鋭意開発中の小型衛星用GPS受信機ですが,実はGLONASSにも対応した
GNSS受信機だったりします.
GLONASS対応の動作確認をどうしようかと悩んでいたところ,SPIRENTの
ご厚意で,マルチGNSS対応のシミュレータを試用させていただきました.
GSS6700: Multi-GNSS Constellation Simulator System
ちなみに,シミュレータでGPSの軌道を設定する際にはYUMA almanacを使いますが,
GLONASSの場合はAGLというフォーマットのalmanacファイルが以下のFTPサイトから
ダウンロードできます.
ftp://ftp.glonass-iac.ru/MCC/ALMANAC/
すでに,GPSシミュレータで使用したシナリオがあるので,追加するのはこれだけ.
早速,受信機を繋げて試験開始です.
この圧倒的な衛星数!
(クリックで拡大)
しかし,残念なことに,GLONASSのinter-frequency biasesが原因でGPSのみの結果と
比較して測位精度は劣化します.衛星軌道では,可視衛星が頻繁に切り替わるため,
測位誤差もその度に大きく変化します.
(クリックで拡大)
それでも各軸6m以下の位置誤差なので,実用上,小型衛星の運用には問題ないレベルです.
もちろん,ロケット搭載を考慮したハイダイナミクス対応も健在.観測ロケット程度の
軌道では可視衛星がほとんど変化しないために,測位誤差もほぼ一定です.
(クリックで拡大)
可視衛星数と測位精度のどちらを優先するのかは,ミッションごとのトレードオフかと
思います.常に姿勢が地球指向で,GNSSアンテナが天頂を向いている衛星であれば,
周りに障害物のない衛星軌道ではGPSだけでも十分な衛星数が確保できます.
しかし,小型衛星には姿勢の安定しないものが多く,可視衛星数も大きく変化します.
例えば,衛星が90度傾き,アンテナが水平線を向くと,単純に衛星数が半分となります.
こうなると,GPSのみでは,十分な可視衛星が確保できなくなります.そんなときに
GLONASSも使うことができれば,姿勢によらず安定した測位が可能になるかもしれません.
また,ロケットのように,構造的にアンテナの設置場所が制限されるプラットフォームでは,
十分な可視衛星を確保するために,GLONASSも使用した方が有効です.
さて,これでほぼ機能的にはspace "capable"なGNSS受信機が完成しました.
受信機モジュールのサイズは17mm×23mm,消費電流は3.3Vで50mAと小型・省電力.
これでGPSとGLONASSに対応と至れり尽くせりです!
GNSS受信機だったりします.
GLONASS対応の動作確認をどうしようかと悩んでいたところ,SPIRENTの
ご厚意で,マルチGNSS対応のシミュレータを試用させていただきました.
GSS6700: Multi-GNSS Constellation Simulator System
ちなみに,シミュレータでGPSの軌道を設定する際にはYUMA almanacを使いますが,
GLONASSの場合はAGLというフォーマットのalmanacファイルが以下のFTPサイトから
ダウンロードできます.
ftp://ftp.glonass-iac.ru/MCC/ALMANAC/
すでに,GPSシミュレータで使用したシナリオがあるので,追加するのはこれだけ.
早速,受信機を繋げて試験開始です.
この圧倒的な衛星数!
(クリックで拡大)
しかし,残念なことに,GLONASSのinter-frequency biasesが原因でGPSのみの結果と
比較して測位精度は劣化します.衛星軌道では,可視衛星が頻繁に切り替わるため,
測位誤差もその度に大きく変化します.
(クリックで拡大)
それでも各軸6m以下の位置誤差なので,実用上,小型衛星の運用には問題ないレベルです.
もちろん,ロケット搭載を考慮したハイダイナミクス対応も健在.観測ロケット程度の
軌道では可視衛星がほとんど変化しないために,測位誤差もほぼ一定です.
(クリックで拡大)
可視衛星数と測位精度のどちらを優先するのかは,ミッションごとのトレードオフかと
思います.常に姿勢が地球指向で,GNSSアンテナが天頂を向いている衛星であれば,
周りに障害物のない衛星軌道ではGPSだけでも十分な衛星数が確保できます.
しかし,小型衛星には姿勢の安定しないものが多く,可視衛星数も大きく変化します.
例えば,衛星が90度傾き,アンテナが水平線を向くと,単純に衛星数が半分となります.
こうなると,GPSのみでは,十分な可視衛星が確保できなくなります.そんなときに
GLONASSも使うことができれば,姿勢によらず安定した測位が可能になるかもしれません.
また,ロケットのように,構造的にアンテナの設置場所が制限されるプラットフォームでは,
十分な可視衛星を確保するために,GLONASSも使用した方が有効です.
さて,これでほぼ機能的にはspace "capable"なGNSS受信機が完成しました.
受信機モジュールのサイズは17mm×23mm,消費電流は3.3Vで50mAと小型・省電力.
これでGPSとGLONASSに対応と至れり尽くせりです!