乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

4月の乙女高原自然観察交流会

2019年04月06日 | 乙女高原観察交流会

※参加された井上敬子さんがレポートを書いてくださいました。

 4月6日、観察交流会が行われました。今回の観察会の参加者は2人、植原さんがゲートのカギを持ってきてくれ、ヤマアカガエル産卵調査の地点を教えてくれました。仕事が忙しくて行けないのを残念がっていました。

 快晴ですが風が強く吹く中を、乙女高原に向かいました。乙ヶ妻のシダレザクラが丘の上できれいに咲いているのが見えました。金桜神社上の湿地に寄ってみましたが、やはりヤマアカガエルはいませんでした。ここのところ寒い日が続いていて、春も足踏み状態か、キブシの房もまだ短く、ハシリドコロも10cmくらいしか伸びていません。

 次に山の神の所に立ち寄ってみました。昨年、林道わきの斜面にヒナスミレがたくさん咲いていましたが、今年はまだ咲き始めで、数輪あっただけでした。でもかわいい薄ピンクの花に出会えました。カタクリは葉のみで、まだ花は全く出ていませんでした。

 そしてカエル池と呼んでいるポイントです。3月の観察会で卵塊と親のヤマアカガエルも確認した所です。その卵はオタマジャクシになって泳いでいました。また、だいぶ発生の進んだ卵塊が5腹ありました。ミソサザイのさえずりやカラ類の鳴き声もしました。風が吹くと寒かったです。昨年咲いていたタチツボスミレやアカネスミレ、ヒトリシズカはまだ見られませんでした。

 しばらく行ったカツラの大木の所にも立ち寄りました。昨年は芽吹きの赤い色が遠くからもよく見えましたが、今年はまだです。昨年咲いていたヤマエンゴサク、コガネネコノメなどは小さな葉が出ているのみ。でも渓流沿いにはハナネコノメ、ツルネコノメがわずかに咲き始めたところで、ハナネコノメの赤い葯が美しかったです。日当たりのよい斜面の一角にヒナスミレが数輪咲いているのを見つけました。今年はまだ花が少ないので、嬉しかったです。林道では、バッコヤナギやアブラチャンが咲いていました。

  焼山峠にもちょっと寄った後、木道のある湿地でヤマアカガエル産卵調査をしました。でも水が少なく、流れ以外の所には水があまりありません。2人で探しましたが、カエルの卵は全く見つかりませんでした。湿地の中がイノシシに荒らされて土がむき出しになっている所がかなり広くありました。シカのフンやササを食べた跡もたくさんありました。アカゲラのドラミングと鳴き声が聞こえ、探すと姿を見ることも出来ましたが、すぐ飛んで行ってしまいました。小鳥の声もするのですが、なかなか姿を見ることはできません。

  11時頃に乙女高原に到着。いつものことながら寄り道で時間がかかります。谷内坊主のある湿地で産卵調査です。下の方から見ていきました。1腹見つけましたが、あとは見つかりません。昨年は9腹もあったのに…。やはり水が少ないためなのか、寒さのせいなのか、産む場所に水がなかったらどうするのだろう、別の場所を探すのだろうかと2人で心配しながら、奥の湿地へ。昨年、卵があった場所は雪がまだ残っていて、卵はありませんでした。もう少し暖かくなったら、卵を産みにヤマアカガエルが出て来てくれることを願いつつ、ロッジへ向かいました。

  もう12時近いので、昼食にしました。日差しは暖かいのですが、風が強く、冷たいので、ロッジ入口で食べました。草原は日陰に雪が少し残っているだけでした。

 昼食後、いつものように森のコースを登っていきました。草原内のコケはすっかり乾燥しています。コケの名前プレートを確認しながら、登っていきました。多くのコケは乾燥して可哀そうな姿ですが、途中、雪が残っている所のコケは青々と美しいです。やはり水分が必要なのですね。

 展望台からは頂上が雲に隠れた富士山が、かすんで見えていました。金峰山や八ヶ岳も雪で白く見えています。スミレの咲く斜面を探しましたが、まだ葉も見えません。昨年、エゾアオイスミレを見つけた所にも何も出ていません。ヨモギ頭の斜面にじっと動かないヒオドシチョウがいました。鮮やかなオレンジ色で、羽も傷んでいないきれいな蝶でした。寒さで動けないのかなと近づくと飛びたちました。日向ぼっこの邪魔をしてしまったようです。ダケカンバの幹の白さが青空に映えていました。草原を下っていく途中のツノハシバミは雄花の房が垂れていましたが、まだ雌花は出ていません。エナガが2羽、木の枝に留まったり、飛んだりしているのを見ました。つがいで巣づくりをしているのでしょうか。ネズミの巣を探しながら、草原を下りました。1700mの髙原は春まだ浅く、草原内の芽吹きはほとんどみられませんでした。

 ちょっと早かったですが、草原をあとにして、塩平への道々で観察することにしました。林道を下っていくと、マンサクの花がきれいに咲いていました。細長い花びらが黄色く、中心部の赤い色が鮮やかでした。そこの斜面に数本のマンサクがありました。自然観察路辺りにスミレがあるかと寄ってみましたが、小さな葉がでているだけで、花の姿はまだありません。公家墓の所では、木の根元に木の皮を細長く割いたふわふわの塊りが落ちていました。木には洞があります。ムササビの巣材のようにも見えたので、周辺を探しましたが、フンらしきものはありません。誰のものなのか、なぜそこにそんなものが落ちていたのかもなぞです。道端を見ながら下っていくと黄色い小さな木の花がありました。アブラチャンかダンコウバイかという話になりましたが、ダンコウバイのようでした。 

 塩平のゲートのところでは、ハナネコノメとネコノメソウの仲間(たぶんイワボタン)が咲き始めていました。赤い葯とオレンジの葯がかわいかったです。塩平や西保地区の辺りの桜はまだ咲いておらず、やはり今年は昨年よりも春が遅いようです。道の駅近くまで来ると桜がきれいに咲いていました。いろいろな春を感じた一日でした。

コメント
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