スーパーバイク世界選手権 第14戦 ポルトガル 決勝コメント
■開催日:2009年10月25日(日)
■開催地:ポルトガル/ポリティマオ(1周4.692km)
■PP:B・スピース(ヤマハ/1分42秒412)
■FL:M・ファブリツィオ(ドゥカティ/1分43秒529)
REPORT
B・スピースが、第1レース優勝、第2レース5位の成績となりチャンピオン獲得。
同チームに初めての世界タイトルをもたらした。
第1レースで、スピーズは、ホールショットからトップで第1コーナーへ進入してレースをリード。
後続に2秒近い差をつけ、トップでゴールした。
タイトル争いのライバル、芳賀紀行は6ラップ目で転倒リタイヤ。
これでスピースは、いくらかの余裕をもって第2レースに臨むことができた。
第1レース終了後、ポイント上でリードし、プレッシャーも軽くなったスピース。
第2レースでは芳賀の位置を確認しながら安定したペースをキープし、栄冠獲得までの残り周回数を数えていく。
何台かを先行させたあと、しばらくはM・ビアッジ(アプリリア)の後ろにつけていたが、ビアッジがコーナーで何度もはらむのを見てパスを決意。
もう一度ペースを上げてこれをとらえ、5位に浮上してチェッカーを受けた。
芳賀紀行は10番グリッドから巻き返して2位。
しかし、わずか6ポイント差で悲願のタイトル獲得はならず、またもランク2位でシーズンを終えることになった。
スピースはワールドスーパーバイク・デビューの今シーズン、優勝14回、ポールポジション11回という見事な記録を残した。
シリーズポイントでは合計462ポイント。
ランキング2位となった芳賀との差は6ポイントであった。
RIDERS COMMENT
DUCATI
芳賀紀行(リタイア/2位・456ポイント・ランク2位)
「今週末は、マシンのセットアップに問題があり、特にタイヤの信頼性が得られなかった。
通常だと、どのサーキットでもマッチするパッケージが持っており、ここでも特にセッティングを変える必要は無かった。
タイヤだけが問題であった。
レース1では、ハードタイヤを選んでいたのだが、グリップが得られず、ブレーキングもダメでした。
そして、それ程プッシュしていなかったのに残念ながら転倒してしまいました。
そこで私達は、第2レースに向け、タイヤは当然ですが、マシンも交換する事にしました。
その結果、レース2は、グリップが増し、良いレースが可能となりました。
残念ながら、レースは2位となり、タイトルを取るには十分ではありませんでした。
しかし、素晴らしいチームと素晴らしいマシンと共にあった最初の一年でした。
ドカティや、スポンサー、技術スタッフ、クリニカモバイル、今シーズンに支えてくれた全てに感謝しています。
今年、強敵だったスピーズにも賛辞を贈りたい。
彼は、来年、MotoGPに行きますが、ずっと友人であり続けるでしょう。
今週から、来年に向けたテストが始まります。
今年は、ドカティと新たな冒険でしたが、2010年も100%で戦い続けます。」
ミッシェル・ファブリッツィオ(5位/2位・382ポイント・ランク3位)
「第1レースは、非常に難しかった。
ベストなスタートとは言えず、すぐさまプッシュして前を追わなければいけませんでした。
芳賀の後ろに着いている時、彼が転倒して、少し集中を失ってしまいました。
そして、トップグループに捕らえようとしましたが、フロントタイヤに十分な感覚が得られず、残り8周になってからは、リアタイヤもグリップが失われました。
一方、第2レースでは、レアと激しいバトルができました。
最後までレアとの勝負になったが、ミサノでは負けていたので、今回は僕が同じ事をすることができました。
レアがとても速かったけれど、ラストラップで彼はミスをしたので、パスする事ができた。
ノリの件は、とても申し訳ないが、我々の強さを証明出来たし、最後までタイトル争いをして、素晴らしいシーズンを与えてくれたスピーズとノリ、両方が勝者と思っているよ。」
YAMAHA
スーパーバイク
B・スピース選手(1位/5位)
「僕にこのマシンを与えてくれたヤマハに感謝しているよ。
第1レースはほとんど完璧で、第2レースもチャンピオン獲得のためにしなければならないことを思い通りに行うことができた。
ペースがとても速いのでポジションをチェックするのは難しかったんだけれど、僕の後ろには何台かがいて、もしもノリが優勝したとしても僕は6位に入ればいいということはわかっていた。
そしてまさにそのポジションにいたから、後続を少し引き離し、何かの問題に巻き込まれないようにしようと思ったんだ。
そのうちにマックス(ビアッジ)が僕のインに入ってきて、そのあとは僕の前で何度もコースを外れるからいやになってしまってパス。
あとは安定したペースをキープして最後まで走ることができた。
まさに劇的な一日。
僕を支えてくれたみんなには、どんな言葉でも感謝の気持ちを表しきれないだろう。
スーパーバイク1年目の今年、僕がこうしてチャンピオンになったことは、ヤマハにとってもいいことだったと思う。
今はまだ事の次第に気が付いていないけれど、きっと何日か経つと実感が湧いてくると思うよ!」
T・サイクス選手
「ここへ来てみて、怪我の状態がよくわかったんだ。
それでもはじめのうちは、すべてを賭けて少しでも上を目指して頑張りたいと思っていたよ。
でもレントゲン検査の結果、骨に重大なひびがあってライディングは不可能だということがわかった。
自分のベストを発揮できないので、今回は欠場することに決めたんだ。
チームはここまで、僕のために大変な苦労をしてきた。
それに何とか恩返しがしたかったのに、こんなことになって非常に残念だ。」
M・メレガリ、ヤマハ・ワールドスーパーバイク・チーム監督
「最高に気分がいい!
この勝利の感覚は、私にとって初めての経験なのだ。
実はこの1週間は非常にナーバスになっていた。
ベンは十分なスピードを持っていたが、ノリも、そしてドゥカティもとてもいい。
だから私はずっと、何が起こるのかと心配でしかたがなかったんだ。
終わってみれば、素晴らしい結果になった。
今はすべての人に感謝の気持ちでいっぱい。
ここにいるチームやヤマハだけでなく、家で待っている僕の、そしてチームスタッフの家族たちの支えも不可欠だった。
彼らにとっても厳しいものだったと思うから、今私は、妻に感謝の気持ちを伝えたい。」
L・K・コーカンプ、ヤマハ・モーター・ヨーロッパ・レーシングマネジャー
「ヤマハにとって素晴らしい日になった!
ベンとチームの1年間の苦労の結果が、今日の栄冠というわけだ。
ベンと初めて仕事をしたときすでに、彼には何か特別なものがあると確信した。
ヨーロッパのコースのなかには初めて走る場所もたくさんあったが、彼はルーキー・シーズンとは思えない見事なパフォーマンスを見せてくれた。
また常に100%の力を注いで頑張ってくれたチームのみんなにとっても最高の結果になった。
彼らの苦労はよく理解しているので、それがようやく形になったことを本当にうれしく思っている。
このタイトルは新型R1の実力の証明であり、ヤマハのマシン開発のビジョンの承認にもなったといえるだろう。
そこには日本のエンジニアたちの努力があったのだ。」
SSクラス
C・クラッチロー選手(4位)
「4位というのは、今季最低の順位なんだ。
リタイヤは何度かあったけれど、完走したレースのなかでは4位は最低。
でも今日は、とにかく安全に走りきりたかった。
ラバティーをプッシュしていく必要などなかったんだ。
彼は今回、とてもよく乗れていて、ずっと僕にプレッシャーをかけていたけれどね。
バトルになりたくなかったのでスタートではソフオグルの後ろについて行ったが、彼のペースは速すぎたから先に行かせた。
そのあとマッコイも先行させて、その後ろにつき、あとは彼にゴールまで連れてきてもらったというわけなんだ。
厳しいシーズンだったけれど、僕はいつもヤマハを全面的に信頼していた。
だからいつも自信が持てたんだ。僕を支えてくれたチームとスポンサー、一緒に頑張ってくれた父と母、ガールフレンドのルーシーに感謝しているよ!」
F・フォレ選手(8位)
「厳しい戦いになった。
昨日の予選でもっと前へ行きたかったんだけれど、フロントのフィーリングがあまり良くなかったんだ。
決勝に向けて変更を行っていくらか改善できたけれども、まだ完璧とはいかなかったから、あとは何とか安定したペースをキープするために自分のベストを尽くすことしかできなかった。
今シーズンのチームのサポートには心から感謝している。
そしてカルのタイトル獲得を祝福する。」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ワールドスーパースポーツ・チーム監督
「今日の結果は本当にうれしい。
ヤマハのすべての人々が、バレンティーノとベンとカルの勝利を喜んでいることだろう。
そして私はもちろん、とくにカルと我がチームのタイトル獲得が嬉しいんだ。
今日は非常に戦略的なレースだったと言えるだろう。
カルはしっかりと走りきり、とてもいい仕事をしてくれた。
彼はシーズンを通して最速のライダーだったと思っている。
またこのタイトル獲得を可能にしてくれたチームの努力にも感謝している。
ファビアンのほうは、マシンのフィーリングが完璧でなかったにもかかわらず懸命に頑張ってくれて、最後まで安定した走りをキープしたことはとても良かったと思う。」
L・K・コールカンプ、ヤマハ・モーター・ヨーロッパ・レーシングマネジャー
「R6カップでの活躍から今日のスーパースポーツ・タイトル獲得まで、カルの成長を見守ることができたことは私にとっての大きな喜びだ。
今シーズンは様々な機会で圧倒的な速さを見せつけてきたが、今日は彼の賢明さと成熟ぶりをも見ることができた。
そしてその結果、しっかりとタイトルを勝ち取ったのだ。
そして市販車としてのR6はこれからも、レースマシンの遺伝子を引き継いでいくだろう。
チームのみんなも本当によく頑張ってくれたが、現時点でまだ2010年のプランが決定していないことが、ちょっと気がかりでもある。」
HONDA
スーパーバイク
ジョナサン・レイ(2位/3位 ランキング5位)
「第1レースで2位、第2レースで3位と両方で表彰台に立てた。
シーズンを通じて最もリザルトのいいレースになった。
第2レースはファブリッツォとすばらしいバトルができた。
総合ポイントでもビアッジに接近していたし、とにかく、シーズン最後のレースを優勝で飾ろうと全力を尽くした。
ファブリッツォとの戦いは最高だった。最終ラップにオーバーランして優勝のチャンスを逃したが、ベストを尽くせたと思う。
今年はシーズン中盤まで思うようなレースができなかったが、後半はリズムに乗れた。
1年目のシーズンで優勝できたし、総合5位にもなれた。
来年のシーズンが本当に楽しみだ。」
カルロス・チェカ(7位/リタイア ランキング7位)
「予選まで抱えていた問題が決勝になっても解消せず、第1レースはフラストレーションがたまる戦いだった。
そこで第2レースはサスペションのセッティングを変えて、リアタイヤもソフトに変えた。
それでフィーリングはかなり改善されたが、トラブルが出てリタイアしなければならなかった。
今年は自分にとって貴重な経験ができた一年だった。
チーム、スタッフに感謝したい。
そして、タイトルを獲得したベン(スピーズ)におめでとうと祝福の言葉を送りたい。」
マシュー・ラグリブ(9位/13位 ランキング19位)
「厳しいレースになり、2レースともに完走できたことには満足しているが、昨日まで抱えていたリアのグリップ不足が最後まで解消せず、フラストレーションのたまる走りだった。
両レースともにスタートに失敗したことも影響した。
そのため追い上げのレースになってしまった。」
SSクラス
ユージェーヌ・ラバティ(優勝 ランキング2位)
「今回は、PPを獲得して決勝でも勝つことができた。
ファステストラップはほかの選手に取られてしまったが、今日は完ぺきなレース運びができた。
後ろにいるケナン(ソフォーグル)とのリードを広げた後も、彼のサインボードを見ながら走った。
6秒離れても彼はペースを緩めようとしなかったし、最後まで集中しなければならなかった。
ここで行ったテストの成果が出たレースだった。
チャンピオンシップはわずかに届かず2位に終わったが、初めてのシーズンでチャンピオン争いができたことには満足している。」
ケナン・ソフォーグル(2位 ランキング3位)
「今回は総合3位をキープするのが大きな目標だったが、3位争いをするラスコルツ(カワサキ)が止まったときに、その目標を果たすことができた。
ラバティには終盤追いつくことができたが、ペースを上げるタイミングが遅かった。
今年はシーズンを通じて満足できるものではなかったが、今年のデータを生かし、来年はタイトルを取りたい。」
マーク・エイチソン(5位 ランキング9位)
「今日はギアが入りにくいというトラブルがあって、思うような走りができなかった。
フラストレーションのたまるレースだったが、5位でチェッカーを受けられてよかった。
シーズンを振り返ってみれば、表彰台にも立てたし、トップグループで戦えるレースもあって満足のいくものだった。」
アンドリュー・ピット(11位 ランキング6位)
「決勝レースに向けてセッティングを変えたが、あまりいい方向にはいかなかった。今
週は全体的にセットアップに苦しんでしまった。
ランキングも6位と厳しい一年になってしまったが、全力を尽くしてくれたチームとスタッフ、そしてスポンサーには感謝している。」
KAWASAKI
スーパーバイク
ブロック・パークス(11位/12位)
「第1レースはトップ10を狙って激しくプッシュしたが、思ったようにグリップしなくて厳しい闘いになった。
トップ10という目標は果たせなかったが、集団の中ですごくいいバトルが出来た。
ポイントも獲得出来て良かった。
第2レースはセッティングも良くなってペースも上がったが、脱落するライダーもなく13位とポジションを落としてしまった。
最終戦も決して満足のいく結果ではなかったが、シーズン終盤に向けてバイクの状態は確実に良くなっていたし、これからもっと良くなると思う。
総合18位というランキングには満足していないが、ベストを尽くしたシーズンだった。」
玉田 誠(12位/16位)
「今日は2レースともにスタートが悪くて、レースを厳しいものにしてしまった。
バイクは、第2レースの方が良かったが、第2レースは序盤の遅れが最後まで響いた。
しかし、2レースともにベストを尽くした。
完走できたことにも満足している。
今年は怪我も多く、欠場するレースも多かった。
自分自身納得のいかない1年、完璧な体調で走れるレースがほとんどないという厳しい1年だったが、最後までベストは尽くせたと思う。
怪我と欠場でチームに迷惑を掛けてしまうシーズンになったが、最後までサポートしてくれたチームに感謝したい。」
SSクラス
ホアン・ラスコルツ(リタイヤ)
「今回は予選から厳しい戦いだった。
トップグループのタイムが接近していたし、最初のセッションから思ったほどタイムも更新出来なかった。
セッティングは完璧ではなかったが、トップグループに加わり優勝争いをする準備は出来ていた。
決勝は一周目3番手。
ラバティとソフォグルとでトップグループを形成したが、4周目にクラッチトラブルが出てバイクを止めなくてはいけなかった。
あのまま走っていれば、表彰台は勿論、優勝争いも出来たと思う。
残念な結果だったが、ファステストラップをマーク出来たことは嬉しい。
今年はシーズンを通じていいレースが出来た。
来年はタイトル獲得を目標に頑張りたい。」
藤原克昭(13位)
「レースウィークを通じてフロントの接地感に課題を抱えていたが、決勝になっても完璧にならず、低速コーナーでタイムをロスしてしまった。
決勝も5、6周目からフロントのグリップがなくなり苦しかった。
最後まで集中しなければならなかったし、ポイントを獲得しようと全力を尽くした。
今年はシーズン中盤からいい感じでバイクも仕上がり、表彰台争いにも加われるようになった。
最終戦は何としても表彰台で終わりたいと思っていたので残念だった。
今年のリザルトには不満だが、来年に向けて今年はいい仕事が出来たと思う。
来年は、ラスコルツとチャンピオン争いが出来たら嬉しい。」
■開催日:2009年10月25日(日)
■開催地:ポルトガル/ポリティマオ(1周4.692km)
■PP:B・スピース(ヤマハ/1分42秒412)
■FL:M・ファブリツィオ(ドゥカティ/1分43秒529)
REPORT
B・スピースが、第1レース優勝、第2レース5位の成績となりチャンピオン獲得。
同チームに初めての世界タイトルをもたらした。
第1レースで、スピーズは、ホールショットからトップで第1コーナーへ進入してレースをリード。
後続に2秒近い差をつけ、トップでゴールした。
タイトル争いのライバル、芳賀紀行は6ラップ目で転倒リタイヤ。
これでスピースは、いくらかの余裕をもって第2レースに臨むことができた。
第1レース終了後、ポイント上でリードし、プレッシャーも軽くなったスピース。
第2レースでは芳賀の位置を確認しながら安定したペースをキープし、栄冠獲得までの残り周回数を数えていく。
何台かを先行させたあと、しばらくはM・ビアッジ(アプリリア)の後ろにつけていたが、ビアッジがコーナーで何度もはらむのを見てパスを決意。
もう一度ペースを上げてこれをとらえ、5位に浮上してチェッカーを受けた。
芳賀紀行は10番グリッドから巻き返して2位。
しかし、わずか6ポイント差で悲願のタイトル獲得はならず、またもランク2位でシーズンを終えることになった。
スピースはワールドスーパーバイク・デビューの今シーズン、優勝14回、ポールポジション11回という見事な記録を残した。
シリーズポイントでは合計462ポイント。
ランキング2位となった芳賀との差は6ポイントであった。
RIDERS COMMENT
DUCATI
芳賀紀行(リタイア/2位・456ポイント・ランク2位)
「今週末は、マシンのセットアップに問題があり、特にタイヤの信頼性が得られなかった。
通常だと、どのサーキットでもマッチするパッケージが持っており、ここでも特にセッティングを変える必要は無かった。
タイヤだけが問題であった。
レース1では、ハードタイヤを選んでいたのだが、グリップが得られず、ブレーキングもダメでした。
そして、それ程プッシュしていなかったのに残念ながら転倒してしまいました。
そこで私達は、第2レースに向け、タイヤは当然ですが、マシンも交換する事にしました。
その結果、レース2は、グリップが増し、良いレースが可能となりました。
残念ながら、レースは2位となり、タイトルを取るには十分ではありませんでした。
しかし、素晴らしいチームと素晴らしいマシンと共にあった最初の一年でした。
ドカティや、スポンサー、技術スタッフ、クリニカモバイル、今シーズンに支えてくれた全てに感謝しています。
今年、強敵だったスピーズにも賛辞を贈りたい。
彼は、来年、MotoGPに行きますが、ずっと友人であり続けるでしょう。
今週から、来年に向けたテストが始まります。
今年は、ドカティと新たな冒険でしたが、2010年も100%で戦い続けます。」
ミッシェル・ファブリッツィオ(5位/2位・382ポイント・ランク3位)
「第1レースは、非常に難しかった。
ベストなスタートとは言えず、すぐさまプッシュして前を追わなければいけませんでした。
芳賀の後ろに着いている時、彼が転倒して、少し集中を失ってしまいました。
そして、トップグループに捕らえようとしましたが、フロントタイヤに十分な感覚が得られず、残り8周になってからは、リアタイヤもグリップが失われました。
一方、第2レースでは、レアと激しいバトルができました。
最後までレアとの勝負になったが、ミサノでは負けていたので、今回は僕が同じ事をすることができました。
レアがとても速かったけれど、ラストラップで彼はミスをしたので、パスする事ができた。
ノリの件は、とても申し訳ないが、我々の強さを証明出来たし、最後までタイトル争いをして、素晴らしいシーズンを与えてくれたスピーズとノリ、両方が勝者と思っているよ。」
YAMAHA
スーパーバイク
B・スピース選手(1位/5位)
「僕にこのマシンを与えてくれたヤマハに感謝しているよ。
第1レースはほとんど完璧で、第2レースもチャンピオン獲得のためにしなければならないことを思い通りに行うことができた。
ペースがとても速いのでポジションをチェックするのは難しかったんだけれど、僕の後ろには何台かがいて、もしもノリが優勝したとしても僕は6位に入ればいいということはわかっていた。
そしてまさにそのポジションにいたから、後続を少し引き離し、何かの問題に巻き込まれないようにしようと思ったんだ。
そのうちにマックス(ビアッジ)が僕のインに入ってきて、そのあとは僕の前で何度もコースを外れるからいやになってしまってパス。
あとは安定したペースをキープして最後まで走ることができた。
まさに劇的な一日。
僕を支えてくれたみんなには、どんな言葉でも感謝の気持ちを表しきれないだろう。
スーパーバイク1年目の今年、僕がこうしてチャンピオンになったことは、ヤマハにとってもいいことだったと思う。
今はまだ事の次第に気が付いていないけれど、きっと何日か経つと実感が湧いてくると思うよ!」
T・サイクス選手
「ここへ来てみて、怪我の状態がよくわかったんだ。
それでもはじめのうちは、すべてを賭けて少しでも上を目指して頑張りたいと思っていたよ。
でもレントゲン検査の結果、骨に重大なひびがあってライディングは不可能だということがわかった。
自分のベストを発揮できないので、今回は欠場することに決めたんだ。
チームはここまで、僕のために大変な苦労をしてきた。
それに何とか恩返しがしたかったのに、こんなことになって非常に残念だ。」
M・メレガリ、ヤマハ・ワールドスーパーバイク・チーム監督
「最高に気分がいい!
この勝利の感覚は、私にとって初めての経験なのだ。
実はこの1週間は非常にナーバスになっていた。
ベンは十分なスピードを持っていたが、ノリも、そしてドゥカティもとてもいい。
だから私はずっと、何が起こるのかと心配でしかたがなかったんだ。
終わってみれば、素晴らしい結果になった。
今はすべての人に感謝の気持ちでいっぱい。
ここにいるチームやヤマハだけでなく、家で待っている僕の、そしてチームスタッフの家族たちの支えも不可欠だった。
彼らにとっても厳しいものだったと思うから、今私は、妻に感謝の気持ちを伝えたい。」
L・K・コーカンプ、ヤマハ・モーター・ヨーロッパ・レーシングマネジャー
「ヤマハにとって素晴らしい日になった!
ベンとチームの1年間の苦労の結果が、今日の栄冠というわけだ。
ベンと初めて仕事をしたときすでに、彼には何か特別なものがあると確信した。
ヨーロッパのコースのなかには初めて走る場所もたくさんあったが、彼はルーキー・シーズンとは思えない見事なパフォーマンスを見せてくれた。
また常に100%の力を注いで頑張ってくれたチームのみんなにとっても最高の結果になった。
彼らの苦労はよく理解しているので、それがようやく形になったことを本当にうれしく思っている。
このタイトルは新型R1の実力の証明であり、ヤマハのマシン開発のビジョンの承認にもなったといえるだろう。
そこには日本のエンジニアたちの努力があったのだ。」
SSクラス
C・クラッチロー選手(4位)
「4位というのは、今季最低の順位なんだ。
リタイヤは何度かあったけれど、完走したレースのなかでは4位は最低。
でも今日は、とにかく安全に走りきりたかった。
ラバティーをプッシュしていく必要などなかったんだ。
彼は今回、とてもよく乗れていて、ずっと僕にプレッシャーをかけていたけれどね。
バトルになりたくなかったのでスタートではソフオグルの後ろについて行ったが、彼のペースは速すぎたから先に行かせた。
そのあとマッコイも先行させて、その後ろにつき、あとは彼にゴールまで連れてきてもらったというわけなんだ。
厳しいシーズンだったけれど、僕はいつもヤマハを全面的に信頼していた。
だからいつも自信が持てたんだ。僕を支えてくれたチームとスポンサー、一緒に頑張ってくれた父と母、ガールフレンドのルーシーに感謝しているよ!」
F・フォレ選手(8位)
「厳しい戦いになった。
昨日の予選でもっと前へ行きたかったんだけれど、フロントのフィーリングがあまり良くなかったんだ。
決勝に向けて変更を行っていくらか改善できたけれども、まだ完璧とはいかなかったから、あとは何とか安定したペースをキープするために自分のベストを尽くすことしかできなかった。
今シーズンのチームのサポートには心から感謝している。
そしてカルのタイトル獲得を祝福する。」
W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ワールドスーパースポーツ・チーム監督
「今日の結果は本当にうれしい。
ヤマハのすべての人々が、バレンティーノとベンとカルの勝利を喜んでいることだろう。
そして私はもちろん、とくにカルと我がチームのタイトル獲得が嬉しいんだ。
今日は非常に戦略的なレースだったと言えるだろう。
カルはしっかりと走りきり、とてもいい仕事をしてくれた。
彼はシーズンを通して最速のライダーだったと思っている。
またこのタイトル獲得を可能にしてくれたチームの努力にも感謝している。
ファビアンのほうは、マシンのフィーリングが完璧でなかったにもかかわらず懸命に頑張ってくれて、最後まで安定した走りをキープしたことはとても良かったと思う。」
L・K・コールカンプ、ヤマハ・モーター・ヨーロッパ・レーシングマネジャー
「R6カップでの活躍から今日のスーパースポーツ・タイトル獲得まで、カルの成長を見守ることができたことは私にとっての大きな喜びだ。
今シーズンは様々な機会で圧倒的な速さを見せつけてきたが、今日は彼の賢明さと成熟ぶりをも見ることができた。
そしてその結果、しっかりとタイトルを勝ち取ったのだ。
そして市販車としてのR6はこれからも、レースマシンの遺伝子を引き継いでいくだろう。
チームのみんなも本当によく頑張ってくれたが、現時点でまだ2010年のプランが決定していないことが、ちょっと気がかりでもある。」
HONDA
スーパーバイク
ジョナサン・レイ(2位/3位 ランキング5位)
「第1レースで2位、第2レースで3位と両方で表彰台に立てた。
シーズンを通じて最もリザルトのいいレースになった。
第2レースはファブリッツォとすばらしいバトルができた。
総合ポイントでもビアッジに接近していたし、とにかく、シーズン最後のレースを優勝で飾ろうと全力を尽くした。
ファブリッツォとの戦いは最高だった。最終ラップにオーバーランして優勝のチャンスを逃したが、ベストを尽くせたと思う。
今年はシーズン中盤まで思うようなレースができなかったが、後半はリズムに乗れた。
1年目のシーズンで優勝できたし、総合5位にもなれた。
来年のシーズンが本当に楽しみだ。」
カルロス・チェカ(7位/リタイア ランキング7位)
「予選まで抱えていた問題が決勝になっても解消せず、第1レースはフラストレーションがたまる戦いだった。
そこで第2レースはサスペションのセッティングを変えて、リアタイヤもソフトに変えた。
それでフィーリングはかなり改善されたが、トラブルが出てリタイアしなければならなかった。
今年は自分にとって貴重な経験ができた一年だった。
チーム、スタッフに感謝したい。
そして、タイトルを獲得したベン(スピーズ)におめでとうと祝福の言葉を送りたい。」
マシュー・ラグリブ(9位/13位 ランキング19位)
「厳しいレースになり、2レースともに完走できたことには満足しているが、昨日まで抱えていたリアのグリップ不足が最後まで解消せず、フラストレーションのたまる走りだった。
両レースともにスタートに失敗したことも影響した。
そのため追い上げのレースになってしまった。」
SSクラス
ユージェーヌ・ラバティ(優勝 ランキング2位)
「今回は、PPを獲得して決勝でも勝つことができた。
ファステストラップはほかの選手に取られてしまったが、今日は完ぺきなレース運びができた。
後ろにいるケナン(ソフォーグル)とのリードを広げた後も、彼のサインボードを見ながら走った。
6秒離れても彼はペースを緩めようとしなかったし、最後まで集中しなければならなかった。
ここで行ったテストの成果が出たレースだった。
チャンピオンシップはわずかに届かず2位に終わったが、初めてのシーズンでチャンピオン争いができたことには満足している。」
ケナン・ソフォーグル(2位 ランキング3位)
「今回は総合3位をキープするのが大きな目標だったが、3位争いをするラスコルツ(カワサキ)が止まったときに、その目標を果たすことができた。
ラバティには終盤追いつくことができたが、ペースを上げるタイミングが遅かった。
今年はシーズンを通じて満足できるものではなかったが、今年のデータを生かし、来年はタイトルを取りたい。」
マーク・エイチソン(5位 ランキング9位)
「今日はギアが入りにくいというトラブルがあって、思うような走りができなかった。
フラストレーションのたまるレースだったが、5位でチェッカーを受けられてよかった。
シーズンを振り返ってみれば、表彰台にも立てたし、トップグループで戦えるレースもあって満足のいくものだった。」
アンドリュー・ピット(11位 ランキング6位)
「決勝レースに向けてセッティングを変えたが、あまりいい方向にはいかなかった。今
週は全体的にセットアップに苦しんでしまった。
ランキングも6位と厳しい一年になってしまったが、全力を尽くしてくれたチームとスタッフ、そしてスポンサーには感謝している。」
KAWASAKI
スーパーバイク
ブロック・パークス(11位/12位)
「第1レースはトップ10を狙って激しくプッシュしたが、思ったようにグリップしなくて厳しい闘いになった。
トップ10という目標は果たせなかったが、集団の中ですごくいいバトルが出来た。
ポイントも獲得出来て良かった。
第2レースはセッティングも良くなってペースも上がったが、脱落するライダーもなく13位とポジションを落としてしまった。
最終戦も決して満足のいく結果ではなかったが、シーズン終盤に向けてバイクの状態は確実に良くなっていたし、これからもっと良くなると思う。
総合18位というランキングには満足していないが、ベストを尽くしたシーズンだった。」
玉田 誠(12位/16位)
「今日は2レースともにスタートが悪くて、レースを厳しいものにしてしまった。
バイクは、第2レースの方が良かったが、第2レースは序盤の遅れが最後まで響いた。
しかし、2レースともにベストを尽くした。
完走できたことにも満足している。
今年は怪我も多く、欠場するレースも多かった。
自分自身納得のいかない1年、完璧な体調で走れるレースがほとんどないという厳しい1年だったが、最後までベストは尽くせたと思う。
怪我と欠場でチームに迷惑を掛けてしまうシーズンになったが、最後までサポートしてくれたチームに感謝したい。」
SSクラス
ホアン・ラスコルツ(リタイヤ)
「今回は予選から厳しい戦いだった。
トップグループのタイムが接近していたし、最初のセッションから思ったほどタイムも更新出来なかった。
セッティングは完璧ではなかったが、トップグループに加わり優勝争いをする準備は出来ていた。
決勝は一周目3番手。
ラバティとソフォグルとでトップグループを形成したが、4周目にクラッチトラブルが出てバイクを止めなくてはいけなかった。
あのまま走っていれば、表彰台は勿論、優勝争いも出来たと思う。
残念な結果だったが、ファステストラップをマーク出来たことは嬉しい。
今年はシーズンを通じていいレースが出来た。
来年はタイトル獲得を目標に頑張りたい。」
藤原克昭(13位)
「レースウィークを通じてフロントの接地感に課題を抱えていたが、決勝になっても完璧にならず、低速コーナーでタイムをロスしてしまった。
決勝も5、6周目からフロントのグリップがなくなり苦しかった。
最後まで集中しなければならなかったし、ポイントを獲得しようと全力を尽くした。
今年はシーズン中盤からいい感じでバイクも仕上がり、表彰台争いにも加われるようになった。
最終戦は何としても表彰台で終わりたいと思っていたので残念だった。
今年のリザルトには不満だが、来年に向けて今年はいい仕事が出来たと思う。
来年は、ラスコルツとチャンピオン争いが出来たら嬉しい。」