OSQZSS

オープンソース準天頂衛星(QZSS)受信機

Rawデータの精度とダイナミクス

2014-03-31 18:22:53 | ロケット
測位演算の素となるGPSのrawデータですが,その性能は精度とダイナミクスの
トレードオフで決まります.

まず精度ですが,rawデータに含まれる雑音を減らすためには,平滑化の時間を
長くすればするほど有効です.

一方,受信機と衛星の距離は刻々と変化しており,これを追尾しなければなりません.
受信機側の動きが激しければ,それだけ短時間に距離の変化を推測する必要があります.

つまり,精度を高めるために平滑化の時間を長くすると,静止点や滑らかに
移動する受信機でしか信号が追尾できず,逆に高ダイナミクスの受信機で
信号を追尾しようとすると,平滑化の時間が短く,精度が劣化します.

したがって,受信機の設計では,想定される受信機のダイナミクスの
最大値に合わせて,平滑化の時間を決定することになります.

GPS受信機の主なユーザである歩行者や車は,通常は一定速度で移動すると
仮定できるため,信号追尾には2次の線形フィルタが広く使われます.
疑似距離を生成するために拡散コードの位相を追尾するフィルタを
DLL(Delay Locked Loop),精密測位に使われる搬送波位相を追尾する
フィルタをPLL(Phase Locked Loop)と呼びます.

線形フィルタでは,その次数のダイナミクスに対して定常偏差が残ってしまいます.
rawデータである距離は0次となるため,1次は速度,2次は加速度に相当します.

この定常偏差の大きさは,加速度とフィルタの帯域によって決まります.
帯域とは,ざっくりと平滑化時間の逆数だと考えてください.
つまり,帯域が狭いと平滑化の時間が長いことになります.

2次の線形フィルタでは,定常偏差は加速度に比例し,帯域の3乗に反比例します.
したがって,DLLまたはPLLに許容される定常偏差の大きさが与えられれば,
アプリケーションに応じた加速度の最大値に対して,帯域が求められます.

さて,通常の受信機が経験するであろう加速度は,せいぜい2G程度です.
この加速度に対応した帯域を求めると,DLLで1Hz以下,PLLで10Hz程度と
なります.

つまり,疑似距離は1秒以上平滑化され,搬送波位相は0.1秒ほど平滑化
されることになります.

このため,疑似距離においては1Hz以上,搬送波位相においては10Hz以上の
距離の変化は,平滑化されてダイナミクスとして意味をなさないことになります.

世の中には,測位結果やrawデータを50Hzや100Hzで出力する受信機が存在しますが,
サンプリングレートと帯域は別物です.これらの受信機で広帯域な観測が可能という
訳ではありません.出力頻度の高い受信機を利用して地震波や建築物の振動などを
観測しようとする研究もみられますが,GPS受信機のrawデータは,信号追尾の原理上,
帯域がそれほど広くないことに注意が必要です.
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色付きシルクスクリーンを試してみた

2014-03-24 22:15:00 | RTKLIB
最近出回っている白のレジストに色付きのシルクスクリーンの基板を
自分でも作ってみたくなり,安く製造してくれるメーカを探してみました.

OSQZSS: Fancy colored silkscreen PCB

結果的に格安基板の価格では到底無理で,10枚程度作るのであれば,
送料込みで$150あたりが相場のようです.

内訳を見ると,ツーリングに$80程度と半分以上を占め,基板1枚の価格は$2程度です.
あとは,レジストやシルクの色のオプションに$10,送料に$20といったところでしょうか.

P板よりは安いのですが,趣味で作るにはやや高価です.

しかも,色付きのシルクスクリーンは,仕上がりの色合いが想像できません.
いくつかのメーカに見積りを依頼する際に,仕上がりのサンプル写真があれば
見せてもらえないかとお願いしたのですが,見事にスルー.

そんな中で,Project PCBは対応がとても丁寧でした.
さらに,色付きのシルクスクリーンを試すために,白レジストの同じ基板であれば,
シルクスクリーンの色はいくつ選んでも追加料金なしというオーファーをいただきました.

価格で躊躇していたのですが,セールストーク?に誘惑されて,物は試しと発注してみることに.

試験的な基板だから実用的なものが良いなと,LEA-4Tのbreakout boardにジャンパを追加して,
格安LEA-6Tにも対応した基板を急遽設計.実働8日+FedExで,2週間ほどで到着しました.



シルクスクリーンが原色のきつい色だったら嫌だなと心配していたのですが,
白いレジストのおかげで,柔らかいパステルカラー調になっています.
やや欠けたり掠れたりしていますが,問題のない仕上がりです.

格安基板と比較すると高価な買い物ですが,ちょっと変わった基板を作りたい方に
Project PCBはお勧めです!

【追記】基板を発注した勢いで,以前から試してみたかった格安ステンシルを
OSH Stencilsに発注.

金曜日に発注したら,土曜日にシッピングという早さ.
Standard First Class Mailを選びましたが,1週間ほどで届きました.



【追記2】aitendoのソルダペーストも在庫が復活していた.

aitendo: ソルダペーストはんだ[XG-50]
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BeagleBoneでPPP

2014-03-23 18:40:12 | RTKLIB
BeagleBoneで動作するRTKLIBで単独測位は確認できたので,
IGS Real-Time Serviceの精密歴を使ってPPPを試してみます.

基本的には,ここで試したRTKNAVIの設定を,そのまま使います.
Roverには,単独測位と同様にMGEXのCHOFを選びました.

inpstr3-pathにCorrectionのストリームを指定します.
ここでは,rt.igs.orgのIGS01を使います.

inpstr1-type =ntripcli # (0:off,1:serial,2:file,3:tcpsvr,4:tcpcli,7:ntripcli,8:ftp,9:http)
inpstr2-type =off # (0:off,1:serial,2:file,3:tcpsvr,4:tcpcli,7:ntripcli,8:ftp,9:http)
inpstr3-type =ntripcli # (0:off,1:serial,2:file,3:tcpsvr,4:tcpcli,7:ntripcli,8:ftp,9:http)
inpstr1-path =user:password@mgex.igs-ip.net:2101/CHOF7
inpstr2-path =
inpstr3-path =user:password@rt.igs.org:2101/IGS01
inpstr1-format =rtcm3 # (0:rtcm2,1:rtcm3,2:oem4,3:oem3,4:ubx,5:ss2,6:hemis,7:skytraq,8:sp3)
inpstr2-format =rtcm3 # (0:rtcm2,1:rtcm3,2:oem4,3:oem3,4:ubx,5:ss2,6:hemis,7:skytraq,8:sp3)
inpstr3-format =rtcm3 # (0:rtcm2,1:rtcm3,2:oem4,3:oem3,4:ubx,5:ss2,6:hemis,7:skytraq,8:sp3)


Positioning Modeはppp-kin,衛星システムはGPSのみとしました.
ver 2.4.2で実装されたambiguity resolutionのオプションはoffにしています.

pos1-posmode =ppp-kine # (0:single,1:dgps,2:kinematic,3:static,4:movingbase,5:fixed,6:ppp-kine,7:ppp-static)
pos1-frequency =l1+l2 # (1:l1,2:l1+l2,3:l1+l2+l5)
pos1-soltype =forward # (0:forward,1:backward,2:combined)
pos1-elmask =15 # (deg)
pos1-snrmask =0 # (dBHz)
pos1-dynamics =off # (0:off,1:on)
pos1-tidecorr =on # (0:off,1:on)
pos1-ionoopt =dual-freq # (0:off,1:brdc,2:sbas,3:dual-freq,4:est-stec)
pos1-tropopt =saas # (0:off,1:saas,2:sbas,3:est-ztd,4:est-ztdgrad)
pos1-sateph =brdc+ssrapc # (0:brdc,1:precise,2:brdc+sbas,3:brdc+ssrapc,4:brdc+ssrcom)
pos1-exclsats = # (prn ...)
pos1-navsys =1 # (1:gps+2:sbas+4:glo+8:gal+16:qzs+32:comp)
pos2-armode =off # (0:off,1:continuous,2:instantaneous,3:fix-and-hold)


これでPPPの準備が整いました.設定ファイルのppp_bb.confをここに置いておきます.
忘れずにntpdateでBeagleBoneの時計を設定した後に,rtkrcvを実行します.

ubuntu@arm:~/rtklib_2.4.2/app/rtkrcv/gcc$ ./rtkrcv -o ppp_bb.conf

ホスト側のrtkplotに接続すると,PPPの測位結果が表示されます.

 (クリックで拡大)

ばらつきは小さいのですが,CHOFのアンテナ位置から1mほど離れており,
少しずつその方向へ移動しています.しばらく放置すれば収束するのかな?

CHOFのアンテナ位置は,MGEX station listFTPサイトからダウンロードできます.

ついでに,htopでCPU usageを調べてみました.
rtkrcvは,10%も使っていないようです.全然余裕があります.

 (クリックで拡大)

【追記】PPPの結果に1mもオフセットがあるのは,MGEXのlogで提供されている
アンテナ位置が不正確なのかもしれないと思い,小金井の電子基準点を使って,
RTKPOSTでCHOFのアンテナ位置を求めてみました.

RTKPLOTの表示は,デフォルトで最初の測位解がプロットの中心になりますが,
これをCHOFの座標に固定します.

まず,RTKPLOTのOptionsを開き,Receiver PositionにLat/Lon/Hgを選択し,
その隣のコラムにMGEXが提供しているCHOFのアンテナ位置を入力します.
さらに,Coordinate OriginにLat/Lon/Hgを選びます.
これで,プロットの中心がCHOFのアンテナ位置になります.

 (クリックで拡大)

RTKPOSTの結果を表示してみると,測位結果自体は98%のFIX率で数cm以内に
収まっていますが,MGEXのアンテナ位置からは,経度方向にのみに45cmの
オフセットがあります.

 (クリックで拡大)

ちょっと大きなオフセットですね.経度方向のみというのも気になる…
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BeagleBoneでUARTの追加

2014-03-22 09:55:44 | RTKLIB
LEA-4Tの基板はBeagleBoneにUSBで接続できるのですが,UARTでも接続してみたいので,
マイコン工作入門の記事を参考にttyO2とttyO4を追加してみました.
Ubuntuのバージョンは13.10です.

 (クリックで拡大)

なぜか/sysへの書き込みは,sudo echoではパーミッションエラーが出てしまうので,
sudo suでrootになってから実行しています.

さて,このままでは電源を入れる度にttyO2とttyO4を作成しなければなりません.
そこで,bootのパーティションに入っているuEnv.txtに以下のラインを追加します.

optargs=capemgr.enable_partno=BB-UART2,BB-UART4

このパーティションのフォーマットはFATなのでWindowsでも普通に開けるのですが,
Windows上でuEnv.txtを編集すると,BeagleBoneがSDから起動できなくなりました.

Ubuntuで編集すると問題なし.DOSとUNIXの改行コードの違い?

 (クリックで拡大)
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BeagleBoneでWi-Fi

2014-03-21 18:49:00 | RTKLIB
屋外でもntripにアクセスできるように,BeagleBoneに無線LANアダプタを接続.

Buffalo: WLI-UC-GNM

Adafruitのtutorialに従ってセットアップしてもangstromではまったく動作せず,
おとなしく諦めてubuntu 13.10をインストール.

こちらの記事を参考にwlan0でIPアドレスが取得できたのだが,
しばらくするとrt2x00usb_vender_requestのエラーが発生してubuntuが停止してしまう.

 (クリックで拡大)

Googleで検索すると,同じような現象がいくつか報告されているものの,
適切な解決法は発見できず挫折…

【追記】外部電源を接続しないとwifi接続は不安定になるというコメントは
良くみかけたので,USBと一緒に5Vの外部電源を接続していた.
しかし,同時に接続したら,どちらが優先されるのか疑問に思い,
BeagleBoneの電源コントローラであるTPS65217bのデータシートをチェック.
そうしたら,両方接続されているときは外部電源優先と書かれていた.
それはそうだろうな.

そんな折に,こんな記事を発見.

Beagleboard Rev C3 USB EHCI Controller Trouble

外部電源から電力が供給されても,基板側の問題で十分な電流が確保できて
いないのだろうか?

半信半疑で,外部入力付きのUSBハブを介して無線LANアダプタを接続.
これであれば,BeagleBoneの基板に関係なく電力が供給できる.



いまのところ,安定して通信ができています.
これが正解?

【追記2】Googleのフォーラムでも似たようなことが議論されているけど,結局原因不明.

BeagleBone USB A port extension cable/hub problem

USBの延長ケーブルを付けるだけで問題が解決するようなことも書いてある.
本当かと疑いながらも,USBハブに外部電源なしで接続してみたら問題なく動く.
電源の問題ではない?

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SDカードのバックアップ

2014-03-19 21:43:39 | RTKLIB
BeagleBoneでRTKLIBが動くようになったので,ここから作業を進める前に
SDカードのバックアップを取っておくことにしました.

マイコン工作入門の記事で,ddrescueを使うと良いとアドバイスがあったので,
試してみます.

SDカードのバックアップは,ubuntuをインストールしているPCで行いました.
まず,ddrescueをインストールします.

$ sudo apt-get install gddrescue

次に,バックアップを取るSDカードをPCのカードリーダに挿入します.
自動的にマウントされるので,デバイス名をfdiskで確認します.

$ sudo fdisk -l

例えば,ここでは/dev/mmcblk0としてマウントされています.

Disk /dev/mmcblk0: 3991 MB, 3991928832 bytes
255 heads, 63 sectors/track, 485 cylinders, total 7796736 sectors
Units = sectors of 1 * 512 = 512 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
Disk identifier: 0x00000000

Device Boot Start End Blocks Id System
/dev/mmcblk0p1 * 63 144584 72261 c W95 FAT32 (LBA)
/dev/mmcblk0p2 144585 7132859 3494137+ 83 Linux

このSDカードのイメージを,バックアップのファイルにコピーします.

$ sudo ddrescue /dev/mmcblk0 /path/to/backup.img

バックアップされたイメージを新しいSDカードに書き込むためには,
次のコマンドを実行します.

$ sudo ddrescue --force /path/to/backup.img /dev/mmcblk0
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BeagleBoneでMGEXにアクセス

2014-03-18 06:32:41 | RTKLIB
BeagleBoneで動くRTKLIBでRTKやPPPを試す前に,まずはMGEXの観測局に
ntripでアクセスして,単独測位を試してみます.

基本的には,PC上でRTKNAVを実行するのと同じことをrtkrcvの設定ファイルで
指定します.

OSQZSS: MGEXにアクセス

ユーザ登録がまだの方は,BKGのサイトからIGS-IPのアカウントを申請してください.

GNSS Data Center: User Registration for Ntrip Broadcasters

LEA-4Tを接続した単独測位では,UBXフォーマットをシリアルで入力していますが,
ここではntrip clientとして,RTCMフォーマットのデータを受け取ります.
ntripのcasterとしては,mgex.igs-ip.netのCHOF7を選択しました.

inpstr1-type =ntripcli # (0:off,1:serial,2:file,3:tcpsvr,4:tcpcli,7:ntripcli,8:ftp,9:http)
inpstr1-path =user:password@mgex.igs-ip.net:2101/CHOF7
inpstr1-format =rtcm3 # (0:rtcm2,1:rtcm3,2:oem4,3:oem3,4:ubx,5:ss2,6:hemis,7:skytraq,8:sp3)

inpstr1-pathのuserとpasswordには,IGS-IPのuser nameとpasswordをタイプしてください.

出力は,前回と同様にtcpsvrで出力し,Ethernet経由でホスト側のrtkplotで表示します.

outstr1-type =tcpsvr # (0:off,1:serial,2:file,3:tcpsvr,4:tcpcli,6:ntripsvr)
outstr1-path =localhost:52001
outstr1-format =llh # (0:llh,1:xyz,2:enu,3:nmea)

ひとつ注意が必要なのが,BeagleBoneの時計です.
BeagleBoneにはリアルタイムクロックが搭載されていません.
そのため,電源を投入するたびにデフォルトの時刻に戻ってしまいます.

一方,rtkrcvは,時刻の初期化をBeagleBoneの時計によって行います.
rtkrcvのstatusコマンドで確認すると,現在時刻とかけ離れた時刻が表示されます.
そして,この時刻と比較して,取得した航法歴が正常かどうか判断します.
そのため,異常な航法歴と判断され,いつまでたっても測位できない状態になります.

 (クリックで拡大)

リアルタイムクロックを外付けすれば良いのですが,とりあえずntpを使って
BeagleBoneの時計を設定することにします.

root@beaglebone:~# /usr/bin/ntpdate pool.ntp.org

これでrtkrvcを実行すれば,現在の時刻に初期化され,単独測位が実施されます.
設定ファイル名はsingle_bb.confとしてここに置いておきます.

root@beaglebone:~# ./rtkrcv -o single_bb.conf

ホスト側のrtkplotに接続すると,調布の基準局が表示されます.





さて,次はIGS Real-Time Serviceに接続して,PPPを試そう.
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WinSCPでBeagleBoneにファイル転送

2014-03-17 12:43:54 | RTKLIB
慣れないviエディタを使ってBeagleBoneで作業をするのは
ストレスが溜まるので,ホストのPC側で設定ファイルを編集し,
BeagleBoneに転送することにしました.

SSHのクライアントとして,WinSCPを使います.
BeagleBoneにログインするために,Host nameにIPアドレスを指定します.
User nameはroot,Passwordは空欄になります.
ProtocolはデフォルトのSFTPを選びます.

 (クリックで拡大)

ここでSaveをクリックすると,Sessionの設定を保存できます.

Loginをクリックすると,初回はサーバのhost keyが見つからないと警告がでます.
ここはYesをクリックして先に進みます.

ログイン画面でPasswordの入力を求められますが,ここは空欄のままOKをクリックします.

 (クリックで拡大)

ログインに成功するとWinSCPの左側にホストPC,右側にBeagleBoneのコンテンツが
表示されます.

 (クリックで拡大)

後は,任意のファイルをdrag & dropするだけで転送できます.

また,ファイルをダブルクリックするとエディタが開き,BeagleBoneのファイルを
ホスト側で直接編集することができます.

 (クリックで拡大)
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格安LEA-6Tの実力チェック

2014-03-16 17:15:43 | ロケット
皆大好きu-blox社のGPS受信機モジュールLEA-6Tですが,
Aliexpressという中国のオンラインショップで$40以下という
格安品が見つかります.

Aliexpress: New original FLASH version of LEA-6T-1-001 GPS high precision timing module

ちなみに,u-blox社のオンラインショップでの価格は$199.
5分の1以下の価格で,本物なのかと疑いたくなるレベルです.

その実力を確認するために,格安LEA-6Tが搭載されたHPA_Navi IIを
@HirakuTOIDAさんにお借りして,GPSシミュレータで試験してみました.

シミュレーションのシナリオは,高高度気球に搭載するモジュールを
試験した際に作成したものを使います.

OSQZSS: u-blox for HAB

LEA-6Tの測位モードは,もちろんairborne!
このモードで測位解が保証される高度は,カタログで50kmとなっていますが,
格安版でも前回の試験と同様に高度80kmまで測位解を出力し続けています.

 (クリックで拡大)

RAWデータの方も,測位フラグがNo Fixとなっても,出力され続けています.
後処理で測位演算を行ってみると,シミュレータのシナリオ通りに高度100kmまで
測位結果が得られます.

 (クリックで拡大)

どうやら,正規ルートで入手するモジュールと遜色のない性能が出るようです.
u-bloxのGPS受信機も8シリーズが発売され,そろそろ6シリーズも生産が終わる
かもしれません.今のうちに格安LEA-6Tを確保しておくべきでしょうか.

ついでに,breakout boardに実装したLEA-4Tの動作も確認してみました.
こちらもカタログスペックを超えて,さらに高度100kmまで測位結果を出力します.

 (クリックで拡大)

【追記】LEA-6Tには,LEA-6T-0とLEA-6T-1の2種類があります.
違いはファームウエアが保存されているメモリがROMかFlashかということ.
そのため,LEA-6T-0はファームウェアの更新ができません.

しかし,ファームウェアはROMであっても,受信機の設定を記録するためのシリアルFlashを
別途搭載しています.そのため,設定の書き換えは可能で,電源を落としても保持されます.

また,Flash版のLEA-6T-1のファームウェアはユーザで更新できず,メーカに送り返さなければなりません.
いまさら新しいファームウェアもでないでしょうし,高価なLEA-6T-1を選択する積極的な理由はないと思います.

u-blox: Firmware update GPS/GNSS receivers: u-blox 6
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BeagleBone(無印)でRTKLIB

2014-03-15 15:24:44 | RTKLIB
BeagleBone Blackの在庫がまったく復活する兆しがないので,
とりあえず手元にあるBeagleBoneでRTKLIBを動かしてみました.

まずは,Adafruitのチュートリアルにしたがって,USBシリアル経由でログイン.
さらにEthernetの確認をします.

Adafruit learning system: BeagleBone Tutorials for the TI embedded Linux board



BeagleBoneは,ルータを介してLANに接続.ifconfigでチェックすると
eth0のIPアドレスに192.168.1.25がアサインされていました.

Tera Termを使って,Ethernet経由でもログインできます.

 (クリックで拡大)

USBシリアルと同様に,user nameはroot,パスワードは空欄です.

 (クリックで拡大)

マイコン工作入門の記事ではubuntuをインストールしていますが,
ここではこのままデフォルトのAngstromでRTKLIBを動かしてみます.

まずは,RTKLIB 2.4.2のソースコードをダウンロードします.

root@beaglebone:~# wget http://www.rtklib.com/prog/rtklib_2.4.2.zip

unzipもgccもAngstromのディストリビューションに含まれているため,
追加でインストールするツールは特にありません.
そのままソースコードを展開してコンパイルできます.

root@beaglebone:~# unzip rtklib_2.4.2.zip
root@beaglebone:~# cd rtklib_2.4.2/app
root@beaglebone:~# chmod 755 makeall.sh
root@beaglebone:~# ./makeall.sh

コンパイルは30分ほどで問題なく終了.
これで,BeagleBoneで動作するrtkrcvが出来ました.

次に,このために準備したLEA-4Tのbreakout boardをBeagleBoneのUSBホストに接続します.
LEA-4Tは,UBXフォーマットでRAWデータのRXM-RAWと,航法メッセージのRXM-SFRBが
出力されるように,u-centerで事前に設定しておきます.



マイコン工作入門の記事では,一旦BeagleBoneの電源を落としてから
受信機を接続し,電源を入れなおさないと認識してくれないようですが,
AngstromではBeagleBoneの電源が入っている状態で接続しても問題なく
ttyACM0として繋がります.また,シリアルポートもすべて認識されているようです.

 (クリックで拡大)

LEA-4Tが繋がりましたので,rtkrcvの入力としてUBXフォーマットを設定します.
rtkrcv.confの設定はマイコン工作入門の記事とまったく同じです.

ファイルの編集にはviエディタを使いました.
あまりにも懐かしくて,ほとんど操作を覚えていません.
viエディタの基本的な使い方を参考にrtkrcv.confを編集します.

rtkrcvから実行されるrtkstart.shとrtkshut.shの属性も実行可能にしておきます.

root@beaglebone:~# chmod 755 rtkstart.sh
root@beaglebone:~# chmod 755 rtkshut.sh

これで準備が整いましたので,rtkrcvを実行します.

root@beaglebone:~# ./rtkrcv

rtkrcvのrtk serverは,startコマンドで開始,shutdownで終了します.

rtkrcvで計算された測位結果はtcpsvrに出力され,Ethernet経由でWindows上の
rtkplotでモニタできます.

まず,rtkplotのFileから,Connection Settingsを開きます.

 (クリックで拡大)

ここで,Stream TypeにTCP Clientを,Solution FormatにLLHを選びます.



さらに,OptボタンクリックしてTCP Client Optionsを開き,
TCP Server AddressとPortを適切に設定します.



接続の設定後,FileからConnectで接続すると,測位結果の描画か開始されます.





オフィスの窓からアンテナを出しているため,測位精度は相変わらずですが,
無事にBeagleBoneでRTKLIBを動かすことができました.

ネットワークにも繋がっているので,次はMGEXのリアルタイム配信を基準局にして
RTKを試してみよう.

MGEXネットワークの一覧を見てみると,一番近いのはCHOFかな.
それでも数十kmは離れているので,1周波のRTKは厳しそう.

さらに条件は厳しいけれど,IGSのReal-Time Serviceに接続してPPPも試してみたい.

【追記】WiFiで無線LAN接続してみたいけれど,どうやら一筋縄ではいかないらしい.
USBアダプタにも当たりハズレがあるようだ.BuffaloのWLI-UC-GNMで成功が報告されているので,
amazonで注文.800円だから,ハズレてもまあいいや.

amazon.co.jp: BUFFALO 無線LAN子機 コンパクトモデル 11n技術・11g/b対応 WLI-UC-GNM

OSもAngstromよりもubuntuの方が相性が良いらしい.RTKLIBが動いているSDカードはこのまま
残しておきたいので,ubuntu用に4GBのmicroSDカードも注文します.

amazon.co.jp: Transcend microSDHCカード 4GB Class10 (無期限保証) TS4GUSDHC10
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