アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

人類は朝をリレーしている

2021年04月23日 | Weblog
 90分の講演、無事終わりました。60分ほど経ったところで、声が涸れてしまい、進行の人が、「(アンティークマンさん)5分間休憩しましょう」と。「のど飴」をなめて、5分後再開という場面がありましたが、まあ、概ね上出来でした。まだ、90分の講演なら大丈夫…一時期再起不能を覚悟しただけに、成就感、達成感、自己肯定感に浸らせていただきましたよ。
 このたびの講演のコンセプトは、「コミュニティを広げる」というもの。
 いじめをなくすにはどうしたらいいか?いじめは、「狭いコミュニティ(学校、職場)で起こる」だったら、「コミュニティを広くすればいじめは減っていく」…私は、このように考えるので、参会の人権擁護委員に、「子どもたちのコミュニティを広げる人権教室はどのようにしたらいいか」を話したわけです。

 講演するにあたって参考にしているのは、「谷川俊太郎さん風味」です。
 谷川俊太郎さんの講演…参考になります。
 登場の仕方が…こんな人いないよって感じ。猫ひろしもびっくり!は、は、走っての登場!なにをやってもおもしろい方ですが、まさか走ってくるとは!これで、数百人の聴衆を一気に惹きつけるのです。私は、走ることなどできませんので、初めから入場して壇上に座っておりましたがね。

 谷川さんは、詩でもそのほかの作品でもそうなんですが、「惹きつける演出」をするんです。早い話が、「ウケねらい」。これ、悪口じゃありませんから。賛辞です。私が谷川俊太郎さんのファンである一番の理由は、ご自身が、「ウケねらい」と、言っているからです。

 服装は…(その時々で違いますが、一例として)これまた、惹きつける演出で、「半袖Tシャツにチノパン、運動靴」。服装の色合いはぁ…グレーというかベージュというか…。原色にしないところが、好感が持てます。なお、身長は推定ですが、155cmぐらいかなあ。小柄な方です。

 じかに講演を視聴させていただいて印象に残っていることは・・・
1 谷川さんの詩に曲がついて、「歌」になることについて・・・「活字は寝ているが、歌になると活字が立ち上がる」と。けだし名言。
2 感情…ことばにならない感情もある。私の詩からそれに気づいてくれるのが嬉しい。
3 言葉遊び歌・・・子どもが読めるように、全部ひらがなで書くことにして、脚韻、頭韻をふんで書くと、「ダジャレ」「地口」の類いとなってしまうがこれもまたいいのではないか。言葉のサラダで詩を書く。言葉をおもちゃにして、詩を書く。
4 「若い感性を持ち続けていることに秘訣はあるか」という問いに・・・年をとるということは、「年輪」。中心に零歳があり、一歳、二歳・・・九八歳がある。ところが多くの人は、自分が年輪であることに気づかず、「抑圧」する。だから、「その人の中にある子どもの心」が失われていく。
5 詩は翻訳できない・・・「いるいるいるか いないかいるか」英語に翻訳したら、韻もへちまも無くなってしまいます。
6 詩の朗読は、感情を込めてはいけない。
7 「教壊(きょうえ、きょうかい)」・・・教育で却って人間が損なわれるの義である。

 谷川さん、座っての対談形式の講演でしたが、終始話し続け、詩を5~6編朗読し、90分頑張ってくれました。
 谷川さんの詩で、私がもっとも好きなのは、「朝のリレー」です。
 なお、谷川さん、詩を73年間書き続けてきているわけで…。口あんぐりです。
 なお、私も、「齢を重ねることは、年輪が増えること」と、考えることにしました。よって、子どもの心も、生き生きと蘇ってきてます。なぬ?「成長していないだけなんじゃないか」って?そ、そうとも言えます。
 「コミュニティを広げる」との関連は書かないのかって?「朝のリレー」が、このたびの私の講演のコンセプトそのものなのです。「思考のコミュニティ(こんな言葉はありませんが、地球的規模で物事を考えるってことで…)」が、広がるかと。