OSQZSS

オープンソース準天頂衛星(QZSS)受信機

SS-520の軌道でfireflyを試す

2016-06-21 12:58:56 | ロケット
OpenTsiolkovskyでSS-520観測ロケット4号機の予測軌道が生成できたので,
これからGPS信号シミュレータ用のモーションファイルをつくります.

OpenTsiolkovskyの出力は,各段の軌道に分かれていますが,
全行程をシミュレーションできるよう,1段目から3段目までの軌道を
分離時間ごとに繋げます.

さらに,射点でGPS信号が補足できるよう,発射前の1分間は
初期位置に留まっていることにします.

この予測軌道をss520-4.csvというuser motion fileとして,
リアルタイム版のGPS信号シミュレータであるbladeGPSに入力します.

github.com / osqzss / bladeGPS

gps-sdr-simは,SDRデバイスに入力するI/Q信号のサンプリングデータが
巨大になり,長時間のシミュレーションには向いていませんでした.
しかし,bladeGPSでは,user motion fileの位置情報から,リアルタイムで
I/Q信号を計算するため,データ量を気にすることなく,長時間の連続した
シミュレーションが可能です.

シミュレータから出力されるGPS信号は,firefly GNSS受信機で受信します.



予測軌道の加速度をみてみると,3段目が20Gを超える高ダイナミクス.

 (クリックで拡大)

しかし,fireflyは,ロケット搭載も考慮して,最大25Gの加速度でも
信号を追尾できるように設計しています.シミュレーションの結果も,
打ち上げから一度も信号を失うことなく,測位できています.

 (クリックで拡大)

測位誤差をみてみると,大きな加速度の変化に関係なく,測位精度は
5m以下を維持しています.

 (クリックで拡大)

bladeGPSもfireflyも,控えめに言って最高だ!
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OpenTsiolkovskyを試す

2016-06-19 17:47:17 | ロケット
OpenTsiolkovskyによるSS-520観測ロケット4号機の軌道予測が
紹介されていたので,自分でも試してみる.

ina111's blog: 衛星打上げロケットSS-520 4号機の予測(妄想)

軌道予測から,bladeGPS(またはgps-sdr-sim)用のモーション
ファイルを生成するのが目的です.

Windows 10なので,OpenTsiolkovskyのwikiを参考にMSYS2をインストール.
しかし,「$ pacman -Su」の途中でこんな警告が出て,止まってしまいます.

 (クリックで拡大)

警告メッセージにしたがって,一旦terminalを閉じてから,
スタートメニューのショートカットを編集.

Qiita: MSYS2の更新に伴う起動用ショートカットの修正

再度「MinGW-w64 Win64 Shell」を起動して,
パッケージのアップデートとインストールを進めます.

その後,OpenTsiolkovskyをcloneしてmake.
binフォルダに,「OpenTsiolkovsky.exe」ができました.

SS-520観測ロケット4号機のパラメータをbinフォルダにコピー.

 (クリックで拡大)

OpenTsiolkovskyを実行すると,outputフォルダに予測軌道が
csvファイルで出力されます.

 (クリックで拡大)

続いて,Google Earthで軌道を表示するKMLファイルを生成するために,
pythonや関連ツールをインストール.

$ pacman -Sy mingw-w64-x86_64-python2-pip
$ pacman -Sy mingw-w64-x86_64-python2-numpy

KMLファイルの生成に必要なsimplekmlモジュールもインストールします.

$ pip install simplekml

これでKMLファイルを生成する準備が整いました.

 (クリックで拡大)

KMLファイルもoutputフォルダに出力されます.
Google Earthで開くと,それらしい軌道が!

 (クリックで拡大)

グリグリ廻して眺めると,とても楽しいです.
動作も確認できたので,次はモーションファイルをつくろう.
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複数のu-blox受信機を同時接続

2016-06-16 20:29:42 | 雑記
やっと重い腰を上げてWindows 10にアップグレードしたら,
u-bloxのNEO-M8T受信機が接続できなくなる不具合発生.

これまでCOMポートとして認識されていたに,なにやら
u-blox GNSS Location Sensorというデバイスになってしまう.
もちろんu-centerにも繋がらない.

 (クリックで拡大)

Google先生に質問しても,解決法が見つからずハマる…

高須さんの方法だと,一旦はCOMポートになるものの,
再接続するとGNSS Location Sensorに上書きされてしまう.
また,複数の受信機を接続した場合,COMポートに変更
できるのは,ひとつだけだ.

日記・備考録:2016/01/30

試行錯誤のすえ,なんとか解決したのでメモ.

まず,GNSS Location Sensorデバイスを右クリックして,
「ドライバーソフトウェアの更新」を選択.

 (クリックで拡大)

「コンピュータを参照してドライバーソフトウェアを検索」を選択.

 (クリックで拡大)

「コンピュータ上のデバイスドライバーの一覧から選択」をクリック.

 (クリックで拡大)

ここで,u-bloxが提供するドライバではなく,Microsoft標準の
「USBシリアルデバイス」を選択します.

 (クリックで拡大)

これで,ドライバの更新が完了.

 (クリックで拡大)

デバイスの一覧には,COMポートとして認識されるようになりました.

 (クリックで拡大)

複数の受信機を接続したときも,同じことを繰り返すことで,
同時接続もできるようになります.

 (クリックで拡大)

u-centerからも,問題なく接続できます!



ちなみに,COMポートの番号は,個々の受信機ではなく,
USBのポートに割り振られるみたい.

【追記】他のWindows 10 PCで試してみたら,u-blox Virtual COM Port
としても認識され,u-centerと接続することができました.

しかし,こちらも複数台の受信機を接続すると,GNSS Location Sensor
だけが認識されるだけで,Virtual COM Portは増えません.

 (クリックで拡大)

ドライバーソフトウェアの更新後,u-blox Virtual COM Portは削除
しておきます.


 (クリックで拡大)

「このデバイスのドライバーソフトウェアを削除する」を選択して削除.

 (クリックして拡大)

【追記2】ドライバーソフトウェアを削除したはずのu-blox Virtual COM Portが
COM6として復活していた.これを消すと,次はCOM7として復活する.
このままではCOMポートの番号を食いつぶしてしまうので,放置することにした.
u-blox大好きユーザだが,さすがにこれは…
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GPS jamming実験の中止

2016-06-11 12:50:50 | 雑記
カリフォルニア州のChina Lakeで実施されていたGPS jammingの実験
キャンセルされたらしい.

AOPA: NAVY CANCELS PLANNED GPS OUTAGE IN SOUTHERN CALIFORNIA

結局,jammingを実施したのは6月7日だけのよう.
実験の詳細と同様に,キャンセルの理由も不明.

民間機に影響が出ていたから,批判が大きかったのだろう.
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AndroidでRAWデータにアクセス

2016-06-09 08:20:44 | Android
これは楽しみ.

gpsworld.com: Google opens up GNSS pseudoranges

記事のタイトルはpseudorangesになっているけれど,
Googleのアナウンスはraw GPS measurementsだ.

搬送波位相にもアクセスできて,RTKとか試せるといいな.
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GPS Interference Notam

2016-06-08 10:06:25 | 雑記
カリフォルニア州全域を含む西海岸で,大規模なGPS信号干渉の
実験があるらしく,注意を呼びかけるNOTAMが出ている.

FAA: GPS Interference Testing, CHLK GPS 16-08, 07-30 June, 2016, China Lake, California



どうやらミリタリーの実験らしいけど,やることが派手だな.
SDR持ち込んでログ取りたい.

【追記】本当にGPS信号をロストしている



いくつか記事が出ているけれど,実験の詳細は不明.
中心地付近には,海軍のAir Weapons StationやWeapons Centerがあるらしい.

GIZMODO: FAA Warns of GPS Outages This Month During Mysterious Tests on the West Coast

【追記2】redditのスレッド.GPS信号をロストした写真もあり.

reddit.com: GPS Interference NOTAM For Southwest US



【追記3】ちょっと調べてみたら,軍事演習で頻繁にGPS jammingをしてる.

ofcom.org.uk: GPS jamming exercises

それでも,ここまで大規模なのは,今回が初めてだろうな.
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RTL-SDRとAirSpy

2016-06-07 12:30:07 | RTL-SDR
高須さんの日記でRTL-SDRによるGPS信号受信が紹介されています.
RTKLIBにSDRの機能が実装されることを妄想しながら,少し情報を補足.

RTL-SDRに搭載されているフロントエンドのR820Tは,IF信号の帯域として
3.2MHzあるのですが,それをADCでサンプリングしているRTL2832Uにおいて,
I/Q信号の帯域がLPFでそれぞれ0.8MHzにカットされてしまいます.そのため,
全体で1.6MHzの帯域しか確保できず,GPS信号を受信するには微妙に狭いです.

つまり,RTL2832Uでは,フロントエンドの帯域を生かしきれていません.
そこで,その部分をLPC4370マイコンに置き換えたものが,AirSpyになります.
AirSpyでは,LPC4370の高速なADCとUSBインターフェイスが,RTL-SDRより
周波数の高い広帯域なサンプリングを可能にしています.

さらにAirSpy R2には,新しいフロントエンドであるR820T2が搭載されています.

airspy.com: AirSpy R2

R820T2の帯域は,ユーザの実験などから(非公式に)10MHz程度と確認されています.
ノイズフロアも数dBほど改善されているようです.

superkuh.com: RTL-SDR and GNU Radio with Realtek RTL2832U software defined radio receivers

そのため,AirSpy R2では,最大9MHzの帯域でalias-freeな観測を実現しています.
RFポートからの給電も,ホスト側のソフトウェアでON/OFFできて便利そう.

しかし,お値段は$199と,RTL-SDRの$19.95の10倍…

itead.cc: AirSpy R2

高額なデバイスに手を出す前に,まずは安価なR820Tのワンセグチューナを購入して,
SDRを体験してみるのが良いかもしれません.

aitendo.com: ワンセグRX DVB-T+DAB+FM R820T高性能受信機
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