GPS信号シミュレータが微弱無線局として運用できるかどうか確認するために,
EMC試験用の電波暗室をお借りして電界強度を測定してきました.
電界強度の測定には,総務省の定める測定方法を参考にしています.
総務省:著しく微弱な電波を発射する無線局の電界強度の測定方法を定める件
この測定方法では,アンテナを地上から1.5mの高さに設置することに
なっているので,簡易的にダンボール箱でテーブルを作りました.
計測用のアンテナは,ホーンアンテナを使います.
ひとつ問題なのが,電波暗室のノイズフロアが40dBμV/mということもあり,
35μV/m(30.8dBμV/m)の電界強度を直接計測することはできません.
そこで,アンテナから50cmの距離で計測して,それを3mの距離に換算する方法と,
3mの距離から減衰器なしで計測する2つの方法で確認しました.
まずは,実際にGPS信号シミュレータを使うときと同じように,30dBの減衰器を
付けた状態で,50cmの距離から電界強度を計測します.距離で1/6ですので,
自由空間伝搬損失は1/36(-15.6dB)に改善されます.微弱無線の電界強度は
3mの距離で30.8dBμV/mですので,50cmの距離に換算すると46.4dBμV/mとなります.
このときの測定結果が,こちら.グリーンが水平,マゼンダが垂直の線形偏波で
計測した電界強度になります.
(クリックで拡大)
さすがにbladeRFから放射があるのか,広範囲でノイズフロアがやや高くなっています.
それでも,46.4dBμV/mを越えることはありません.
次に,3mの距離から,30dBの減衰器なしで計測します.この条件で,電界強度が
30.8+30=60.8dBμV/m以下であれば微弱無線の条件を満足していることになります.
測定結果は,こうなりました.
(クリックで拡大)
減衰器なしではGPS信号がはっきりと計測され,ピーク値で54.8dBμV/mでした.
これでも,まだ上限の60.8dBμV/mには6dBのマージンがあります.
今回の測定で,距離換算のケースと減衰器なしの計測,どちらも微弱無線の
電界強度を満足している結果となりました.いずれも換算の結果ですが,
GPS信号シミュレータを微弱無線として運用して問題なさそうです.
EMC試験用の電波暗室をお借りして電界強度を測定してきました.
電界強度の測定には,総務省の定める測定方法を参考にしています.
総務省:著しく微弱な電波を発射する無線局の電界強度の測定方法を定める件
この測定方法では,アンテナを地上から1.5mの高さに設置することに
なっているので,簡易的にダンボール箱でテーブルを作りました.
計測用のアンテナは,ホーンアンテナを使います.
ひとつ問題なのが,電波暗室のノイズフロアが40dBμV/mということもあり,
35μV/m(30.8dBμV/m)の電界強度を直接計測することはできません.
そこで,アンテナから50cmの距離で計測して,それを3mの距離に換算する方法と,
3mの距離から減衰器なしで計測する2つの方法で確認しました.
まずは,実際にGPS信号シミュレータを使うときと同じように,30dBの減衰器を
付けた状態で,50cmの距離から電界強度を計測します.距離で1/6ですので,
自由空間伝搬損失は1/36(-15.6dB)に改善されます.微弱無線の電界強度は
3mの距離で30.8dBμV/mですので,50cmの距離に換算すると46.4dBμV/mとなります.
このときの測定結果が,こちら.グリーンが水平,マゼンダが垂直の線形偏波で
計測した電界強度になります.
(クリックで拡大)
さすがにbladeRFから放射があるのか,広範囲でノイズフロアがやや高くなっています.
それでも,46.4dBμV/mを越えることはありません.
次に,3mの距離から,30dBの減衰器なしで計測します.この条件で,電界強度が
30.8+30=60.8dBμV/m以下であれば微弱無線の条件を満足していることになります.
測定結果は,こうなりました.
(クリックで拡大)
減衰器なしではGPS信号がはっきりと計測され,ピーク値で54.8dBμV/mでした.
これでも,まだ上限の60.8dBμV/mには6dBのマージンがあります.
今回の測定で,距離換算のケースと減衰器なしの計測,どちらも微弱無線の
電界強度を満足している結果となりました.いずれも換算の結果ですが,
GPS信号シミュレータを微弱無線として運用して問題なさそうです.