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テコンドー・オムスクール ブログ

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アジア大会報告 寺島亮介編

2006-11-26 17:49:02 | 大会報告
今回は寺島亮介さんのアジア大会についてのコメントです。

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朝鮮選手を囲んで

まずインドの印象ですが、私的にはとっても素敵でない国でした。
水道水は一滴も飲まずミネラルウォーターで過ごしましたが、毎日グッドリッジ(ゲリ)でした。これ少し流行ったので記念に…。
また、いたる所に「不衛生」の札を貼りたくなりました。
という訳でインドの感想は以上にします。

大会に参加させて頂き勉強になった事、感じた事はたくさんあり、全部書くと疲れそうなので最も心に残った事だけ書かせて頂きます。


団体マッソギの準決勝、相手は強豪北朝鮮。相手にとって不足なし。しかも私めの勝敗で日本の勝敗が決まるという状況でした。私め久々に燃えていました。

とその前にホテルの話を…
日本・韓国・北朝鮮がなんと同じホテル。朝食・夕食と同じ食堂で同じ時間に食事をしました。
世界状勢的にはありえない光景だよなーと思いつつ、おいしくないタイ米?をどけてナンばかりカレーにつけて食べていた私め。
韓国チームは「JAPAN JAPAN」とフレンドリーなのに対し、北朝鮮は正反対。彼らとはホテル→スタジアムのバス移動も一緒なのですが、一切の笑顔なし。挨拶もさせてくれないオーラを放っていました。
帰国してから斗一先生にお聞きし、彼らの家族の生活までかかっていると聞いたので今になっては納得できますが、あの徹底ぶりはスゴかったです。
技も体も(みんな体がしっかりできていた。首も太い。)含め風貌がミスターITFテコンドーみたいな感じでカッコよかった。
そんな彼らの激しい個人戦を見ていて「あいつらとやりたいなぁ…」と思っていましたが、最終日の団体マッソギで実際に対戦できる事になりました。


自分で日本の勝敗が決まる。団体トゥル等でチームに迷惑かけた部分があったので「ここは絶対オレが勝って日本を決勝へ進めるんだ…!」という強い気持ちしかありませんでした。
久々に気迫と集中力が高まり、頭の中は真っ白で「いい感じだ。勝てる。」と感じ、それを信じて臨みました。
試合は一度ガードの上から印象悪くもらってた覚えもありましたが、自分も気迫で少しはポイントをとってる自信はありました。
判定を待つ間は「あれを審判がどうとってるかだ…」「たのむ…!」

判定は北朝鮮の勝利。「くっそ~あとちょっとだったのに…!!」と思いと共に一気に涙が溢れ出ました。
直後、今までホテル・バス・スタジアムでもまる無視だった相手が笑顔で握手し、抱きしめてくれました。嫌いであろう未熟な日本人のオレなんかを認めてくれた気持ちが伝わり光栄でした。


やっぱり組手は素晴らしい。言葉も通じない全く知らない相手でも、フェイントのかけ合いや攻撃を受けたり、与えたりする短い2・3分の間に、その人の今まで行ってきた練習や情熱をお互いに感じる事ができ、別の地で同じような事を考え、同じような時間を過ごしてきた事がわかる最高のコミュニケーションだと思います。
また閉会式でも、向こうから自分のところへ来て「写真を一緒に撮ってくれないか?」みたいなゼスチャーで来てくれたので喜んで一緒に撮りました。握手をする時に、なんと
「アリガト‥」と日本語で言ってくれたのです。
私は何とも言えない感謝と尊敬の気持ちでいっぱいでした。
そういえばテコンドーの基本理念って「世界平和」だったなぁ‥。
アジア大会へ来て、インドへ来て良かった…と心から思った瞬間でした。
彼に対し恥ずかしくないようこれからも精進しなければと思います。


最高の経験ができたアジア大会に参加させて頂いた事に感謝しています。

寺島 亮介



団体マッソギ試合終了直後。


団体トゥル 寺島さんは左端。右端は野本さん。

表彰式で。ちょっとリラックス。



対戦したカザフスタンの選手と。