尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

詩「丸い暗号」

2011年06月29日 00時18分28秒 | 新詩集
「丸い暗号」


地球は宇宙に空いた
小さな丸い暗号
それが解ければ
宇宙のジグソーパズルは
完成するだろう

子供たちが学校で
一生懸命勉強するのも
大人たちが職場で
一生懸命働くのも
丸い暗号を解読するため

たとえばそれは
雨上がりにかかる七色の虹の橋
たとえばそれはモナリザの
不思議な微笑
たとえばそれは
夜空の星から送られてくる
十億年前のモールス信号
たとえばそれは
はじめて会ったあの人の
泣きたくなるような懐かしさ

ティル ティル ティル ティル 

答えは人の話す言葉より
小鳥のさえずりに似ているらしい
丸い暗号が解けると
平和が訪れるという

科学者と詩人が協力し
小鳥の言葉がわかるとき
人々の額がぱっと明るくなって
重かった頭を起こし
次から次へと手をつなぎあい
頬をふくらませ歌い始めるだろう
もう戦わなくてよいのだと
命の言葉で
軽やかに歌いあげるだろう
心の底から愛し合おうと

ヒントは小鳥のさえずり
ティル ティル ティル ティル 

その日
子供たちは
辞書をほうり投げ
検事は六法全書をほうり投げ
指揮者は指揮棒をほうり投げ
兵士は武器をほうりなげ

地球の丸い暗号
宇宙のパズル
命の答えは
ティル ティル ティル ティル
テュラララ テュラララ


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