久しぶりに衛星軌道推定のコードを書いている.
軌道推定のアルゴリズム自体は問題ないのだけれど,
提供されたGNSS測位データに外れ値が多くて,その処理に困っている.
人の目で見るとすぐに判るようなデータでも,数値的に除去しようとするとなかなか上手くいかない.
画像認識みたいに,AIを利用して外れ値を効果的に検出できたりしないのかな.
軌道推定のアルゴリズム自体は問題ないのだけれど,
提供されたGNSS測位データに外れ値が多くて,その処理に困っている.
人の目で見るとすぐに判るようなデータでも,数値的に除去しようとするとなかなか上手くいかない.
画像認識みたいに,AIを利用して外れ値を効果的に検出できたりしないのかな.

いまさらながら,走行税なるものを知った.
NHK News Web:1000キロで5000円? 走行税の実態は
ニュージーランドですでに導入されており,RUC(Road User Charges)と
呼ぶらしい.
いまのところ,タイヤに取り付けられた回転計で,移動距離に対して
課税しているようだ.
これをGNSSを用いて,距離だけではなく,移動経路に応じた課税を
検討しているらしい.
ヨーロッパでもGalileoを利用して同じようなシステムを検討している
ようだ.
スマートフォンにシェアを奪われてしまい,瀕死のGNSS受信機モジュール
業界だけれども,すべての車にGNSSベースのモニタの搭載が必須となれば,
また状況が変わってくるかもしれない.
その反面,GNSS信号のジャミングやspoofingなどのセキュリティも,
かなり現実的な課題になりそうだ.
税制としての賛否はともかく,GNSSを応用したシステムとしては
技術的にとても興味があるので,動向を注視しておこう.
NHK News Web:1000キロで5000円? 走行税の実態は
ニュージーランドですでに導入されており,RUC(Road User Charges)と
呼ぶらしい.
いまのところ,タイヤに取り付けられた回転計で,移動距離に対して
課税しているようだ.
これをGNSSを用いて,距離だけではなく,移動経路に応じた課税を
検討しているらしい.
ヨーロッパでもGalileoを利用して同じようなシステムを検討している
ようだ.
スマートフォンにシェアを奪われてしまい,瀕死のGNSS受信機モジュール
業界だけれども,すべての車にGNSSベースのモニタの搭載が必須となれば,
また状況が変わってくるかもしれない.
その反面,GNSS信号のジャミングやspoofingなどのセキュリティも,
かなり現実的な課題になりそうだ.
税制としての賛否はともかく,GNSSを応用したシステムとしては
技術的にとても興味があるので,動向を注視しておこう.
総務省の電波利用ホームページで,実験試験局の免許情報を検索すると,
GPS L1信号の周波数(1575.42MHz)で,三菱電機の赤穂試験場が表示されます.
総務省:電波利用ホームページ
(クリックで拡大)
国内で唯一,GPS L1信号の帯域で電波を発信でき,ジャミングやスプーフィングなどの
電波干渉実験をオープンフィールドで実施できる無線局になります.
GPS L1信号の周波数(1575.42MHz)で,三菱電機の赤穂試験場が表示されます.
総務省:電波利用ホームページ

国内で唯一,GPS L1信号の帯域で電波を発信でき,ジャミングやスプーフィングなどの
電波干渉実験をオープンフィールドで実施できる無線局になります.
gps-sdr-simのstarが1,000に到達.
当初の開発目的とは随分と違う分野で活用されているけれど,
お役に立てたようでなにより.
しばらく放置していたけれど,折角なので何か記念に機能を拡張しようと,
準天頂衛星の新しい信号であるL1C/Bを追加してみました.
L1C/BはQZS5号機以降に追加予定の新しい信号で,GPSのL1C/Aコードに
サブキャリアを重畳したBOC(1,1)信号です.
神奈川工科大学 情報工学科 ブログ:2019年度測位航法学会全国大会参加報告とQZSSの最新動向
L1Cではダメなの?という疑問はさておき,サブキャリアを追加するだけなので,
シミュレータ側の対応はとても簡単.スペクトルを確認すると,ちゃんとGPS信号の
中心周波数を避ける形になっています.

L1C/AとL1C/Bの相互相関も,スペクトルのように+/-0.5チップのところに
電力を半分に分けたような波形になります.確かにGPS信号との干渉はある程度
改善されるのだろうけど,素直にL1Cに対応すること以上の利点は感じられない
というのが正直な感想.
当初の開発目的とは随分と違う分野で活用されているけれど,
お役に立てたようでなにより.
しばらく放置していたけれど,折角なので何か記念に機能を拡張しようと,
準天頂衛星の新しい信号であるL1C/Bを追加してみました.
L1C/BはQZS5号機以降に追加予定の新しい信号で,GPSのL1C/Aコードに
サブキャリアを重畳したBOC(1,1)信号です.
神奈川工科大学 情報工学科 ブログ:2019年度測位航法学会全国大会参加報告とQZSSの最新動向
L1Cではダメなの?という疑問はさておき,サブキャリアを追加するだけなので,
シミュレータ側の対応はとても簡単.スペクトルを確認すると,ちゃんとGPS信号の
中心周波数を避ける形になっています.

L1C/AとL1C/Bの相互相関も,スペクトルのように+/-0.5チップのところに
電力を半分に分けたような波形になります.確かにGPS信号との干渉はある程度
改善されるのだろうけど,素直にL1Cに対応すること以上の利点は感じられない
というのが正直な感想.
MOMO3号機の打ち上げ成功,おめでとうございます!
今回,高度100kmのカーマンラインを超え,宇宙に到達したわけですが,
この高度を計測したのが,MOMOに搭載されたFirefly GNSS受信機です.

これまでの大型ロケットの打ち上げでは,ロケットが計画通りの
コースを飛行しているのか監視する飛行安全業務のために,
専用の地上観測レーダを用いていました.
しかし,維持のためのコストが膨大なレーダ局を廃止して,
代わりにGPS/GNSSを利用するのが世界的な流れになっています.
また,小型ロケットを開発しているベンチャー企業が自前の
レーダ局を持つことも難しいため,ロケット搭載用GNSS受信機は
MOMOなどの小型ロケットを安全に飛行させるために必須の技術となります.
MOMOには,2台のFireflyが搭載されているようです.エンジンの動画や
写真に比べると,ほとんど情報のないMOMOのアビオニクスですが,
@katogomaさんのtwitterに1号機の写真が投稿されています.

Fireflyが提供するロケットの位置情報は,テレメトリとして地上局に
送られます.地上局では,この情報をもとに,「いまエンジンを停止した
ときにロケットが落下する位置」をリアルタイムで計算します.
この落下位置予測のことをIIP(Instantaneous Impact Point)と呼びます.
地上局では,このIIPが飛行安全区域内であることを常に監視しています.
IIPが飛行安全区域外に出るようなことがあれば,エンジンを緊急停止し,
強制的に安全区域内にロケットを落下させます.
Qiita: ロケットの瞬間落下点の計算(OpenVerne)
何事もなく,無事にエンジンの燃焼が終われば,観測ロケットであるMOMOは
自由落下になります.そうなれば,もう飛行経路を制御することはできませんので,
飛行安全の役目も終わりです.
しかし,地球周回の衛星打ち上げを目指すZEROでは,さらにペイロードを
希望する軌道に投入するために,最上段の誘導制御が必要になります.
当然,このときにもロケットの位置情報は必須となります.
MOMOの飛行安全に加えて,ZEROの誘導制御でもFirefly GNSS受信機が
活躍してくれることを期待しています.
【追記】アビオニクスの情報が少ないと書いたら,超電磁Pに叱られた.
トランジスタ技術2019年1月号を読もう!

今回,高度100kmのカーマンラインを超え,宇宙に到達したわけですが,
この高度を計測したのが,MOMOに搭載されたFirefly GNSS受信機です.

これまでの大型ロケットの打ち上げでは,ロケットが計画通りの
コースを飛行しているのか監視する飛行安全業務のために,
専用の地上観測レーダを用いていました.
しかし,維持のためのコストが膨大なレーダ局を廃止して,
代わりにGPS/GNSSを利用するのが世界的な流れになっています.
また,小型ロケットを開発しているベンチャー企業が自前の
レーダ局を持つことも難しいため,ロケット搭載用GNSS受信機は
MOMOなどの小型ロケットを安全に飛行させるために必須の技術となります.
MOMOには,2台のFireflyが搭載されているようです.
写真に比べると,ほとんど情報のないMOMOのアビオニクスですが,
@katogomaさんのtwitterに1号機の写真が投稿されています.

Fireflyが提供するロケットの位置情報は,テレメトリとして地上局に
送られます.地上局では,この情報をもとに,「いまエンジンを停止した
ときにロケットが落下する位置」をリアルタイムで計算します.
この落下位置予測のことをIIP(Instantaneous Impact Point)と呼びます.
地上局では,このIIPが飛行安全区域内であることを常に監視しています.
IIPが飛行安全区域外に出るようなことがあれば,エンジンを緊急停止し,
強制的に安全区域内にロケットを落下させます.
Qiita: ロケットの瞬間落下点の計算(OpenVerne)
何事もなく,無事にエンジンの燃焼が終われば,観測ロケットであるMOMOは
自由落下になります.そうなれば,もう飛行経路を制御することはできませんので,
飛行安全の役目も終わりです.
しかし,地球周回の衛星打ち上げを目指すZEROでは,さらにペイロードを
希望する軌道に投入するために,最上段の誘導制御が必要になります.
当然,このときにもロケットの位置情報は必須となります.
MOMOの飛行安全に加えて,ZEROの誘導制御でもFirefly GNSS受信機が
活躍してくれることを期待しています.
【追記】アビオニクスの情報が少ないと書いたら,超電磁Pに叱られた.
トランジスタ技術2019年1月号を読もう!

黒海などで発生しているGPS信号の異常は,ロシアによるspoofingであろうと
疑われていましが,その詳細を解析したレポートが公開されました.
Center of Advanced Defense: Above Us Only Stars

衛星軌道からspoofing信号のドップラー測位をすることで,その信号源を
特定するなど,テクニカルにもとても興味深いレポートです.
疑われていましが,その詳細を解析したレポートが公開されました.
Center of Advanced Defense: Above Us Only Stars

衛星軌道からspoofing信号のドップラー測位をすることで,その信号源を
特定するなど,テクニカルにもとても興味深いレポートです.
今日は2度目のGPS Week Number rolloverの当日です.
qzss.go.jp:4月7日(日本時間)に2度目の「GPS週数ロールオーバー」
RAPIS-1に搭載されたFireantも,特別に日をまたぐ運用をしていただき,
軌道上でのログを取得しています.データがダウンリンクされるのが
楽しみです.
それと同時に,地上でもEMを使用してモニタリングも実施しました.
GPS信号シミュレータで問題がないことは確認しているものの,
不安は残ります.
(クリックで拡大)
NMEAの世界標準時で2019年4月6日23時59分42秒を過ぎても,
何事もなく測位を続けられることを確認.想定通りの動作で
まずは一安心です.
【追記】ポケモンGOで不具合が発生しているらしい.
GPS週数ロールオーバーとの関連は不明.
(クリックで拡大)
qzss.go.jp:4月7日(日本時間)に2度目の「GPS週数ロールオーバー」
RAPIS-1に搭載されたFireantも,特別に日をまたぐ運用をしていただき,
軌道上でのログを取得しています.データがダウンリンクされるのが
楽しみです.
それと同時に,地上でもEMを使用してモニタリングも実施しました.
GPS信号シミュレータで問題がないことは確認しているものの,
不安は残ります.

NMEAの世界標準時で2019年4月6日23時59分42秒を過ぎても,
何事もなく測位を続けられることを確認.想定通りの動作で
まずは一安心です.
【追記】ポケモンGOで不具合が発生しているらしい.
GPS週数ロールオーバーとの関連は不明.

@HirakuTOIDAさんからの情報.
やってくれるぜ,MAXIM!
ZynqベースのGNSS受信機開発に,俄然やる気が出た.
MAXIM: MAX2771 Multiband Universal GNSS Receiver
やってくれるぜ,MAXIM!
ZynqベースのGNSS受信機開発に,俄然やる気が出た.
MAXIM: MAX2771 Multiband Universal GNSS Receiver