注意しながらゴールを目指していった。充実したレースウイークになったし、母国で2位を獲得してヤマハ勢のトップに立つことができたのだからこれ以上、望むことはない。来週のミザノもまた楽しんで走りたい」
3 ホルヘ・ロレンソ Yamaha +6.812
「3位という結果にがっかりするべきじゃないと思うんだ。でも今日の自分の走りには納得がいかない。スタートがうまくできなかったし、そのあともすべてを出し切ることができなかった。今日は今までにも増して暑さが厳しくて、ハードにプッシュしたり、プラクティスと同等のタイムを出したりするだけの体力がなかったんだ。まるでマレーシアGPのような厳しさだったよ。しかも路面がとても滑りやすかったので、タイヤを思い通りに使いこなすことができない。そんなわけだから、3位で完走できただけでもラッキーだったと思っているくらいなんだ。良かったことは少しでもポイントを獲れたこと。次のミザノまであまり時間がないから、調子を取り戻すべく集中していくよ」
4 ヴァレンティーノ・ロッシ Yamaha +12.633
「昨日までに比べて、今日はいい走りができたよ。このようなコンディションのなかで4位に入れたのだから悪くないと思う。そして何よりも、レースのリズムをしっかりつかみ、気持ちよくマシンに乗ることができるようになったことが大きな収穫だった。好タイムも何度か出ていて、他のヤマハ勢からもそんなに離されてはいなかったんだけれど、残念ながらこの暑さに体力を奪われてしまったんだ。そして最後にはすっかり力がなくなって、プッシュすることもできなくなってしまった。でも、セッティングが戻り、うまく乗れるようになったことには満足しているよ。今週は3回も転倒してしまったことを考えれば、4位は悪くないよね。次はホームレースのミザノだから、楽しみにしているよ!」
5 アンドレア・ドビツィオーゾ Honda +21.885
「今日はいいレースをする自信があったし、こういう結果に終わって本当に残念だった。スタートはよかったし、序盤からいいペースを刻めた。しかし、表彰台に立つためのラップタイムをキープすることができなかった。今日のダニは、本当にすばらしい速さだった。ライディングスタイルもいつもと違っていたし、コーナーでも本当に速かった。ダニのようなスピードで走るためには、ライディングスタイルも含めて、もっともっと勉強しなければならない。今日は表彰台に立てず残念だった。次のミサノは、自分にとってはホームGPとなるので、応援してくれるファンの前でいいレースを見てもらいたい。表彰台には立てなかったが、総合3位をキープできてよかった」
6 ニッキー・ヘイデン Ducati +35.138
「「何が起きたのかいまだに信じられないよ。本当に残念だ。最初の数ラップはとても慎重になっていた。暑さで路面がかなり滑りやすくなっていたからね。でも3周目に少しフロントが滑ってしまい、縁石にあった排水溝のふたを左ひざで引っかけてしまった。それがまさに膝のプロテクターのベルクロがついているところだったんだ。ここは左コーナーがかなり多い。それ以降は堅実に走るしかなく、全くプッシュできなかった上に、レザースーツにでっかい穴が空いてしまった。今日は速さがあったし、パフォーマンスを見せられただろうから、ものすごく残念だ。」
7 マルコ・シモンチェリ Honda +36.740
「今日はマレーシアGPを走っているような暑さで、本当に厳しいレースだった。とにかく、スタートからゴールまで全力を尽くした。5位以内でフィニッシュするという目標は達成できなかったが、いいレースができたと思っている。今日は中盤まで4台、5台のグループで接戦となっていたが、最後はバウティスタとの一騎打ちとなり、彼を抑えてフィニッシュできたこともよかった。次のミサノは、自分にとって、そしてチームにとってもホームGPとなるので、いいレースをしたい」
8 アルバロ・バウティスタ Suzuki +36.825
「マシンと路面からの熱気が物凄く暑く、とてもハードなレースだった。持久力が問われるレースになったが、自分自身には体力面や回復力を計る良いテストにもなり、結果的にはまったく問題なく走ることができた。スタート直後に順位を落としてしまったがすぐに何台かをパスして、カリオ(ドゥカティ)の後ろになってからは、彼がなかなか良いリズムで走っているし、残りもまだ長いので体力を温存しておこうと思い、彼についていこうと決めた。やがてシモンチェリにも追いついたので、ここでカリオをパスしてシモンチェリも捉えようと思った。仕掛けるポイントは2箇所あったが、どちらも路面が荒れている場所で、危険でもあった。10番コーナーでパスを試みたが諦めた。やはり路面が荒れていて危険だったし、このレースでは絶対に完走したかったからだ。8位というトップ10内の結果は上出来だ。今朝、ギアボックスのセッティングに大幅な変更を加えたことが、良い結果に結びついた。レース結果と、素晴らしい仕事をしてくれたチーム全員にとても満足している。すぐにまた次戦があるので、今からとても楽しみだ。」
9 アレックス・エスパルガロ Ducati +44.905
10 エクトール・バルベラ Ducati +51.368
11 ロリス・カピロッシ Suzuki +55.386
「マシンの調子は、その時々で乗りやすくなったり、乗りづらくなったりする。今日のレースでは非常に乗りづらく、フロントタイヤの感触が上手くつかめなかった。これは今シーズンの課題となっていて、これまで度々起きた転倒の原因にもなっていることだ。限界を見つけるのは本当に難しいことだが、解決策を見つけることも、それほど容易ではない。今日のレースでは、理想ほどは速くはなかったものの、自分のペースで走り、終盤にバルベラに仕掛けた。彼をパスしたが、ラスト1周でバルベラが信じられないような勢いで当たってきたので、コースアウトして芝のゾーンまで追い出されてしまい、それで10位を落とした。マシンの調子もレースウィークの間安定せず、決勝ではあまり良くなかったこともあり、今日の結果に不満だ。チームの誰もが全力を尽くしているし、それはとても大切なことだ。次戦へ向けてとにかく最善を尽くしていくだけだ。」
12 青山博一 Honda +57.903
「最高に厳しいレースだった。レースが終わったときには、コルセットをして走っていることもあって、背中が曲がらなかった。しかも、コルセットをつけていることでとても暑く、これでかなり体力を消耗した。序盤、集団の後ろにいるときはついていけるペースだった。しかし、13コーナーでフロントを大きく滑らせて転びそうになり、それからは思いきりいけなかった。今日はランディとバトルになったけれど、ランディもケガから復帰して2戦目なので、絶対に負けられないと思った。6戦ぶりの復帰となり、自分にとっては、これでMotoGP5戦目のレース。みんなの半分しかレースをしていないので、これから、その差を縮めていきたい。復帰戦ということを考えれば、今日の12位に満足している」
13 ランディ・ド・ピュニエ Honda +1'04.139
「復帰戦となったブルノよりコースレイアウトが厳しかったこともあるが、今年になって、もっとも苛酷なレースだった。ケガをして完治していない左足に負担がかかる左コーナーが10カ所もあり、加えて、バンピーでスリッピーな路面とも格闘しなければならなかった。とにかく、いろいろなセッティングにトライしたし、ライディングを変えてみたりした。しかし、最後まで思ったような走りができなかった。13位という結果に終わったが、総合8位をキープできた。次のミサノは得意なサーキットなので、いいレースをしたい」
RT ミカ・カリオ Ducati +10Laps
「不運だ。これは正しい方向ではない。いつもよりもグッドなスタートで、ポジションを3つ上げた。
バウティスタとシモンセリと一緒に速いリズムで走り、7位争いをしたけど、アスファルトに穴があって、フロントタイヤが一気に行ってしまった。
7位争いができ、少なくてもトップ10に入ることができた。ものごとの展開にがっかり。今シーズンは、何らかの理由で、リザルトを獲得することができない。」
RT コーリン・エドワーズ Yamaha +12Laps
「金曜日にハードタイヤを試したときに41.6秒が出ていて、フィーリングもとても良かったからそれをチョイスしたんだ。ソフトタイヤではレース距離を走り切ることはできなかったし、8周か9周くらいでもう問題が出てきていたからね。しかも今日は気温も湿度も上がっていたので、ハードタイヤを使いたいと思ったんだ。ところが走りだしてみるとグリップがいまいちで、コーナリングがうまくできない。ベストを尽くして限界ぎりぎりまで攻めているのに、どうしてもペースが上がっていかなかったから、ピットに戻ってソフトタイヤに交換することにしたんだ。そうしたらすぐにタイムが上がったよ…。つまりタイヤチョイスが失敗の原因だ。その一方でベンの走りはすばらしかった。モトGPでの2位という成績は誇れるものだよ。おめでとう、ベン!」
RT ケーシー・ストーナー Ducati +21Laps
「とても残念だ。クラッシュなんて全然していないけれど、確かにリタイアするには十分の理由だった。多くの人は、僕がフロントエンドのクラッシュだと思っているけれど、実際は、シーズン序盤に僕らが抱えていた問題が、インディアナポリスでぶり返してきただけなんだ。僕らはコーナーでフロントエンドのフィーリングがつかめず苦しんでいた。ベースが良かっただけに、表彰台に上がれると思っていたから、本当に残念だ。」
RT マルコ・メランドリ Honda +26Laps
「残念なレースだった。決勝に向けてペースを改善することができたけれど、依然としてブレーキングの安定性の問題は解決しなかった。今日はスタートしてから前に出ようとプッシュした。バレンティーノの後ろについてからは、彼を抜こうと思った。しかし、フロントからいきなり転んでしまった。今年はずっと同じ問題を抱えているし、これを早く解決したい」
ポイントスタンディング
1 ホルヘ・ロレンソ Yamaha 251
2 ダニ・ペドロサ Honda 183
3 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda 126
4 ケーシー・ストーナー Ducati 119
5 ヴァレンティーノ・ロッシ Yamaha 114
6 ベン・スピーズ Yamaha 110
7 ニッキー・ヘイデン Ducati 109
8 ランディ・デ・ピュニエ Honda 78
9 マルコ・シモンチェリ Honda 63
10 マルコ・メランドリ Honda 61
11 コーリン・エドワーズ Yamaha 57
12 エクトール・バルベラ Ducati 54
13 ロリス・カピロッシ Suzuki 41
14 アレックス・エスパルガロ Ducati 39
15 アルバロ・バウティスタ Suzuki 33
16 ミカ・カリオ Ducati 31
17 青山博一 Honda 22
18 アレックス・デ・アンジェリス Honda 11
19 ロジャー・リー・ヘイデン Honda 5
20 秋吉耕佑 Honda 4
21 吉川和多留 Yamaha 1
Moto2クラス
1 24 トニー・エリアス MORIWAKI 30:27.480
「今週は体調が悪く、本当に厳しいレースだった。ウイークを通じて、38℃くらいの熱があり、痛みもあって、本当に苦しい3日間だった。とにかく、決勝に向けて体力を温存することに努めた。決勝は、この3日間でもっとも苛酷なコンディションとなり、体力を完全に消耗してしまった。レース中に何度かミスをしたけれど、こうして優勝することができて本当にうれしい。今日の25点は、自分にとってはボーナスのようなもの。チーム、そしてモリワキに心から感謝したい」
2 60 フリアン・シモン SUTER +0.405
3 45 スコット・レディング SUTER +4.227
4 29 アンドレア・イアンノーネ SPEED UP +5.978
5 3 シモーネ・コルシ MOTOBI +7.058
6 40 セルジオ・ガデア PONS KALEX +9.432
7 12 トーマス・ルティ MORIWAKI +9.815
8 2 ガボール・タルマクシ SPEED UP +10.141
9 42 ジェイソン・ディサルボ FTR +17.564
10 8 アンソニー・ウエスト MZ-RE HONDA +17.592
11 77 ドミニク・エージャーター SUTER +17.618
12 63 マイク・ディ・ミリオ SUTER +20.527
13 71 クラウディオ・コルティ SUTER +26.008
14 80 アクセル・ポンス PONS KALEX +28.353
15 68 ヨニー・ヘルナンデス BQR-MOTO2 +30.480
16 25 アレックス・バルドリーニ I.C.P. +30.538
17 34 ロジャー・リー・ヘイデン MORIWAKI +31.860
18 53 バレンティン・ドゥビーズ ADV +32.255
19 9 ケニー・ノイズ PROMOHARRIS +32.500
20 52 ルーカス・ペセック MORIWAKI +32.529
21 39 ロベルティーノ・ピエトリ SUTER +44.569
22 5 ホアン・オリベ PROMOHARRIS +44.956
23 41 アルネ・トード SUTER +52.993
24 88 ヤニック・グエラ MORIWAKI +57.481
25 44 ロベルト・ロルフォ SUTER +1:16.404
26 72 高橋裕紀 TECH 3 +3Laps
「荒れたレースになると思っていたけれど、自分にとっては、予想以上にひどいレースになってしまった。スタートして2コーナーの混雑の中でぶつけられてコースアウト。なんとか転ばずにコースに復帰できたのだが最後尾。参ったなあと思ったら赤旗中断。このときは助かったと思ったけれど、再開したレースで、またぶつけられて転んでしまった。マシンを起こし、再スタートしてなんとかチェッカーを受けたけれど、3ラップ遅れ。次のレースには影響はないと思うけれど、左腕を痛めてしまった。本当に最悪のレース。ここまで荒れるとは思わなかった」
RT 95 マシェル・アル・ナイミ BQR-MOTO2 +5Laps
RT 16 ジュール・クルーゼル SUTER +6Laps
RT 14 ラタパーク・ウィライロー BIMOTA +9Laps
RT 35 ラファエレ・デ・ロサ TECH 3 +11Laps
RT 65 ステファン・ブラドル SUTER +12Laps
RT 4 リチャード・カルダス BIMOTA +15Laps
RT 11 手島雄介 MOTOBI +15Laps
「最初の多重クラッシュは避けられたのだが、再開してからの第2ヒートでは、10コーナーで、後ろで転んだ選手のバイクにぶつけられて転んでしまった。そのときに右ヒザを強く打ってしまった。土曜日のフリーで左足を痛めていたし、今度は右足を痛めて、本当にがっかりした。今回は土曜日のフリーまでいい走りができたし、チームメートのシモーネ・コルシよりタイムを出すことができた。とりあえずのターゲットが見えてきたかなという感じだったので、とても残念だった」
RT 55 ヘクトル・ファウベル SUTER +16Laps
RT 6 アレックス・デボン FTR +16Laps
RT 61 ウラジミール・イワノフ MORIWAKI +16Laps
RT 48 富沢祥也 SUTER -
「スタート直後の2コーナーの多重クラッシュに巻き込まれて転んでしまった。なんとか自力でピットに戻って再スタートに備えようと思ったのだが、フロントフォークが破損していてグリッドに並べなかった。右手を強く打って腫れているが、レントゲンでは骨折がないようなので安心した。本当に残念だった」
RT 56 マイケル・ランセダー SUTER -
ポイントスタンディング
1 トニー・エリアス MORIWAKI 186
2 アンドレア・イアンノーネ SPEED UP 119
3 トーマス・ルティ MORIWAKI 108
4 フリアン・シモン SUTER 108
5 シモーネ・コルシ MOTOBI 84
6 富沢祥也 SUTER 82
7 ジュール・クルーゼル SUTER 74
8 高橋裕紀 TECH 3 72
9 ガボール・タルマクシ SPEED UP 70
10 セルジオ・ガデア PONS KALEX 59
11 アレックス・デボン FTR 46
12 フォンシ・ニエト MORIWAKI 41
13 スコット・レディング SUTER 39
14 ロベルト・ロルフォ SUTER 37
15 カレル・アブラハム FTR 33
16 ドミニク・エージャーター SUTER 28
17 ラタパーク・ウィライロー BIMOTA 25
18 ステファン・ブラドル SUTER 25
19 ヨニー・ヘルナンデス BQR-MOTO2 22
20 マイク・ディ・ミリオ SUTER 21
21 ケニー・ノイズ PROMOHARRIS 18
22 アンソニー・ウエスト MZ-RE HONDA 17
23 アレックス・バルドリーニ I.C.P. 14
24 マティア・パシーニ MOTOBI 12
25 アレックス・デ・アンジェリス Force GP210 11
26 ダミアン・クドリン PONS KALEX 9
27 ザビエル・シメオン MORIWAKI 9
28 ヘクトル・ファウベル SUTER 8
29 ジェイソン・ディサルボ FTR 7
30 クラウディオ・コルティ SUTER 4
31 ルーカス・ペセック MORIWAKI 4
32 アクセル・ポンス PONS KALEX 2
33 ウラジミール・イワノフ MORIWAKI 2
34 アルネ・トード SUTER 2
35 ラファエレ・デ・ロサ TECH 3 1
36 手島雄介 MOTOBI 1
125ccクラス
1 40 N.テロール アプリリア 42:19.223
2 11 S.コルテセ デルビ +4.995
3 44 P.エスパルガロ デルビ +10.856
4 7 E.バスケス デルビ +15.402
5 12 E.ラバト アプリリア +19.912
6 99 D.ウェッブ アプリリア +20.093
7 35 R.クルメンナッハ アプリリア + 20.702
8 23 A.モンカヨ アプリリア +26.797
9 94 J.フォルガー アプリリア +27.666
10 93 M.マルケス デルビ +39.840
RT 71 小山知良 アプリリア
「今日は気温も上がり非常に難しいレースでした。
転倒者も多く、十分に気を付けていたのですが、ストレートでの遅れを挽回するべくプッシュしすぎて、フロントが切れ込んで転倒してしまいました・・・!!
でも攻めてでの転倒だったので、ポジティブな結果です!!」
ポイントスタンディング
1 M.マルケス デルビ 172
2 N.テロール アプリリア 168
3 P.エスパルガロ デルビ 167
4 B.スミス アプリリア 115
5 S.コルテセ デルビ 96
6 E.ラバト アプリリア 90
7 小山知良 アプリリア 84
8 E.バスケス デルビ 81
9 R.クルメンナッハ アプリリア 72
10 D.ウェッブ アプリリア 58
監督クラス
W・ズィーレンベルグ(ヤマハ・ロレンゾ・チーム監督)
「ライダーたちにとっては相当、厳しいコンディションだったようだ。そのなかで3位を獲得できたことを喜ばなければならない。このような暑さのなかではミスをおかしやすいので、レース前にホルヘにかけた言葉は、“ふたつのタイヤを立たせたまま戻ってくるだけでいい”ということだった。ところが不運にもスタートを失敗してしまったために、追い上げの使命が課せられてしまった。だからこの状況のなかでの3位は、これまでの7回の優勝と同じくらいにうれしいことなのだ」
D・ブリビオ (ヤマハ・ロッシ・チーム監督)
「我々にとっては非常にいいレースになった。バレンティーノが上位と同等のペースで走れることがわかったからだ。ただ体力的にはまだ完全には戻っていないため、暑さのせいもあって、最後までその速さをキープし続けることができなかった。それでもトップに非常に近いところに留まり、復活を証明してくれた。このことはセッティングの面でも自信になった。プラクティスまではとても苦しかったが、みんなのおかげでそれを脱することができたのだ」
H・ポンシャラル (モンスター・ヤマハ・テック3チーム監督)
「ベンはアメリカのファンに見事なレースを見せて、素晴らしい週末をプレゼントした。我々チームとしても最高の喜びで、我々がなぜ、彼のヤマハファクトリーへの移籍にこんなにも悲しい思いをしているかがわかっていただけのではないかと思う。でももちろん、彼のためには良いことに違いない。ファクトリーチームに入れば、トップ4を約束されたも同然だからだ。今回は激しい戦いのなかでポールポジションを獲得。決勝でもスタートをしっかり決めて、とくに序盤は力強さを見せた。ダニが唯一、追いついてきて抜かれてしまったわけだが、ベンの正確な走りは変わらず、ホルヘの追撃を許すことはなかった。その一方で、コーリンのほうは期待通りのレースができなかった。ハードタイヤを選択したことがその原因だ。コンディションは確かに厳しかったが、ソフトコンパウンドに換えてからのペースは、実際とても良かったのだ…これなら今季ベストも不可能ではなかったはずだ」
中島雅彦 (MS開発部 MotoGPグループリーダー)
「レースウイークは好天に恵まれ、路面温度が予想以上に高くなり、グリップ不足とうねった路面に悩まされましたが、ベン、ホルヘ、バレンティーノの3人が2位から4位を占めたことで、YZR-M1のパフォーマンスは出し切れたと思います。今日のペドロサ選手は素晴らしい走りで、独走を許す結果となりましたが、きちんと敗因を分析し、今後のレースにつなげていきたいと思います。ホルヘが安定した強さと精神力を身に着けてきたこと、ベンが確実に成長して来たことは頼もしい限りですが、バレンティーノが以前のようにトップ争いが出来る状態に戻りつつあることも大きな喜びです。残念ながら、コーリンはレース直前の親しい友人のアクシデントにショックを受け、精神的に厳しい状況でレースを途中で断念せざるを得ませんでした。次週サンマリノGPはバレンティーノのホームグランプリ、さらに熱い走りをしてくれると思います。チャンピオンシップも佳境を迎えることになりますが、我々も全力でバックアップしていきます。引き続き応援ください」
山路敏幸 (Repsol Honda Team 監督)
「非常に暑い一日で、厳しいコンディションとなった。ライダーにとっても苛酷なコンディションとなったが、ダニがすばらしいペースで28ラップを走り、優勝した。レース運びもよかったし、今日のレースは快勝と言ってもいい。今大会の勝因は、ライダーのがんばりはもちろんだが、順調にセットアップが進み、タイヤの選択もうまくいったことだ。アンドレアは、今朝のウオームアップまでは順調だったし、想定通りだったが、気温が上がりすぎたことでマシンのバランスが若干ずれてしまった。しかし、今日は、ダニが勝ち、アンドレアも表彰台争いに加わった。Hondaとしては次につながるレースになったと思うし、今日のデータをしっかり次につなげていきたい」
トム・オーケイン (バウティスタのチーフメカニック)
「これまであまり良い結果を出せなかったこのコースで、アルバロが今日のような確実な走りで結果を出したことは、もっと相性が良いことがわかっている他のコースでは、好成績が大いに期待できる。大きなトラブルもなく、完走でレースウィークを終えたことはとても嬉しい。アルバロは、今朝のウォーミングアップでギアボックスへの大幅な変更をおこない、これによってラップタイムが縮まり、特に第2区間で良いタイムが出た。アルバロは走行フィーリングの変化にも素早く対応し、それはレースでも顕著だった。 終始良い走りを見せて、シモンチェリと激しいバトルをした。シモンチェリをパスしたかしないかは関係なく、彼の才能とマシンでさらに大きな自信をつけるためにも、トップ10以内でフィニッシュしたことが重要だ。」
ヴィットリアーノ・グアレスキ (Ducati MotoGP Team Manager)
ブリジストン
山田宏 (モーターサイクルレーシングマネージャー)
「今日の暑く過酷なコンディションの中でレースを走りきった選手たちは、本当に賞賛に値します。ダニは素晴らしい走りで、ブリヂストン5勝目を達成しました。また、ベンはポールポジションスタートから2位でフィニッシュするという自己ベストリザルトで、その才能を存分に発揮しました。アメリカのインディアナポリスGPは、彼にとってホームグランプリだけに、一層の強さを発揮したのでしょう。彼にとっても素晴らしい週末になったと思います」
生方透 (モーターサイクルレースタイヤ開発マネージャー)
「決勝レースのコンディションは非常に過酷で、路面温度が昨年よりも20℃も高く、我々が期待したようなグリップレベルではありませんでした。今日のレースでは、バイクのキャラクターや選手のライディングスタイルによって、硬め柔らかめ両コンパウンドの選択が分かれたために、両者のパフォーマンスを直接的に比較することにもなりました。たとえば、硬めのコンパウンドはダニやレプソル・ホンダのバイクに合っていた一方で、ベンやホルヘのパッケージには柔らかめのコンパウンドのほうが良く作動していました。両コンパウンドの安定性はレース距離を通じて充分だったので、今回の総合的なタイヤパフォーマンスには満足をしています」
Indianapolis
MotoGP 第11戦 インディアナポリスGP アフターザフラッグ
■開催日:2010年8月29日(日)決勝結果
■開催地:インディアナ州/インディアナポリス・モーター・スピードウェイ(4.216km)
■周回数:28周(118.048 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:35度
■路面温度:56度
■観客:6万2,794人(3日間:13万6,184人)
■PP:B・スピース(1分40秒105/ヤマハ)
■FL:D・ペドロサ(1分40秒896/ホンダ)
REPORT
インディアナポリスGPの決勝は、気温35℃、路面温度56℃の厳しいコンディションとなった。
ポールポジションから、ホールショットを決めたベン・スピーズは、快調にレースをリードしていった。
しかし、ペドロサが徐々に差を詰め、7周目にスピーズを捕らえてトップに立った。
その後もペドロサのペースは衰えず、スピーズの追撃を振り切り、今季3勝目を飾った。
ペドロサは、MotoGPにステップアップして以来、2勝以上あげた事が無かったが、これで弾みを付け、更に勝利を上積みを目指す。
復帰戦の青山博一は、ド・ピュニエとの争いとなっていたが、最後に振り切り12位でゴールした。
Moto2クラスは、スタート直後に2コーナー付近で多重クラッシュが発生し、赤旗中断となった。
再スタート後のレースは、エリアス、シモン、レディングが、トップを走行。
体調不良ながら走りきったエリアスが、今季5勝目を挙げ、チャンピオンシップを更に有利にした。
高橋裕紀は、他車の転倒に巻き込まれて転倒し、再スタートを切ったが3周遅れの26位。
手島雄介も他車の転倒に巻き込まれ、リタイアしている。
また、スタート直後の多重クラッシュに巻き込まれた富沢祥也は、自力でピットに戻ったものの、マシンの修復が間に合わずリタイア。
Moto2クラスに出場した日本人選手は、3人ともに厳しい結果に終わった。
RIDERS COMMENT
MotoGP
1 ダニー・ペドロサ Honda 47'31.615
「今日は暑くて厳しいレースになったが、優勝することができてうれしい。スタートはよくなかったが、コース序盤のいくつかのコーナーでトップグループの後ろまで順位を上げることができた。その後、リズムよく乗れたし、トップを走っていたベンに追いつき、抜くことができた。今日はストレートが速くて、コーナーでも気持ちよく乗れた。バイクの状態は完ぺきだった。今日のレースは本当に体力を消耗した。トップをキープするのが大変だった。咋年も同じようにトップを走れたけれど、転んでしまった。その雪辱を果たせたこともうれしい。今週は本当に転倒車が多く、ミスを犯さないように集中しなければならなかった。これまでシーズンで2勝までしかしたことがなかったので、シーズン3勝目を挙げることができて本当にうれしい。チームはもちろんのこと、サポートしてくれているすべての人たちに感謝したい」
2 ベン・スピース Yamaha +3.575
「母国アメリカの大勢のファンの前で、またこの由緒あるインディアナポリスで、モトGPベストリザルトを獲得することができてとてもうれしい。ホームレースでベストリザルトを実現したいということは、今まで何度も話してきたので、そのミッションが達成されたということなんだ。ポールポジションから好スタートを切って、モトGPで初めてトップを走ることができた。でも悔しいことに、ダニのペースにはどうしてもかなわなかったんだ。優勝はできなかったけれど、ミスはほとんどなかったし、最後までコンスタントに走り切ることができたことには満足しているよ。ダニに抜かれたときすでに、ついて行くことは不可能だとわかっていたんだ。だから彼を先に行かせて、そのあとは3位で追ってくるホルヘとの差に注意しながらゴールを目指していった。充実したレースウイークになったし、母国で2位を獲得してヤマハ勢のトップに立つことができたのだからこれ以上、望むことはない。来週のミザノもまた楽しんで走りたい」
3 ホルヘ・ロレンソ Yamaha +6.812
「3位という結果にがっかりするべきじゃないと思うんだ。でも今日の自分の走りには納得がいかない。スタートがうまくできなかったし、そのあともすべてを出し切ることができなかった。今日は今までにも増して暑さが厳しくて、ハードにプッシュしたり、プラクティスと同等のタイムを出したりするだけの体力がなかったんだ。まるでマレーシアGPのような厳しさだったよ。しかも路面がとても滑りやすかったので、タイヤを思い通りに使いこなすことができない。そんなわけだから、3位で完走できただけでもラッキーだったと思っているくらいなんだ。良かったことは少しでもポイントを獲れたこと。次のミザノまであまり時間がないから、調子を取り戻すべく集中していくよ」
4 ヴァレンティーノ・ロッシ Yamaha +12.633
「昨日までに比べて、今日はいい走りができたよ。このようなコンディションのなかで4位に入れたのだから悪くないと思う。そして何よりも、レースのリズムをしっかりつかみ、気持ちよくマシンに乗ることができるようになったことが大きな収穫だった。好タイムも何度か出ていて、他のヤマハ勢からもそんなに離されてはいなかったんだけれど、残念ながらこの暑さに体力を奪われてしまったんだ。そして最後にはすっかり力がなくなって、プッシュすることもできなくなってしまった。でも、セッティングが戻り、うまく乗れるようになったことには満足しているよ。今週は3回も転倒してしまったことを考えれば、4位は悪くないよね。次はホームレースのミザノだから、楽しみにしているよ!」
5 アンドレア・ドビツィオーゾ Honda +21.885
「今日はいいレースをする自信があったし、こういう結果に終わって本当に残念だった。スタートはよかったし、序盤からいいペースを刻めた。しかし、表彰台に立つためのラップタイムをキープすることができなかった。今日のダニは、本当にすばらしい速さだった。ライディングスタイルもいつもと違っていたし、コーナーでも本当に速かった。ダニのようなスピードで走るためには、ライディングスタイルも含めて、もっともっと勉強しなければならない。今日は表彰台に立てず残念だった。次のミサノは、自分にとってはホームGPとなるので、応援してくれるファンの前でいいレースを見てもらいたい。表彰台には立てなかったが、総合3位をキープできてよかった」
6 ニッキー・ヘイデン Ducati +35.138
「「何が起きたのかいまだに信じられないよ。本当に残念だ。最初の数ラップはとても慎重になっていた。暑さで路面がかなり滑りやすくなっていたからね。でも3周目に少しフロントが滑ってしまい、縁石にあった排水溝のふたを左ひざで引っかけてしまった。それがまさに膝のプロテクターのベルクロがついているところだったんだ。ここは左コーナーがかなり多い。それ以降は堅実に走るしかなく、全くプッシュできなかった上に、レザースーツにでっかい穴が空いてしまった。今日は速さがあったし、パフォーマンスを見せられただろうから、ものすごく残念だ。」
7 マルコ・シモンチェリ Honda +36.740
「今日はマレーシアGPを走っているような暑さで、本当に厳しいレースだった。とにかく、スタートからゴールまで全力を尽くした。5位以内でフィニッシュするという目標は達成できなかったが、いいレースができたと思っている。今日は中盤まで4台、5台のグループで接戦となっていたが、最後はバウティスタとの一騎打ちとなり、彼を抑えてフィニッシュできたこともよかった。次のミサノは、自分にとって、そしてチームにとってもホームGPとなるので、いいレースをしたい」
8 アルバロ・バウティスタ Suzuki +36.825
「マシンと路面からの熱気が物凄く暑く、とてもハードなレースだった。持久力が問われるレースになったが、自分自身には体力面や回復力を計る良いテストにもなり、結果的にはまったく問題なく走ることができた。スタート直後に順位を落としてしまったがすぐに何台かをパスして、カリオ(ドゥカティ)の後ろになってからは、彼がなかなか良いリズムで走っているし、残りもまだ長いので体力を温存しておこうと思い、彼についていこうと決めた。やがてシモンチェリにも追いついたので、ここでカリオをパスしてシモンチェリも捉えようと思った。仕掛けるポイントは2箇所あったが、どちらも路面が荒れている場所で、危険でもあった。10番コーナーでパスを試みたが諦めた。やはり路面が荒れていて危険だったし、このレースでは絶対に完走したかったからだ。8位というトップ10内の結果は上出来だ。今朝、ギアボックスのセッティングに大幅な変更を加えたことが、良い結果に結びついた。レース結果と、素晴らしい仕事をしてくれたチーム全員にとても満足している。すぐにまた次戦があるので、今からとても楽しみだ。」
9 アレックス・エスパルガロ Ducati +44.905
10 エクトール・バルベラ Ducati +51.368
11 ロリス・カピロッシ Suzuki +55.386
「マシンの調子は、その時々で乗りやすくなったり、乗りづらくなったりする。今日のレースでは非常に乗りづらく、フロントタイヤの感触が上手くつかめなかった。これは今シーズンの課題となっていて、これまで度々起きた転倒の原因にもなっていることだ。限界を見つけるのは本当に難しいことだが、解決策を見つけることも、それほど容易ではない。今日のレースでは、理想ほどは速くはなかったものの、自分のペースで走り、終盤にバルベラに仕掛けた。彼をパスしたが、ラスト1周でバルベラが信じられないような勢いで当たってきたので、コースアウトして芝のゾーンまで追い出されてしまい、それで10位を落とした。マシンの調子もレースウィークの間安定せず、決勝ではあまり良くなかったこともあり、今日の結果に不満だ。チームの誰もが全力を尽くしているし、それはとても大切なことだ。次戦へ向けてとにかく最善を尽くしていくだけだ。」
12 青山博一 Honda +57.903
「最高に厳しいレースだった。レースが終わったときには、コルセットをして走っていることもあって、背中が曲がらなかった。しかも、コルセットをつけていることでとても暑く、これでかなり体力を消耗した。序盤、集団の後ろにいるときはついていけるペースだった。しかし、13コーナーでフロントを大きく滑らせて転びそうになり、それからは思いきりいけなかった。今日はランディとバトルになったけれど、ランディもケガから復帰して2戦目なので、絶対に負けられないと思った。6戦ぶりの復帰となり、自分にとっては、これでMotoGP5戦目のレース。みんなの半分しかレースをしていないので、これから、その差を縮めていきたい。復帰戦ということを考えれば、今日の12位に満足している」
13 ランディ・ド・ピュニエ Honda +1'04.139
「復帰戦となったブルノよりコースレイアウトが厳しかったこともあるが、今年になって、もっとも苛酷なレースだった。ケガをして完治していない左足に負担がかかる左コーナーが10カ所もあり、加えて、バンピーでスリッピーな路面とも格闘しなければならなかった。とにかく、いろいろなセッティングにトライしたし、ライディングを変えてみたりした。しかし、最後まで思ったような走りができなかった。13位という結果に終わったが、総合8位をキープできた。次のミサノは得意なサーキットなので、いいレースをしたい」
RT ミカ・カリオ Ducati +10Laps
「不運だ。これは正しい方向ではない。いつもよりもグッドなスタートで、ポジションを3つ上げた。
バウティスタとシモンセリと一緒に速いリズムで走り、7位争いをしたけど、アスファルトに穴があって、フロントタイヤが一気に行ってしまった。
7位争いができ、少なくてもトップ10に入ることができた。ものごとの展開にがっかり。今シーズンは、何らかの理由で、リザルトを獲得することができない。」
RT コーリン・エドワーズ Yamaha +12Laps
「金曜日にハードタイヤを試したときに41.6秒が出ていて、フィーリングもとても良かったからそれをチョイスしたんだ。ソフトタイヤではレース距離を走り切ることはできなかったし、8周か9周くらいでもう問題が出てきていたからね。しかも今日は気温も湿度も上がっていたので、ハードタイヤを使いたいと思ったんだ。ところが走りだしてみるとグリップがいまいちで、コーナリングがうまくできない。ベストを尽くして限界ぎりぎりまで攻めているのに、どうしてもペースが上がっていかなかったから、ピットに戻ってソフトタイヤに交換することにしたんだ。そうしたらすぐにタイムが上がったよ…。つまりタイヤチョイスが失敗の原因だ。その一方でベンの走りはすばらしかった。モトGPでの2位という成績は誇れるものだよ。おめでとう、ベン!」
RT ケーシー・ストーナー Ducati +21Laps
「とても残念だ。クラッシュなんて全然していないけれど、確かにリタイアするには十分の理由だった。多くの人は、僕がフロントエンドのクラッシュだと思っているけれど、実際は、シーズン序盤に僕らが抱えていた問題が、インディアナポリスでぶり返してきただけなんだ。僕らはコーナーでフロントエンドのフィーリングがつかめず苦しんでいた。ベースが良かっただけに、表彰台に上がれると思っていたから、本当に残念だ。」
RT マルコ・メランドリ Honda +26Laps
「残念なレースだった。決勝に向けてペースを改善することができたけれど、依然としてブレーキングの安定性の問題は解決しなかった。今日はスタートしてから前に出ようとプッシュした。バレンティーノの後ろについてからは、彼を抜こうと思った。しかし、フロントからいきなり転んでしまった。今年はずっと同じ問題を抱えているし、これを早く解決したい」
ポイントスタンディング
1 ホルヘ・ロレンソ Yamaha 251
2 ダニ・ペドロサ Honda 183
3 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda 126
4 ケーシー・ストーナー Ducati 119
5 ヴァレンティーノ・ロッシ Yamaha 114
6 ベン・スピーズ Yamaha 110
7 ニッキー・ヘイデン Ducati 109
8 ランディ・デ・ピュニエ Honda 78
9 マルコ・シモンチェリ Honda 63
10 マルコ・メランドリ Honda 61
11 コーリン・エドワーズ Yamaha 57
12 エクトール・バルベラ Ducati 54
13 ロリス・カピロッシ Suzuki 41
14 アレックス・エスパルガロ Ducati 39
15 アルバロ・バウティスタ Suzuki 33
16 ミカ・カリオ Ducati 31
17 青山博一 Honda 22
18 アレックス・デ・アンジェリス Honda 11
19 ロジャー・リー・ヘイデン Honda 5
20 秋吉耕佑 Honda 4
21 吉川和多留 Yamaha 1
Moto2クラス
1 24 トニー・エリアス MORIWAKI 30:27.480
「今週は体調が悪く、本当に厳しいレースだった。ウイークを通じて、38℃くらいの熱があり、痛みもあって、本当に苦しい3日間だった。とにかく、決勝に向けて体力を温存することに努めた。決勝は、この3日間でもっとも苛酷なコンディションとなり、体力を完全に消耗してしまった。レース中に何度かミスをしたけれど、こうして優勝することができて本当にうれしい。今日の25点は、自分にとってはボーナスのようなもの。チーム、そしてモリワキに心から感謝したい」
2 60 フリアン・シモン SUTER +0.405
3 45 スコット・レディング SUTER +4.227
4 29 アンドレア・イアンノーネ SPEED UP +5.978
5 3 シモーネ・コルシ MOTOBI +7.058
6 40 セルジオ・ガデア PONS KALEX +9.432
7 12 トーマス・ルティ MORIWAKI +9.815
8 2 ガボール・タルマクシ SPEED UP +10.141
9 42 ジェイソン・ディサルボ FTR +17.564
10 8 アンソニー・ウエスト MZ-RE HONDA +17.592
11 77 ドミニク・エージャーター SUTER +17.618
12 63 マイク・ディ・ミリオ SUTER +20.527
13 71 クラウディオ・コルティ SUTER +26.008
14 80 アクセル・ポンス PONS KALEX +28.353
15 68 ヨニー・ヘルナンデス BQR-MOTO2 +30.480
16 25 アレックス・バルドリーニ I.C.P. +30.538
17 34 ロジャー・リー・ヘイデン MORIWAKI +31.860
18 53 バレンティン・ドゥビーズ ADV +32.255
19 9 ケニー・ノイズ PROMOHARRIS +32.500
20 52 ルーカス・ペセック MORIWAKI +32.529
21 39 ロベルティーノ・ピエトリ SUTER +44.569
22 5 ホアン・オリベ PROMOHARRIS +44.956
23 41 アルネ・トード SUTER +52.993
24 88 ヤニック・グエラ MORIWAKI +57.481
25 44 ロベルト・ロルフォ SUTER +1:16.404
26 72 高橋裕紀 TECH 3 +3Laps
「荒れたレースになると思っていたけれど、自分にとっては、予想以上にひどいレースになってしまった。スタートして2コーナーの混雑の中でぶつけられてコースアウト。なんとか転ばずにコースに復帰できたのだが最後尾。参ったなあと思ったら赤旗中断。このときは助かったと思ったけれど、再開したレースで、またぶつけられて転んでしまった。マシンを起こし、再スタートしてなんとかチェッカーを受けたけれど、3ラップ遅れ。次のレースには影響はないと思うけれど、左腕を痛めてしまった。本当に最悪のレース。ここまで荒れるとは思わなかった」
RT 95 マシェル・アル・ナイミ BQR-MOTO2 +5Laps
RT 16 ジュール・クルーゼル SUTER +6Laps
RT 14 ラタパーク・ウィライロー BIMOTA +9Laps
RT 35 ラファエレ・デ・ロサ TECH 3 +11Laps
RT 65 ステファン・ブラドル SUTER +12Laps
RT 4 リチャード・カルダス BIMOTA +15Laps
RT 11 手島雄介 MOTOBI +15Laps
「最初の多重クラッシュは避けられたのだが、再開してからの第2ヒートでは、10コーナーで、後ろで転んだ選手のバイクにぶつけられて転んでしまった。そのときに右ヒザを強く打ってしまった。土曜日のフリーで左足を痛めていたし、今度は右足を痛めて、本当にがっかりした。今回は土曜日のフリーまでいい走りができたし、チームメートのシモーネ・コルシよりタイムを出すことができた。とりあえずのターゲットが見えてきたかなという感じだったので、とても残念だった」
RT 55 ヘクトル・ファウベル SUTER +16Laps
RT 6 アレックス・デボン FTR +16Laps
RT 61 ウラジミール・イワノフ MORIWAKI +16Laps
RT 48 富沢祥也 SUTER -
「スタート直後の2コーナーの多重クラッシュに巻き込まれて転んでしまった。なんとか自力でピットに戻って再スタートに備えようと思ったのだが、フロントフォークが破損していてグリッドに並べなかった。右手を強く打って腫れているが、レントゲンでは骨折がないようなので安心した。本当に残念だった」
RT 56 マイケル・ランセダー SUTER -
ポイントスタンディング
1 トニー・エリアス MORIWAKI 186
2 アンドレア・イアンノーネ SPEED UP 119
3 トーマス・ルティ MORIWAKI 108
4 フリアン・シモン SUTER 108
5 シモーネ・コルシ MOTOBI 84
6 富沢祥也 SUTER 82
7 ジュール・クルーゼル SUTER 74
8 高橋裕紀 TECH 3 72
9 ガボール・タルマクシ SPEED UP 70
10 セルジオ・ガデア PONS KALEX 59
11 アレックス・デボン FTR 46
12 フォンシ・ニエト MORIWAKI 41
13 スコット・レディング SUTER 39
14 ロベルト・ロルフォ SUTER 37
15 カレル・アブラハム FTR 33
16 ドミニク・エージャーター SUTER 28
17 ラタパーク・ウィライロー BIMOTA 25
18 ステファン・ブラドル SUTER 25
19 ヨニー・ヘルナンデス BQR-MOTO2 22
20 マイク・ディ・ミリオ SUTER 21
21 ケニー・ノイズ PROMOHARRIS 18
22 アンソニー・ウエスト MZ-RE HONDA 17
23 アレックス・バルドリーニ I.C.P. 14
24 マティア・パシーニ MOTOBI 12
25 アレックス・デ・アンジェリス Force GP210 11
26 ダミアン・クドリン PONS KALEX 9
27 ザビエル・シメオン MORIWAKI 9
28 ヘクトル・ファウベル SUTER 8
29 ジェイソン・ディサルボ FTR 7
30 クラウディオ・コルティ SUTER 4
31 ルーカス・ペセック MORIWAKI 4
32 アクセル・ポンス PONS KALEX 2
33 ウラジミール・イワノフ MORIWAKI 2
34 アルネ・トード SUTER 2
35 ラファエレ・デ・ロサ TECH 3 1
36 手島雄介 MOTOBI 1
125ccクラス
1 40 N.テロール アプリリア 42:19.223
2 11 S.コルテセ デルビ +4.995
3 44 P.エスパルガロ デルビ +10.856
4 7 E.バスケス デルビ +15.402
5 12 E.ラバト アプリリア +19.912
6 99 D.ウェッブ アプリリア +20.093
7 35 R.クルメンナッハ アプリリア + 20.702
8 23 A.モンカヨ アプリリア +26.797
9 94 J.フォルガー アプリリア +27.666
10 93 M.マルケス デルビ +39.840
RT 71 小山知良 アプリリア
「今日は気温も上がり非常に難しいレースでした。
転倒者も多く、十分に気を付けていたのですが、ストレートでの遅れを挽回するべくプッシュしすぎて、フロントが切れ込んで転倒してしまいました・・・!!
でも攻めてでの転倒だったので、ポジティブな結果です!!」
ポイントスタンディング
1 M.マルケス デルビ 172
2 N.テロール アプリリア 168
3 P.エスパルガロ デルビ 167
4 B.スミス アプリリア 115
5 S.コルテセ デルビ 96
6 E.ラバト アプリリア 90
7 小山知良 アプリリア 84
8 E.バスケス デルビ 81
9 R.クルメンナッハ アプリリア 72
10 D.ウェッブ アプリリア 58
監督クラス
W・ズィーレンベルグ(ヤマハ・ロレンゾ・チーム監督)
「ライダーたちにとっては相当、厳しいコンディションだったようだ。そのなかで3位を獲得できたことを喜ばなければならない。このような暑さのなかではミスをおかしやすいので、レース前にホルヘにかけた言葉は、“ふたつのタイヤを立たせたまま戻ってくるだけでいい”ということだった。ところが不運にもスタートを失敗してしまったために、追い上げの使命が課せられてしまった。だからこの状況のなかでの3位は、これまでの7回の優勝と同じくらいにうれしいことなのだ」
D・ブリビオ (ヤマハ・ロッシ・チーム監督)
「我々にとっては非常にいいレースになった。バレンティーノが上位と同等のペースで走れることがわかったからだ。ただ体力的にはまだ完全には戻っていないため、暑さのせいもあって、最後までその速さをキープし続けることができなかった。それでもトップに非常に近いところに留まり、復活を証明してくれた。このことはセッティングの面でも自信になった。プラクティスまではとても苦しかったが、みんなのおかげでそれを脱することができたのだ」
H・ポンシャラル (モンスター・ヤマハ・テック3チーム監督)
「ベンはアメリカのファンに見事なレースを見せて、素晴らしい週末をプレゼントした。我々チームとしても最高の喜びで、我々がなぜ、彼のヤマハファクトリーへの移籍にこんなにも悲しい思いをしているかがわかっていただけのではないかと思う。でももちろん、彼のためには良いことに違いない。ファクトリーチームに入れば、トップ4を約束されたも同然だからだ。今回は激しい戦いのなかでポールポジションを獲得。決勝でもスタートをしっかり決めて、とくに序盤は力強さを見せた。ダニが唯一、追いついてきて抜かれてしまったわけだが、ベンの正確な走りは変わらず、ホルヘの追撃を許すことはなかった。その一方で、コーリンのほうは期待通りのレースができなかった。ハードタイヤを選択したことがその原因だ。コンディションは確かに厳しかったが、ソフトコンパウンドに換えてからのペースは、実際とても良かったのだ…これなら今季ベストも不可能ではなかったはずだ」
中島雅彦 (MS開発部 MotoGPグループリーダー)
「レースウイークは好天に恵まれ、路面温度が予想以上に高くなり、グリップ不足とうねった路面に悩まされましたが、ベン、ホルヘ、バレンティーノの3人が2位から4位を占めたことで、YZR-M1のパフォーマンスは出し切れたと思います。今日のペドロサ選手は素晴らしい走りで、独走を許す結果となりましたが、きちんと敗因を分析し、今後のレースにつなげていきたいと思います。ホルヘが安定した強さと精神力を身に着けてきたこと、ベンが確実に成長して来たことは頼もしい限りですが、バレンティーノが以前のようにトップ争いが出来る状態に戻りつつあることも大きな喜びです。残念ながら、コーリンはレース直前の親しい友人のアクシデントにショックを受け、精神的に厳しい状況でレースを途中で断念せざるを得ませんでした。次週サンマリノGPはバレンティーノのホームグランプリ、さらに熱い走りをしてくれると思います。チャンピオンシップも佳境を迎えることになりますが、我々も全力でバックアップしていきます。引き続き応援ください」
山路敏幸 (Repsol Honda Team 監督)
「非常に暑い一日で、厳しいコンディションとなった。ライダーにとっても苛酷なコンディションとなったが、ダニがすばらしいペースで28ラップを走り、優勝した。レース運びもよかったし、今日のレースは快勝と言ってもいい。今大会の勝因は、ライダーのがんばりはもちろんだが、順調にセットアップが進み、タイヤの選択もうまくいったことだ。アンドレアは、今朝のウオームアップまでは順調だったし、想定通りだったが、気温が上がりすぎたことでマシンのバランスが若干ずれてしまった。しかし、今日は、ダニが勝ち、アンドレアも表彰台争いに加わった。Hondaとしては次につながるレースになったと思うし、今日のデータをしっかり次につなげていきたい」
トム・オーケイン (バウティスタのチーフメカニック)
「これまであまり良い結果を出せなかったこのコースで、アルバロが今日のような確実な走りで結果を出したことは、もっと相性が良いことがわかっている他のコースでは、好成績が大いに期待できる。大きなトラブルもなく、完走でレースウィークを終えたことはとても嬉しい。アルバロは、今朝のウォーミングアップでギアボックスへの大幅な変更をおこない、これによってラップタイムが縮まり、特に第2区間で良いタイムが出た。アルバロは走行フィーリングの変化にも素早く対応し、それはレースでも顕著だった。 終始良い走りを見せて、シモンチェリと激しいバトルをした。シモンチェリをパスしたかしないかは関係なく、彼の才能とマシンでさらに大きな自信をつけるためにも、トップ10以内でフィニッシュしたことが重要だ。」
ヴィットリアーノ・グアレスキ (Ducati MotoGP Team Manager)
ブリジストン
山田宏 (モーターサイクルレーシングマネージャー)
「今日の暑く過酷なコンディションの中でレースを走りきった選手たちは、本当に賞賛に値します。ダニは素晴らしい走りで、ブリヂストン5勝目を達成しました。また、ベンはポールポジションスタートから2位でフィニッシュするという自己ベストリザルトで、その才能を存分に発揮しました。アメリカのインディアナポリスGPは、彼にとってホームグランプリだけに、一層の強さを発揮したのでしょう。彼にとっても素晴らしい週末になったと思います」
生方透 (モーターサイクルレースタイヤ開発マネージャー)
「決勝レースのコンディションは非常に過酷で、路面温度が昨年よりも20℃も高く、我々が期待したようなグリップレベルではありませんでした。今日のレースでは、バイクのキャラクターや選手のライディングスタイルによって、硬め柔らかめ両コンパウンドの選択が分かれたために、両者のパフォーマンスを直接的に比較することにもなりました。たとえば、硬めのコンパウンドはダニやレプソル・ホンダのバイクに合っていた一方で、ベンやホルヘのパッケージには柔らかめのコンパウンドのほうが良く作動していました。両コンパウンドの安定性はレース距離を通じて充分だったので、今回の総合的なタイヤパフォーマンスには満足をしています」