アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

臭いものほど旨い?そうでもないかなぁ…

2012年02月24日 | Weblog
 ゲテモノが好きというわけではありませんが、「食べられるもの」なら、何でも食べる。ヘソの位置は正常だとは思うのですが、一般的に、「まずい」とか「くさい」とか評されている食べ物を、「旨い」と感じることが多々ある。

 8月末にスウェーデンへ行ったことがありました。「シュールストレミング」が解禁になっているとふんだ…。
 シュールストレミングは、早い話がニシンの缶詰(厳密には、缶の中で発酵させるため、缶詰の範疇に入らないので、「缶入り食品」が正しいらしい)。ニシンを塩漬けにして缶の中で発酵させたもの。「世界一臭い食べ物」として有名。
 スウェーデンで、シュールストレミングを食べないのは、日本へ来て寿司を食べないようなもの。

 田舎町のレストランに入った。かなり歴史がありそうな建物で、バーがあり、テーブルが4つほど。中庭があって、そこにもテーブルが数台。「シュールストレミング!」と、堂々の注文。金髪の大柄なウエートレスが、ニコニコと注文を聞いてくれた。しかし、一通り注文を聞いた後、「少し待って!」と、奥へ引っ込んでしまった。
 さては、解禁間もないので仕入れていなかったのか?はたまた、臭すぎるので、客には出さないのか?なにしろ、シュールストレミングはあまりにも臭いので、屋外で食べるのが常識。

 再び現れたウエートレスは、「注文を承りました!」と。いくら臭いとはいえ、レストラン内の窓も出入り口も開放したままであり、客は私共4人だけ。シュールストレミングを出さない選択肢はない。
 ただ…中庭のテーブルへ移動させられた…。(シュールストレミングを食べる客専用?)そこまで「臭さ」に気をつかっているということか?
 
 シュールストレミングの登場!缶からは出され、皿に盛られて出てきた。バケットを薄く切って軽く焼いたものと、スライスしたタマネギなどが付いていた。
 確かに臭い。だけど、「世界一」というのは…いかがなものか。
 期待した味のほうは、「しょっぱい」。塩分が濃すぎました。シュールストレミングには申し訳ないが、「旨い」というほどでもなかった…。「臭かろう旨かろう」というフレーズは、シュールストレミングには通用しないという学習をしました。

 私たちの反応を市原悦子のように見ていたウエートレスがニコニコしながらやって来て、「美味しいですか?」と。自信満々。こちらも、「なんだよこれ!しょっぱすぎぃ!」とも言えず、「旨い!」と作り笑顔で答えましたけどね。
 スペインの田舎町に突如出現した東洋人が、シュールストレミングを食べる。これは、「見物(みもの)」でしたでしょう。

 食べ物の臭さは、「アラバスター」という測定機で計測できる。臭さの単位は「Au」。
電話会社(au)でも、金(元素記号Au)でもなく、「アラバスター」です。

 シュールストレミング 8070 Au…断然トップ
ホンオフェ 6230 Au…ホンオ(ガンギエイ)の切り身を壺に入れて発酵させたもの。韓国の食品。臭さを追求するためには、発酵させなきゃね。これも、しょっぱい。
エピキュアーチーズ 1870 Au…ニュージーランドのチーズ。缶詰でなければ臭くないという。箱入りしか食べたことがないので…臭くなかった。味はまあまあ。
 キビヤック 1370 Au…エスキモー民族の発酵食品。アザラシの腹に海鳥を詰めて長期間埋め込めて作る発酵食品。これは、まだ食べておりません。祝いの席で出されるのだそうで…食べるチャンスはないかな。

 台湾の露天飲食街全体を覆っている、あの発酵した肥だめをかき回したような強烈な臭い…臭豆腐が犯人と思い込んでいましたが、意外にも、臭豆腐は、420 Au。あの臭いの正体…臭豆腐ではない真犯人が隠れているのか?

 日本の臭い食べ物…焼きたてのくさやは1267 Au、大健闘です。鮒寿司 486 Au、納豆 452 Au…。鮒寿司は、くさやと同じくらいかと思ってたのですが、納豆と競り合っている程度の臭さ。缶詰にしたら、シュールストレミング並の臭さになれるか?

 なお、ドリアンの名誉のために申し上げますが、「臭くない」です。「旨い」というより、「美味しい」。南国フルーツはさっぱり系が多いですが、ドリアンは濃厚なおいしさ。古くなり腐れかけたものは、そりゃあ臭いでしょうけどね。