OSQZSS

オープンソース準天頂衛星(QZSS)受信機

MGEXにアクセス

2013-01-10 22:30:44 | RTKLIB
BeiDouの観測データを入手したいと思い,IGS Multi-GNSS Experiment(MGEX)の
観測局ネットワークにNtripでアクセスしてみました.

まず,Ntripのbroadcasterにアクセスできるよう,BKGのGNSS Data Center
ユーザ登録を行います.

User Registration for Ntrip Broadcasters: http://register.rtcm-ntrip.org/cgi-bin/registration.cgi

その日のうちに,登録完了のメールが届きます.
MGEXのbroadcasterには,同時に最大で5局までアクセスできるようです.

Ntripのクライアントには,RTKLIB 2.4.2b8のRTKNAVIを使用します.

RTKNAVIを起動したら,右上のInput Streamsボタンをクリックします.

 (クリックで拡大)

Input StreamにはRover,TypeにはNTRIP Clientを選択します.

 (クリックで拡大)

次に,隣のOptボタンをクリックし,NTRIP Clientのオプションを指定します.

 (クリックで拡大)

NTRIP Caster Hostには,mgex.igs-ip.netを選び,Portに2101または80を指定します.

 (クリックで拡大)

MGEXのサイト一覧を見ると,BeiDouを受信している観測局はいくつかあります.
今回は,その中からCUT0のSite IDを選びました.

Ntrip Browserを開くと,CUT0にはCUT00とCUT07の2つのmountpointがあります.
CUT00からは,Trimble NetR9の出力フォーマットであるRT27がそのまま流れています.
残念ながら,Trimbleは受信機の出力フォーマットを完全に公開していないために,
今回はCUT07のRTCM 3.0を選びます.

 (クリックで拡大)

ところで,RTCM出力のmountpoint名には,Site IDの後ろに7を付けるといったような
ルールがあるのでしょうか?

mountpointを選らんだら,登録したユーザ名とパスワードを入力します.

次に,NTRIP Clientを接続する前に,Optionsボタンをクリックして,
すべての測位衛星システムを表示するようにチェックします.

 (クリックで拡大)

これで準備終了です.Startボタンをクリックすると,指定したNtrip Broadcasterに
接続され,RTCM 3.0の受信が開始されます.Ephemerisの受信に少し時間が掛かりますが,
観測値とephemerisが揃えば,測位演算が開始されます.

 (クリックで拡大)

GalieoやBeiDou,QZSSも観測されていますが,GPSとGLONASSのephemerisしか
流れていないために,測位演算には使われていません.

便利な機能として,左下の四角のマークをクリックすると,RTK Monitorが開きます.



フォーマットでRTCM 3を選べば,受信しているメッセージタイプやコンテンツを
表示することができます.

 (クリックで拡大)

BeiDouのephemerisが入手できないかと期待していたのですが,メッセージとして
流れていないようです.(そもそもRTCM 3.0で定義されていない?)

BeiDouの測位を試したいのであれば,ソフトウェア受信機で全部実装するしかないのかな…

【追記】

参考資料.

IGS Workshop 2012: Real-time Stream Conversion to RTCM-3 MSM and RINEX-3 in IGS/MGEX Context

【追記2】

MGEXとはまったく関係ないですが,マウスカーソルが写った画面をキャプチャするために,
XPのころはWinShotを愛用していました.しかし,Windows 7で同じ機能を使おうを思うと,
何故かマウスカーソルの形状が正しくキャプチャできません.

何か良いWindows 7対応のツールはないかと探したところ,フェンリルのSnapCrabを見つけ
ました.インターフェイスもすっきりしていて良い感じ.ホットキーもWindows標準のままで
使えます.しばらくはこちらを使ってみよう.

フェンリル:SnapCrab for Windows
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4 コメント

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RTCMのBeiDou対応 (TTAKASU)
2013-01-11 09:13:13
BeiDouのephemerisはRTCM draftでもまだmessage typeが定義されてません。ICD出たばっかりなので、F/Wが対応している受信機もないのではないでしょうか。もう少し待ちですかね。SDRに期待してます。(試験できてないですがRTKLIB 2.4.2 b8ではBeiDouのエフェメリス計算には対応しました。)
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Re: RTCMのBeiDou対応 (osqzss)
2013-01-11 12:27:17
Wuhan大学あたりがアーカイブを公開してくれると嬉しいのですが,しばらくは自分で観測するしか方法がなさそうです.この3連休にでもSDRに航法データのデコードと疑似距離生成の機能を追加してみます.あとはアンテナをなんとかしないと…
返信する
単独測位できません (Unknown)
2016-06-19 14:43:07
はじめまして。
こちらのサイトを参考にMGEXに接続しようと試みたのですが、衛星が1つしか計測できず単独測位ができないです。
RTK側とかで画像以外の設定などありますでしょうか?

RTKLIBはver2.4.2、windows10で動かしています。
返信する
Re: 単独測位できません (osqzss)
2016-06-19 18:56:55
本文の画像では,Input StreamのFormatにRTCM 2を選んでいますが,これをRTCM 3に変更してみてください.
返信する

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