ルビジウム原子時計故障時に観測されたみちびきの擬似距離データも
使用して,単独測位を実施してみました.JAXAのアナウンスによると,
7月28日の12:43(GPS時刻)に故障が発生し,13:07に2台目の時計に
切り替えています.その後,動作を確認し,19:05にアラートフラグを
解除しています.
電離層遅延誤差の補正をOFFにしているため,高度方向に20mほどの
オフセットがみられますが,故障時には,それを遥かに上回る測位
誤差が観測されています.
みちびきを測位に利用しているユーザは,この故障の発生を放送暦に
含まれるヘルスフラグで判別するしかありません.そこで,今回の
故障時におけるヘルスフラグの挙動について,確認してみました.
ヘルスフラグは7行目のふたつめのパラメータになります.準天頂
衛星のヘルスフラグは6ビットで,MSBから放送暦,L1 C/A信号,
L2C信号,L5信号,L1C信号,LEX信号のヘルスを表しています.
現在の通常運用では,LEX信号のみフラグがアクティブになって
おり,ヘルスフラグは「1=0x01」となります.
放送暦が送信された時刻は,8行目のひとつめのパラメータである
「Transmission time of message」で確認できます.OSQZSS受信機で
記録した放送暦を見てみると,12:50:42(TOW 391842)で放送暦の
フラグがアクティブになり(33=0x21),13:00:12(TOW 392412)には,
すべてのフラグがアクティブになっています(63=0x3F).
原子時計の故障の時刻が12:43と報告されていますので,約7分ほど,
ユーザーは故障を知ることができません.衛星側の故障による測位
精度の劣化を防ぐためには,受信機側にRAIMなど,観測値の異常を
検知するアルゴリズムが必要になります.
L1-SAIFには,このような異常を迅速にユーザーに知らせる機能が
備わっています.今回のトラブルでは,どのように動作していたのか,
興味があります.
使用して,単独測位を実施してみました.JAXAのアナウンスによると,
7月28日の12:43(GPS時刻)に故障が発生し,13:07に2台目の時計に
切り替えています.その後,動作を確認し,19:05にアラートフラグを
解除しています.
電離層遅延誤差の補正をOFFにしているため,高度方向に20mほどの
オフセットがみられますが,故障時には,それを遥かに上回る測位
誤差が観測されています.
みちびきを測位に利用しているユーザは,この故障の発生を放送暦に
含まれるヘルスフラグで判別するしかありません.そこで,今回の
故障時におけるヘルスフラグの挙動について,確認してみました.
J 1 11 07 28 13 00 00.0 -.235158950086D-06 .113686837700D-11 -.277555756200D-16 .166000000000D+03 .121750000000D+03 .374051294952D-08 .310842571863D+01 .342726707416D-05 .756974654329D-01 -.566616654325D-05 .649331751505D+04 .392400000000D+06 .653788447299D-06 -.193394850091D+01 -.745058059600D-07 .711842166911D+00 .332437500000D+03 -.156866316399D+01 -.352014662756D-08 .235366946790D-09 .100000000000D+01 .164600000000D+04 .100000000000D+01 .000000000000D+00 .100000000000D+01 -.419095158570D-08 .678000000000D+03 .391429000000D+06 .000000000000D+00 J 1 11 07 28 13 00 00.0 -.235158950086D-06 .113686837700D-11 -.277555756200D-16 .166000000000D+03 .121750000000D+03 .374051294952D-08 .310842571863D+01 .342726707416D-05 .756974654329D-01 -.566616654325D-05 .649331751505D+04 .392400000000D+06 .653788447299D-06 -.193394850091D+01 -.745058059600D-07 .711842166911D+00 .332437500000D+03 -.156866316399D+01 -.352014662756D-08 .235366946790D-09 .100000000000D+01 .164600000000D+04 .100000000000D+01 .000000000000D+00 .330000000000D+02 -.419095158570D-08 .934000000000D+03 .391842000000D+06 .000000000000D+00 J 1 11 07 28 13 00 00.0 -.235158950086D-06 .113686837700D-11 -.277555756200D-16 .166000000000D+03 .121750000000D+03 .374051294952D-08 .310842571863D+01 .342726707416D-05 .756974654329D-01 -.566616654325D-05 .649331751505D+04 .392400000000D+06 .653788447299D-06 -.193394850091D+01 -.745058059600D-07 .711842166911D+00 .332437500000D+03 -.156866316399D+01 -.352014662756D-08 .235366946790D-09 .300000000000D+01 .164600000000D+04 .100000000000D+01 .150000000000D+02 .630000000000D+02 -.419095158570D-08 .934000000000D+03 .392412000000D+06 .000000000000D+00
ヘルスフラグは7行目のふたつめのパラメータになります.準天頂
衛星のヘルスフラグは6ビットで,MSBから放送暦,L1 C/A信号,
L2C信号,L5信号,L1C信号,LEX信号のヘルスを表しています.
現在の通常運用では,LEX信号のみフラグがアクティブになって
おり,ヘルスフラグは「1=0x01」となります.
放送暦が送信された時刻は,8行目のひとつめのパラメータである
「Transmission time of message」で確認できます.OSQZSS受信機で
記録した放送暦を見てみると,12:50:42(TOW 391842)で放送暦の
フラグがアクティブになり(33=0x21),13:00:12(TOW 392412)には,
すべてのフラグがアクティブになっています(63=0x3F).
原子時計の故障の時刻が12:43と報告されていますので,約7分ほど,
ユーザーは故障を知ることができません.衛星側の故障による測位
精度の劣化を防ぐためには,受信機側にRAIMなど,観測値の異常を
検知するアルゴリズムが必要になります.
L1-SAIFには,このような異常を迅速にユーザーに知らせる機能が
備わっています.今回のトラブルでは,どのように動作していたのか,
興味があります.