プチ国政選挙といわれた東京都議会議員選挙の投開票が行われ,結果,民主党が54議席を獲得し,第一党となりました。逆に与党の自民党は38議席と過去最低となり,公明党の23議席とあわせても過半数を獲得することができませんでした。
これにより,今後の石原都政への影響が懸念される他,麻生総理の進退や解散など,多くの問題に含みを持たせることとなりそうです。
なお,投票率は54.5%と,前回より12%も上昇するなど,関心の高さをうかがわせるものとなりました。
都議選で民主54、1人区も圧勝 自民、過去最低に並ぶ38(共同通信) - goo ニュース
キーワードは「脱しがらみ」
改めて選挙結果をまとめてましょう。
民主54,自民38,公明23,共産8,生活者ネット2,無所属等2
告示前の下馬評では,告示直前に民主党候補者を急遽増やすなど泥縄的な動きがあったことや,都議会議員における自民党と公明党の強固な組織力のことを考えれば,多少議席を減らすことはあっても,過半数を切ることなどマジありえんティー状態といわれていました。
ところが,蓋を開けてみたら自民党は完敗でした。しかも,負け方が尋常ではありません。民主党候補者の複数擁立地域では,「勝つとしても自民党候補者が上に行き,民主党候補者2人が最下位すれすれ」などといわれていましたが,ほとんどの地域では逆に「上位民主独占」に近い状態となり,逆に自民党候補者と共産党候補者とが最後の1議席を争うなどという選挙区が結構多く出てきました。
まじめに計算していませんが,おそらく比例代表的に票を集計すると,民主党は自民党の1.5倍近くは獲得しているのではないでしょうか。
なぜ,民主党が圧勝だったのでしょうか。もちろん,大きな要素は国政のドタバタにありますが,民主党はこのドタバタをうまく活用したのみならず,もう一つは「徹底したどぶ板選挙」にあるといえるでしょう。特に,組織力を大きく頼らず,ボランティアを中心とした選挙活動をしたことで,「しがらみのない」という点を強く強調した点にあるといえます。
ここ最近の選挙では,この「しがらみのない」という点がかなりキーワードになります。現に,今日,奈良市長選挙が行われましたが,ここでも無名の新人が民主党推薦を受けて当選しましたが,ここでも「しがらみのない」を前面に押し出す戦術が功を奏したといわれています。
都議会議員選挙も例外ではありませんでした。
自民党候補者の多くは,基本的に「組織がため」を中心にした選挙戦を展開していました。後援会を呼んでの演説です。しかし,これは報道の悪戯もあるかもしれませんので一概には言えませんが,光景を見ている限り,どちらかというと「お願い」よりも「恫喝」に近いことをいう候補者が多かったように思えます。今の時代,いくら後援会といえども,動きが鈍くなります。なにしろ,後援会自体,結構組織力が低下しているからです。
一方,民主党候補者の多くは,とにかく「有権者に会う」という戦術をとりました。「同じ目線」という戦法です。結果,「しがらみのない」に一定の説得力が付いたということになるでしょう。
ちなみに,今回の選挙,実はあおりを食ったのは共産党です。一部報道では共産党支持者は増えたとのことでしたが,結局は議席を5も減らしてしまいました。この最大の理由は,「浮動票が根こそぎ民主党」っていう点が上げられるでしょう。
また,共産党の致命的欠陥が今回の選挙に出たといえます(それが何かを書くと長くなるので,別の機会に。)。共産党も,今回の選挙結果を踏まえて,国政における選挙戦術を大きく見直す必要があるでしょう。
さて,今後の政局ですが,まず都政から。
石原知事は,おそらく傍若無人な振る舞いは変わらないと思います。しかし,議案や予算案を素直に議会が通すか微妙になってきました。特に,新銀行東京に関する議案や責任問題については,おそらく再度突っ込んでくる可能性があり,今までどおり「経営者のみの責任」で逃げ切れるのか,少々問題も出てくる感じがします。
また,おそらくは,民主党政権についても悪態をつくでしょうが,それを有権者がどう評価するか,これまた微妙です。なにしろ,先週,石原プロの大きなイベントを東京のど真ん中でやったのに,それがたいして票に結びつかなかったということは,有権者も「裕二郎さんと都政は話は別」としっかりと割り切っている現れと言えます。石原シンパといわれる裕二郎さんのファンが,石原知事の悪態にどこまで理解を示せるか,そこが都政運営の羅針盤になるかもしれません。
次に国政ですが,今回の選挙結果を見ると,東京の選挙区は,「小選挙区はほとんど民主党」という前回の選挙と真逆の結果を生じる可能性が出てきました。のみならず,比例でも民主党が多いことを踏まえると,「完全に前回とは逆」っていう結果になりかねません。
すると,与謝野氏あたりはまたしても・・なんていうことも当然あり得る話となってきました。
一方で,この結果がどの程度地方にまで波及するかですが,これまでの結果を見ている限り,少なくとも政令指定都市がある都道府県レベルでは,自民党は苦戦する可能性が高いと思われます。
自民党は,選挙に勝つためにあの手この手を考えていますが,以前も言いましたように,「そもそもなぜ逆風になったのか。」という点を冷静に分析し,その対策を講じない限り,真の勝利はあり得ないでしょう。有権者は,もはや小手先のことには食いつきません。
民主党も,ここであぐらを組まず,「民主党政権はこういうことをやる」ということを,もっと分かりやすく,はっきりと有権者に伝えなければ,長期政権を運営することはできません。あくまでも,「しがらみがない」っぽい感じで消極的に民主党候補者を選んでいるにすぎない有権者が多いからです。
あとは解散がいつなのか,これがキモですね。
以上,都議会議員選挙短評でした。
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なお,投票率は54.5%と,前回より12%も上昇するなど,関心の高さをうかがわせるものとなりました。
都議選で民主54、1人区も圧勝 自民、過去最低に並ぶ38(共同通信) - goo ニュース
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民主54,自民38,公明23,共産8,生活者ネット2,無所属等2
告示前の下馬評では,告示直前に民主党候補者を急遽増やすなど泥縄的な動きがあったことや,都議会議員における自民党と公明党の強固な組織力のことを考えれば,多少議席を減らすことはあっても,過半数を切ることなどマジありえんティー状態といわれていました。
ところが,蓋を開けてみたら自民党は完敗でした。しかも,負け方が尋常ではありません。民主党候補者の複数擁立地域では,「勝つとしても自民党候補者が上に行き,民主党候補者2人が最下位すれすれ」などといわれていましたが,ほとんどの地域では逆に「上位民主独占」に近い状態となり,逆に自民党候補者と共産党候補者とが最後の1議席を争うなどという選挙区が結構多く出てきました。
まじめに計算していませんが,おそらく比例代表的に票を集計すると,民主党は自民党の1.5倍近くは獲得しているのではないでしょうか。
なぜ,民主党が圧勝だったのでしょうか。もちろん,大きな要素は国政のドタバタにありますが,民主党はこのドタバタをうまく活用したのみならず,もう一つは「徹底したどぶ板選挙」にあるといえるでしょう。特に,組織力を大きく頼らず,ボランティアを中心とした選挙活動をしたことで,「しがらみのない」という点を強く強調した点にあるといえます。
ここ最近の選挙では,この「しがらみのない」という点がかなりキーワードになります。現に,今日,奈良市長選挙が行われましたが,ここでも無名の新人が民主党推薦を受けて当選しましたが,ここでも「しがらみのない」を前面に押し出す戦術が功を奏したといわれています。
都議会議員選挙も例外ではありませんでした。
自民党候補者の多くは,基本的に「組織がため」を中心にした選挙戦を展開していました。後援会を呼んでの演説です。しかし,これは報道の悪戯もあるかもしれませんので一概には言えませんが,光景を見ている限り,どちらかというと「お願い」よりも「恫喝」に近いことをいう候補者が多かったように思えます。今の時代,いくら後援会といえども,動きが鈍くなります。なにしろ,後援会自体,結構組織力が低下しているからです。
一方,民主党候補者の多くは,とにかく「有権者に会う」という戦術をとりました。「同じ目線」という戦法です。結果,「しがらみのない」に一定の説得力が付いたということになるでしょう。
ちなみに,今回の選挙,実はあおりを食ったのは共産党です。一部報道では共産党支持者は増えたとのことでしたが,結局は議席を5も減らしてしまいました。この最大の理由は,「浮動票が根こそぎ民主党」っていう点が上げられるでしょう。
また,共産党の致命的欠陥が今回の選挙に出たといえます(それが何かを書くと長くなるので,別の機会に。)。共産党も,今回の選挙結果を踏まえて,国政における選挙戦術を大きく見直す必要があるでしょう。
さて,今後の政局ですが,まず都政から。
石原知事は,おそらく傍若無人な振る舞いは変わらないと思います。しかし,議案や予算案を素直に議会が通すか微妙になってきました。特に,新銀行東京に関する議案や責任問題については,おそらく再度突っ込んでくる可能性があり,今までどおり「経営者のみの責任」で逃げ切れるのか,少々問題も出てくる感じがします。
また,おそらくは,民主党政権についても悪態をつくでしょうが,それを有権者がどう評価するか,これまた微妙です。なにしろ,先週,石原プロの大きなイベントを東京のど真ん中でやったのに,それがたいして票に結びつかなかったということは,有権者も「裕二郎さんと都政は話は別」としっかりと割り切っている現れと言えます。石原シンパといわれる裕二郎さんのファンが,石原知事の悪態にどこまで理解を示せるか,そこが都政運営の羅針盤になるかもしれません。
次に国政ですが,今回の選挙結果を見ると,東京の選挙区は,「小選挙区はほとんど民主党」という前回の選挙と真逆の結果を生じる可能性が出てきました。のみならず,比例でも民主党が多いことを踏まえると,「完全に前回とは逆」っていう結果になりかねません。
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自民党は,選挙に勝つためにあの手この手を考えていますが,以前も言いましたように,「そもそもなぜ逆風になったのか。」という点を冷静に分析し,その対策を講じない限り,真の勝利はあり得ないでしょう。有権者は,もはや小手先のことには食いつきません。
民主党も,ここであぐらを組まず,「民主党政権はこういうことをやる」ということを,もっと分かりやすく,はっきりと有権者に伝えなければ,長期政権を運営することはできません。あくまでも,「しがらみがない」っぽい感じで消極的に民主党候補者を選んでいるにすぎない有権者が多いからです。
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結果オーライとはいえ、民主のこの数字は10ポイント以上の投票率の伸びと、自民の失脚に助けられた所もまだ否めません。
このあたりちょっと気になります。
民主党は,これからは「確かな実現力」が求められてきます。今までの主張を確実に行動に移さない限り,有権者はあっという間にそっぽを向くでしょう。
問題は,「官僚福魔殿」でしょうか。まず,官僚がどこまで動くか,逆にどこまで抵抗を示すか,そこが一つポイントになると思います。
確かに公明党は今回も全員当選でした。
ここは組織力のみの選挙ともいえますから,国政の際に,小選挙区でどこまで力を発揮してくるのかがキモとなります。自民党は,もはや公明党と縁を切るのは無理な状況といえるでしょう。
しかし,都議会を見ている限り,それでも今回は民主党系候補者の方が数字が取れていたと思います。この結果が国政選挙でどう動くか,まだまだ微妙かもしれません。
少なくとも、麻生派か反麻生派で既に意見が分かれているし、単に自民党議員といっても、誰がどの派閥でどういう考えなのか理解できないですね。
また選挙以前に、党が分裂するんじゃないかしら?なんて。
あとは、昔から自民と言い張っていた高年齢層の方達の意見を聞いてみたいものです。
自民党も派閥政治解消とかいいながら,結構派閥がものをいってます。そういう意味では,民主党の数枚岩とそんなに変わらないかもしれません。
今の自民党の一番恐いのは,「目くらまし分裂」です。自民党という看板を使いたくない候補者が「外見だけ非自民党」みたいな形で選挙にでる(しかも,その選挙区には自民党公認はいないという形になる)ことです。
そんな小手先だけの候補者が出ないことを祈りたいものです。
そして,何よりも,自民支持者と民主支持者,それぞれ「何に重点を置いているのか」という点を聞いてみたいですね。