OSQZSS

オープンソース準天頂衛星(QZSS)受信機

BCM47755 L1/L5 GNSS chipset

2018-01-20 15:00:02 | Android
BroadcomのL1/L5対応GNSSチップセットであるBCM47755の
性能評価の記事が,GPS Worldにアップされている.

GPS World: Positioning with Android: GNSS observables

ゼロベースラインでdouble difference carrier phaseの
残差が8.6mmというのは大きすぎるし,システマティックな
変動も気になる.

精密測位のためのraw measurementsの品質は,アンテナに
よるところが大きい.マルチパスも同じように拾ってしまう
スマートフォンのアンテナでは,現実的ではないだろう.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Using GNSS Raw Measurements

2018-01-17 08:50:19 | Android
European GNSS Agency(GSA)のTask Forceが取りまとめていた
AndroidのGNSS Raw Measurementsに関するWhite Paperが公開された.

GSA: White Paper on using GNSS Raw Measurements on Android devices



精密測位に関する評価結果が見られるかと期待していたのですが,
残念ながら搬送波位相に関する情報はほとんどなし.

いずれにせよ,duty cycleのおかげで,サイクルスリップが
頻発しているので,ほぼ使い物にならない.

アンテナの性能も評価して欲しかったな.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

GNSS Raw Measurements Task Force

2017-10-14 18:10:14 | Android
European GNSS Agencyが,スマートフォンで取得できる
rawデータを評価をするために,タスクフォースを組織している.

その成果が下記サイトでそのうちに公開されるらしい.

GSA: GNSS Raw Measurements Task Force

これは楽しみ.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Nexus 9のアンテナ

2017-10-10 19:00:32 | Android
スマートフォンのアンテナについてネットで検索していると,
ときどきこんな図面がヒットする.

 (クリックで拡大)

これは何なのだろうと調べてみると,どうやらFCCへの申請書類のうち,
SAR(Specific Absorption Rate)の試験報告に記載されているようだ.

もしかして,Nexus 9のアンテナ配置についても情報が見つかるかもと
思い,FCCのデータベースを探してみました.

Nexus 9のラベルを見ると,FCCのプロダクトコードは「0P82100」の
ようです.



すでに許可がでているデバイスなので,FCCのEquipment Authorization
Searchからプロダクトコードを検索.見事にNexus 9の試験報告書を
発見できました.

FCC OET: Equipment Authorization Search

しかし,残念ながらNexus 9の試験報告書には,どこにもアンテナ配置が
記載されていませんでした…

それでも,iFixitよりも詳細な内部の写真が盛りだくさんだったり,
興味深い資料が沢山あります.自分のスマートフォンを検索して
みるのも楽しいかも.

【追記】FCCにあるなら総務省にもあるかなと思い,技適を受けた
機器の検索をしてみました.

総務省:技術基準適合証明等を受けた機器の検索

Nexus 9の技術基準適合証明番号は「005-100849」です.
ヒットはするのですが,有用な技術情報が何もない…
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Androidで精密測位

2017-10-08 12:12:12 | Android
Nexus 9で取得できる搬送波位相で果たして精密測位が可能なのか,
GPS信号シミュレータを使って実験してみました.



基準局の周りを移動局が半径100mの円を描くシナリオです.
FIXする個所もあるものの,高度方向に1mのオフセットが
生じるなど,いまひとつ.衛星数が少ないとまったくFIX
しません.

 (クリックで拡大)

 (クリックで拡大)

残差を見てみると,搬送波位相がドリフトしているのが
気になります.このままでは使いものにならないな.

 (クリックで拡大)

Geo++ RINEX Loggerの搬送波位相の生成にバグがあるかも
しれないので,本家GoogleのGPS Measurement Toolsでも
ログを取って比較してみよう.

GitHub: google / gps-measurement-tools / releases

【追記】GoogleのgnssloggerからRINEXファイルを生成しても,
結果は変わらず.受信環境が良くないのかな.

GPS信号シミュレータの信号を直接入力したいので,iFixitの
記事を参考にNexus 9を分解してみました.

iFixit: Nexus 9 Teardown

カバーは簡単に開いたけれど,リアカメラも一緒に外れてしまった.
まあ,カメラなんてどうでもいいけれど.



アンテナ基板とは,同軸1本で繋がっている.これで全部の信号を
受信しているらしい.


コネクタは何なのだろう?刻印を読んでみるとIPXと書いてある
ように見える.幅が2mmで高さが1mmなので,MHF5かな?



変換ケーブルを入手せねばなるまい.

【追記2】分解した中身をよく眺めてみると,アンテナ基板以外にも
アンテナらしきものがいくつもある.それらが基板と押しピンのような
もので接続されている.

どれがGNSSモジュールに繋がっているのか,基板を眺めるだけでは,
わからない.試しに,IPXのケーブルを引き抜いてみたら,それでも
測位ができた.どうやらこれじゃない.

ちなみに,この状態でWiFiにも接続できた.何のアンテナなんだ,これ?

【追記3】メイン基板の部分だけでも全部分解してみないとダメかな.

Fixez: How to Teardown the HTC Nexus 9
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

AndroidでRINEX

2017-09-07 08:17:51 | Android
GNSS RAWデータ対応のAndroid端末からRINEXファイルを
生成してくれるアプリが出ている.

Google Play: Geo++ RINEX Logger

Nexus 9で動作確認が取れているので,後で試してみよう.
BeiDou対応のHuawei P10を購入すべきなのだろうか.

【追記】久しぶりにNexus 9を起動.
最新のパッチで,GLONASS衛星番号のbugがfixされていた.



Geo++ RINEX Loggerは,ログの開始と停止しか機能がない.
受信している信号の強度やskyplotくらいは表示して欲しい.



RINEXファイルは問題なく生成できているようです.
Nexus 9なので,GPSとGLONASSのみ対応.



Geo++ RINEX Loggerの説明を読むと,ほぼすべてのAndroidデバイスで,
消費電力を節約するためにGNSS受信機はduty cyclingで動作しているらしい.
そのため,GPS信号を連続して追尾できず,搬送波位相にサイクルスリップが
多発するようだ.

唯一,このduty cyclingの機能を回避できるのはNexus 9だけらしい.
記録されたRINEXファイルをざっと眺めてみたけれど,搬送波位相の
cycle slip indicator flagは,ほぼ0になっている.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Raw GNSS Measurements from Android Phones

2017-06-28 22:03:26 | Android
AndroidのDeveloplersのサイトで,Raw GNSS Measurementsに
アクセス可能な端末の一覧がアップされました.

developer.android.com: Android devices that support raw GNSS measurements

これが全部ではないと思いますが,初のオフィシャルなサポート情報です.

Wi-Fi版(non cellular version)のNexus 9の購入は,とりあえず
正解だったようです.

GPS+GLONASS+Galileo+BeiDou対応で,かつ国内入手可能となると,
Huawei P10なのか.これは買いだ!

【追記】GnssMeasurementのAPIはこちら.

developer.android.com: reference/android/location/GnssMeasurement
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

AndroidでPPP

2017-05-20 14:36:51 | Android
高須さんのブログで,CNESがPPP-WizardのAndroid版を公開してることを知った.

Google Play: PPP WizLite

今のところ,搬送波位相の出力をサポートしていないNexus 5Xでしか動作を
確認していないようだ.それだとDGPSと大差ない気がするので,面白くない.
搬送波位相も取得できるNexus 9で試してみよう.

【追記】BlackDot GNSSにNexus 5Xでの測位結果が報告されていた.
疑似距離による測位なので,精度は1~2m程度.

BlackDot GNSS: PPP WizLite

【追記2】Nexus 9 Wi-Fiでは,屋外でネット接続が厳しかったので,
とりあえずLTE接続のNexus 5で試してみました.

CorrectionsとEphemerisは必須なので,IGSのリアルタイムプロダクト
利用することにします.すっかり接続方法を忘れていたので,過去記事を
参考に接続します.

2013年4月3日:IGS Real-Time Service

Ntrip casterはrt.igs.org,ポートは2101とします.Mountpointとして,
CorrectionsにはIGS01,EphemerisにはRTCM3EPHを選びます.





測位精度はともかく,Ntrip casterのアクセスは問題ないようです.



しかし,このアプリ,測位結果のログが残せないのね.
地図上で位置だけ表示されても,精度の評価ができないよ.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Android 7.1.1

2016-12-11 08:49:24 | Android
Android 7.1.1のOTAがNexus 9 Wi-Fiに届きました.
早速アップデートし,期待半分でGNSSのRAWデータを観測してみます.



やった!搬送波位相(AccumulatedDeltaRangeMeters)が取得できてる!

 (クリックで拡大)

Nexus 9が文鎮化しないですみました.これでしばらく遊べる.

GnssLoggerの出力に「CarrierPhase」もある.全部nullだけど.
「AccumulatedDeltaRangeMeters」との関係は不明.
GnssLoggerのソースを読んで勉強しないといけないな.

あと,GLONASSのIDがすべて100番台と変な値を出力している.
これはLocation APIのバグのようで,GNSS系のアプリでも
GLONASSが正しく認識できていない.



Nexus 5Xでも試したみたところ,こちらは正常値.
どうやらNexus 9特有のバグみたい.
とりあえずレポートしておこう.
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Nexus 9 Wi-Fi

2016-11-23 12:30:10 | Android
Android 7でGNSSのcarrier phaseを観測するために,
Nexus 9のWi-Fi版を買ってきました.

電源を入れてネットに接続すれば自動に更新が始まり,
Android 7へのアップデートはまったく問題なし.



早速,GnssLoggerをインストールしてraw measurementsの
ログを取ろうとしたのですが,測位結果しか出力されません…



やはりWi-Fi版ではダメなのか?
どなたかLTE版をお持ちでしたら,情報をください!

【追記】ROKUBUNの記事へのコメントを見ると,Nexus 9では
GPS_CAPABILITY_MEASUREMENTSがenableできないみたい.
これ,7.1では解消されるのかな?

【追記2】LTE版のスクリーンショットを見つけた.

南十字星からGNSS/地球を眺める:スマホGNSS Raw dataが前面に

これだけではraw measurementsが取れているのかどうか判らないけれど,
Wi-Fi版では受信できていないBeiDouが見えている.
やっぱりGNSSチップが違うんだ…

【追記3】Nexus 9のLTE版に使われているモデムチップの情報が
ぜんぜん見つからない.これが本当なら,Qualcommだ.

Wi-Fi版は,iFixitの情報からBroadcomと判る.
確かに,GNSSチップのBCM4752はBeiDouをサポートしていない.

【追記4】Todd Humphreysの論文だと,Galaxy S5に搭載された
BroadcomのGNSSチップからcarrier phaseを取得している.

Todd Humphreys, et al., "On the Feasibility of cm-Accurate Positioning via a Smartphone's Antenna and GNSS Chip"

Qualcommでなければダメという訳ではないみたい.
ちなみに,Galaxy S5のteardownをみると,GNSSチップはBCM47531のようだ.

結局,どの端末で何が取得できるのか,情報が少なすぎ.

【追記5】Nexus 9 LETのモデムチップ,これで正解?

androidcentral: Nexus 9 specs

QualcommのMDM9625Mとのこと.しかし,これだけではLTEの
モデムなので,LTE版でBeiDoutが受信できている説明にはならない.

同時期のRFチップを調べてみると,WTR1605あたりがそれらしい気がする.

anandtech: The State of Qualcomm's Modems - WTR1605 and MDM9x25
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする