OSQZSS

オープンソース準天頂衛星(QZSS)受信機

bladeRFでGPS信号の受信

2013-08-31 09:42:02 | ソフトウェア受信機
bladeRF-cliの動作が確認できましたので,GPS信号を受信してみました.
bladeRFの設定は以下の通り.

bladeRF> set frequency 1575420000
Set RX frequency: 1575420000Hz
Set TX frequency: 1575420000Hz
bladeRF> set samplerate 16368000
Setting RX sample rate - req: 16368000Hz, actual: 16368000Hz
Setting TX sample rate - req: 16368000Hz, actual: 16368000Hz
bladeRF> set bandwidth 2000000
Set RX bandwidth - req: 2000000Hz actual: 2500000Hz
Set TX bandwidth - req: 2000000Hz actual: 2500000Hz
bladeRF> rx config file=gps.bin format=bin n=163680
bladeRF> rx start

帯域はあまり自由に選べないようで,2.5MHzに設定されます.
その他の周波数は指定通りのようです.

bladeRF-cliのrxコマンドでbinファイルを指定すると,
int16のI/Q信号がI,Qの順番で保存されます.

また,保存されたデータの始めの1ms程度は,何やら固定値が
記録されているだけので,削除します.

サンプリングされた信号のhistogramをプロットしてみると,
12ビットのADCのはずですが,4ビット程度しか有効ではなく,
しかもオフセットが大きいです.取りあえず平均値を引いて
中心をゼロにしました.



逆拡散前のGPS信号は雑音と同じですが,histogramのばらつきは
ガウシアンではありません.

PSDをプロットしてみると,指定の帯域で綺麗に切れています.



しかし,帯域内の信号に500kHzの倍数でスプリアスが出ているのが
気になります.



とりあえずGPS信号は捕捉できるようですが,SNが悪いです.
8msのインコヒーレント積分で,やっと一般的なGPSフロントエンド
並みの性能です.



ADCの出力があきらかに異常なので,ゲインの設定など
もう少し細かく調整してみたいと思います.

正直なところ,微妙な性能でヘコみました…
本命のtxに期待します.

【追記】サンプリングデータと解析用のMatlabコードを公開します.

http://www.sensorcomm.co.jp/osqzss/bladerf/matlab.zip (149kB)
コメント (2)
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MicroZed

2013-08-29 07:21:04 | FPGA
ほしいものリストに追加.

ZedBoard.org: MicroZed

【追記】PMODにCLKピンがないことに失望した.
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bladeRFのセットアップ

2013-08-27 00:30:01 | ソフトウェア受信機
備忘録

フォーラムのkb3gtn's bladeRF setup guideを参考に,bladeRFの動作環境を整えます.

VMwareでUbuntuを動かした際のUSB 3.0の動作に自信がなかったので,
Windowsとのデュアルブートにすることにしました.

Ubuntu Desktopのサイトから,Ubuntu 13.04の64ビット版をダウンロードします.
ISOイメージのファイル名はubuntu-13.04-desktop-amd64.isoでした.

Ubuntuをインストールしたら,まずはUnity s*cksなのでgnome-session-fallbackを
インストールして,昔ながらのGNOMEデスクトップにします.

No Unity Here. Enable Classic GNOME In Ubuntu 13.04

そんなことをしていると,いつの間にかUbuntuのupdateをするように促され,
パッケージを一通りインストールしました.このとき,カーネルも最新になり,
3.8.0-29-genericとなっています.

セットアップガイドにしたがって,kernel moduleに必要そうなものをインストール
しておきます.もしかしたら,不要なステップかもしれません.

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install build-essential
$ sudo apt-get install linux-source
$ sudo apt-get install linux-headers-generic

次にgitをインストール.

$ sudo apt-get install git

これでbladeRFのレポジトリをcloneすることができます.

$ sudo git clone https://github.com/Nuand/bladeRF/ ./bladeRF/

まず,kernel moduleをbuildします.

$ cd bladeRF/linux/kernel
$ sudo make

ここで早速エラーでつまづきました.どうやら,makeがcurrent directoryを
示す環境変数であるPWDを認識していないようです.そこで,Makefileに以下の
ラインを追加しました.

PWD = $(shell pwd)

これで無事にkernel moduleがbuildできたので,セットアップガイドにしたがって
インストールします.

続いてlibbladeRFをbuildします.makeは問題なく通ったのですが,installで
なにやら変なechoが返ってきます.なんとなくmakeの動作が怪しいのですが,
libbladeRF.pcが以下のdirectoryにコピーされていることが確認できたので
とりあえず無視します.ちなみにmakeのversionは3.81です.

/usr/share/pkgconfig/libbladeRF.pc

次はbladeRF-cliです.こちらもセットアップガイド通りの手順で問題なく
buildできました.

この時点でbladeRFをUSB 3.0のポートに接続すると,/dev/bladerf0として
認識されます.

$ ls /dev/blade*
/dev/bladerf0

これでbladeRFを動作させる準備が整いました.nuandのサイトから,
pre-buildされたFPGAイメージをダウンロードして,bladeRF-cliと
同じdirectoryにコピーします.

http://nuand.com/fpga/

bladeRF-cliを実行すると,FPGAの書き込み後に,interactive commandの
コンソールが立ち上がります.

$ sudo ./bladeRF-cli -d /dev/bladerf0 -l hostedx40.rbf
Loading fpga...
Done.
bladeRF>

とりあえず,ここまで動作が確認できました.後はコンソールからrxの
コマンドなどで,IFデータが取得できるはずです.

続きはそのうちに.

【追記】この記事を書いている途中でgithubのレポジトリをのぞいてみたら,
directory構造がすっかり変わっていました…おい!

【追記2】ところで,bladeRFをPCから外すときは,どうするのが正しいのだろう?

【追記3】後で試す.最新のリリースでは,kernel moduleは不要みたいだけどね.

$ sudo modprobe -r bladeRF

または

$ sudo rmmod bladeRF

【追記4】デュアルブートの優先度も変更しておきます.

Change Boot Order When Dual-Booting Ubuntu With Another OS
コメント (1)
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SDRプラットフォームの比較

2013-08-24 17:21:55 | ソフトウェア受信機
メモ

Taylor KillianによるSDRプラットフォームの比較記事.

SDR Showdown: HackRF vs. bladeRF vs. USRP

こうしてみると,性能と価格のバランスはどれも同じかな.
結局何をしたいかによると思う.

HackRFは安価であるけれど,half duplex,8ビットADC,
USB 2.0などと,帯域は限られてしまう.
それでも,周波数は6GHzまでいける.

bladeRFは,帯域も広いし,full duplex,USB 3.0と,
広帯域の信号にも対応できる.しかし,周波数は3.8GHzまで.
個人的にはGNSS信号に興味があるだけなので充分だ.

高価だけど強力なのがUSRP B210.
GNURadioのプラットフォームにこんなのがあったのか.
2x2 MIMOで帯域は61MHz.インターフェイスはUSB 3.0.
これならGalileo E5信号のAltBOCも観測できる.

Ettus Research: USRP B210

あと重要なのがコミュニティーの大きさ.
その意味では,USRP+GNURadioが一番情報を入手しやすいのかな?

taro君もbladeRFを購入したようなので,GNSS信号シミュレータの
開発が進むと良いな.

【追記】TT@北海道さんの言われる通りに,よくよく見ると
USRP B200もお買い得に思えてくる.やばい.
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bladeRFが仲間入り

2013-08-21 21:02:55 | ソフトウェア受信機
物欲に負けた結果がこれだよ!
bladeRFが(積み基板に)仲間入り.

 (クリックで拡大)

nuandのオンラインショップで16日に注文したら
1週間も待たずに届きました.

さあ,これでGPS信号のシミュレータを作ろう.

【追記】小型衛星向けにSバンドの地上局もSDRで実現してみたい.
コメント (4)
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GPSの本

2013-08-21 08:34:36 | みちびき
お?

Interface 2013年10月号:特集 研究 最新GPS&インドア測位

【追記】Interface 2013年10月号目次
あ,冨永君(兄)だ.
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アンチジャミングアンテナ

2013-08-20 17:17:05 | みちびき
メモ

NovAtel社のアンチジャミングアンテナであるGAJTは,
どうやらITAR製品ではなく,日本でも入手できるようだ.

アムテックス:GAJT ガジェット アンチ・ジャミング・アンテナ
SPA:NovAtel社製アンチ・ジャミングGPSアンテナ

375万円…
縁のない値段だ.

ところで,ジャマーの方向にヌルを発生させるビームステアリング
アンテナなのだけど,なぜこれが米国から輸出できるのだろう?

Wassenaar ArrangementのCategory 7で,ビームステアリングが
できるアダプティブアンテナは輸出禁止規制品になっているのに.

7.A.5. Global Navigation Satellite Systems (GNSS) receiving equipment having
any of the following and specially designed components therefor:

a. Employing a decryption algorithm specially designed or modified for
government use to access the ranging code for position and time; or

b. Employing 'adaptive antenna systems'.

Note: 7.A.5.b. does not apply to GNSS receiving equipment that only uses
components designed to filter, switch, or combine signals from multiple
omni-directional antennae that do not implement adaptive antenna techniques.

Technical Note: For the purposes of 7.A.5.b 'adaptive antenna systems'
dynamically generate one or more spatial nulls in an antenna array pattern
by signal processing in the time domain or frequency domain.

【追記】NovAtelはカナダの会社でした.ITAR関係ないじゃん.
しかし,Wassenaar Arrangementにはカナダも参加している.

【追記2】そうか,WAは輸出管理のレジームで,輸出禁止をしている
訳ではないのか.輸出規制品ではあるけれど,輸出許可は各国の
判断なのね.
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SDRの本

2013-08-20 09:54:48 | RTL-SDR
メモ

なにやらCQ出版がSDR推し.

ワンセグUSBドングルで作るオールバンド・ソフトウェア・ラジオ
別冊CQ ham radio QEX Japan No.8 RTL-SDRではじめるソフトウェア受信

読んでみたい気もするけれど,いまのところGNSS信号以外の
受信には興味ないんだよな.

そしてaitendoのRTL2832U+R820Tの在庫がまた復活していた.

aitendo: ワンセグRX DVB-T+DAB+FM R820T高性能受信機

【追記】本の内容に関しては,ゆうちゃんのパパさんのレポートに
期待しよう.
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Altera Cyclone V SoCKit

2013-08-20 07:56:29 | FPGA
Terasicがまた面白そうなFPGA基板を発売している.
ARM Cortex-A9を内蔵したCyclone V SXを搭載し,
価格も$249とお買い得.

Terasic: SoCKit - the Development Kit for New SoC Device

これは欲しい.
けど,その前に積み基板を消化しないと,
ただのコレクターになってしまう.



なんだかんだで,一番活用してるのがDE0-Nanoです.
このあたりが身の丈に合っているのかな.
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GPSジャミングで罰金

2013-08-19 14:04:53 | みちびき
GPSジャマーの使用は米国では違法になります.

GPS.gov: Jammers are illegal to market, sell, or use in the United States.

昨年の夏に,Newark空港のGBASがジャミングされました.
空港の警備会社は方向探知機でGPSジャマーを搭載している
Ford F-150ピックアップトラックを発見.ゲートでトラックを止めて,
GPSジャマーを没収しています.

運転手は,GBASをジャミングすることが目的ではなく,彼の
雇用者によって車に取り付けられたGPS追尾システムを妨害
するためにGPSジャマーを付けていたようです.

さて,何故かこの話題が1年後の今になって,メディアで
一斉に取り上げられました.運転手は32,000ドルの罰金を
支払ったうえに,会社も解雇されたようです.

CBS: N.J. Man In A Jam, After Illegal GPS Device Interferes With Newark Liberty Operations
CNET: Truck driver has GPS jammer, accidentally jams Newark airport

この事件,ちゃんとGPSジャマーが発見され,犯人が特定
されていたことに驚きました.方向探知機なんて,導入して
いたのですね.

GPSジャマーのトラブルが顕在化してきているということ
なのでしょうか.

【追記】一方,日本では…

朝日新聞:捜査対象車にGPS端末 警察が無断で設置,各地で発覚

【追記2】どうやら,Newark空港では,2009年にGBASを設置して以来,
GPSジャマーの電波干渉に悩まされていたらしい.方向探知機もその
対策の一環として,2010年の1月に導入されている.

FAAのレポートを読むと,同年4月にはGPSジャマーを搭載した車が
探知機で追跡され,ジャマーが没収されている.

FAA: GPS Privacy Jammers and RFI at Newark

レポートには,GBASの基準局アンテナの位置も掲載されている.
これを見ると,高速道路のすぐ横に設置しているようだ.
しかも,冗長系なのに,道に沿って真っすぐに並べている.

 (クリックで拡大)

GBAS設置当初は,高速道路を通る車に搭載されたGPSジャマーの
電波干渉を受けるなんて想定していなかったとは思うけど,
アンテナの設置場所にも問題あるよな.
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