久々の完全OFF。
身も心も腰も肩も疲れ切っている。
母にカバノアナタケのおすそ分けを持って行った後は、久々の大沢温泉。
あいにくの雨混じり、雪まじり、そして黄砂が気になる露天風呂。
しかし思い通り、一時間半強の露天はワタシをすっかり癒してくれた。
大沢温泉といえば大沢の湯である。
一昨年くらいかな、女性専用の脱衣室ができたが、それまでは混浴のこの湯の壁側にあるここで皆、着替えていた。
まあ、なんと女性は勇気がいることだろう。
男とて、隣にうら若き娘や、うん十年前は美少女だったおばはんが着替えている隣で脱ぎ脱ぎするのは、どうも気恥ずかしかったのである。
その入口側の比較的浅く、湯温も少しぬるめになっていく方にのんびりと構えるのはとてもいいのだが、そういうことで女子脱衣所ができてからは、案外とおばはん専用スペースとなっている。
この日も、二人の立派なおばさん、おばあさんたちがベチャグチャと話語りしながらゆったり浸かっていた。
こちらは温泉が湧き出ている比較的熱めのところ。
少しだけ深く、肩まで浸かって休むのにはいい場所。
ロケーションもいいが、この時期は一番寂しいときかもしれない。
新緑は連休ごろだし、雪もおよそ無くなって、水墨画の世界で少し味気ない景色となる。
でも、この頃から毎週、湯に来ると、北国の春が刻一刻と訪れてくるのを目で確かめられる。
そう、サラリーマンの頃は毎週通っていたものだ。
1月の雪深いころに一人で三夜、投宿したのは想い出深い。
この真中の柱と石は眺めるたびにおもしろい。
石が亀や、スフィンクスや、ラクダやそんな生き物に見えて、好ましく思えるのだ。
風呂の壁のタイルの紋様もそのように一つ一つ、顔に見えたり昆虫に見えたりして、名づけながらゆったり浸かるのもいい。
雨は途中で雪まじりとなった。
といっても垂直に落ちてくる、半ば大粒の雪まじりの雨といった様相。
やはり春の声である。
もう少し季節が過ぎれば、大沢の湯に浸かり、車で少しかかるが、豊沢ダムを越えて沢内に抜ける路が好きだ。
あとはぐるりと廻って北上に出て自宅に戻るコース。
まだゴールデンウィークあとでないと開通しないだろう。
ダムに沈んだ母の生まれ故郷を見ながら、カタクリや水芭蕉を見に行くのもいい。
その頃に、また来ようと思う。