ブレンド日記

世の中の出来事・木馬での出来事・映画の感想・本の感想・観るスポーツ等々ブレンドして書いてみました。

「銀二貫」を読む・・高田郁著(幻冬舎)・・10/20日読了

2009年10月29日 | 本の事
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アップするのが遅くなったっけど、旅に出る前に読んで 書きおいたものです。



人はこれほど優しく、強くなれるのか?一つの味と一つの恋を追い求めた若者の運命は?
時代小説の新星・感涙の書き下ろし(帯より)

辛口おばちゃんもちょっとばかり、こういうのに弱いのよね。
手元にある新刊書3冊の中から、最初にこの本を選んだ。

そういえば 関東は金本位体制、関西は銀本位体制だと、何かの本で読んだことがあった。
そんなことより軽い気持で、いちばん薄くて読みやすそうなので、読み始めたのだけど、これがなんとも清々しく、読後感爽快。

出だし 大阪天満の寒天問屋の主・和助は、茶店で休んでいるところを仇討ちの場面に遭遇する。
仇の息子である鶴之輔は父を亡くし、あわやのところで自らも殺されそうになっていたところ、銀二貫で和助に救われるのです。
お金は和助が天満宮に寄進するつもりで工面した大金なのだった。
武士の息子の鶴之助を引き取り育てる和助。
やがて鶴之輔は松吉と改め、和助の下で商人としてのいろはを覚えていくのだが、その間には当然ながらさまざまな苦難が待ち構えている。
たび重なる大火や、それによる初恋の人との別れ。
試行錯誤を繰り返すも、思い通りに行かない寒天や羊羹の開発・・・
それでも、ひたむきに自分の仕事を全うし、ひたすら恋した人を思い続ける姿にジーンとくる。
サラッとした淡々とした文章なのに、やけに胸にこたえる。
そして、節目節目に標題になっている「銀二貫」がどんな役目を果たすのか。人情家の和助は何度も何度も、この銀二貫を人の役に立たせる、そのたびに、気概、心意気、はたまた人情が心を打つ。
うん、いずれにせよ、せせこましい、現代ではめったにお目にかかれないであろう、浪速商人の人達の心あたたまる物語なり。

散々 鶴之輔につらく当たった番頭さんの最後の言葉。

「へい 旦那さん ほんに安うてええ買いものでおました。」これには鬼の目にも涙、ぐっときます。

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