ブレンド日記

世の中の出来事・木馬での出来事・映画の感想・本の感想・観るスポーツ等々ブレンドして書いてみました。

キンモクセイの香る夜は・・

2009年10月18日 | 四方山話
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 もしかしたらこの世の花の香りの中で、一番好きかもしれない。

甘い、甘ーい香り。それは・・・キンモクセイ。
ココナッツとパイナップルと、パインジュースとオレンジジュースを混ぜて、そして お日さまの風にあたって乾燥した麦の優しいストローで混ぜたような でも、それほどクドクはなくて、もっと透きとおった甘さ。秋風にまざる南国の香りが、どこかしこに漂う季節になってきた。
近所をカメラ散歩していて 漂う甘い香りに 首をあちこち回して見つけたキンモクセイ。私の鼻には「初もの」かな?ホントいいにおい・・・
野菜や果物は今は季節を問わず、八百屋の店先に並んでいるが、この芳香だけは季節の記憶を呼び覚ます。
新聞に江戸時代の俳人、服部嵐雪は“木犀の昼は醒めたる香炉かな”と夜のほうが香しいと詠んでいると、書いてあったが、私には夜でも昼でも、町の行きずりにふと鼻先をかすめるのが、この花なのではないかと思う。

そうは言うものの、キンモクセイの香る夜は、しきりと古今亭志ん朝さんのことが思い出される。志ん朝さんは、キンモクセイの香るころ、亡くなったのだった。
夜の散歩に志ん朝さんの落語の入ったアイポットといっしょするとき、立派な土塀の中から仄かに漂う、甘い香りに出会うと、時々立ち止まって胸一杯にこの香りを吸い込む。そして又聴く。
今の私にとって至福の時間。この香りと志ん朝さんの声がこれまたピッタリ逢うのです。

いやぁ それにしても志ん朝さんは声のハリが違う。艶もたっぷり、息継ぎだって見事。この江戸弁に魅せられてうん十年。「いなせ」という言葉を体現できる噺家は絶対に、絶対に 志ん朝さんしかいないと思う。
今も飽きもせず、暇さえあれば聞いています。馬鹿みたいに・・

ちなみに今聴いているのは「お直し」
「吉原は金のない若いものも行ったといいます。あのう、冷やかしですな、格子窓の間から、花魁が火をつけた煙草を一服すわせて、あがっておくれよ、なんていいます。若いもんは今度来るよ、本当だよ、といってたばこだけ吸って逃げます。いまでいうウインドーショッピングですな」
このあとは、切ない夫婦愛の物語。

大好きな演目です。キンモクセイの匂う夜は、落語が聴きたくなります。

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