トドの小部屋

写真付き日記帳です。旅行記、本や美術展の紹介、俳句など好きなことをつれづれに。お気軽にどうぞ。

黒書院の六兵衛

2018-02-10 20:25:09 | 
浅田次郎さんの「黒書院の六兵衛」を読みました。尾張藩の江戸定府の御徒士組頭の加倉井隼人は土佐の軍監に命じられて江戸城引き渡しの前に城内の様子を探る物見を命じられ、幼馴染の田島小源太を添役に30名の手下の徒士を引き連れ、支給された慣れない西洋軍服に身を包み、官軍将校として江戸城に踏み込んだ。徳川幕府時代なら言葉を交わすこともできない高禄の江戸城お留守居役や大目付、江戸城の全権大使とも言える勝安房守にも官軍将校として渡り合った隼人だったが、江戸城の御書院番士が1人、虎之間に勤番しているという。御書院番士は本来将軍警護の役職であり、上野の大慈院に将軍は謹慎している状況で、ここで勤番する必要は皆無。官軍の面々が入城する前に退去させようとする勝安房守の説得にも応じず、一言も発せず、夜も横になっている様子がない。しかもこの六兵衛は旗本の株を金で買った金上げ侍だったことも判明する。しかし、誰に何を言われようと頑なに虎之間に座り続けた六兵衛は居場所を帝鑑之間に変え、最後には将軍家の御座所、黒書院に移ってしまった。力づくで不平分子を排除してはならないとした西郷隆盛の言があり、有効な手が打てないままであったが、だんだんと出世してしまった六兵衛に対し、俄か官軍の隼人をはじめ、旧幕臣であった彼らは見事な武士のあり様を体現する六兵衛に尊敬の念を抱くようになっていった…。最後まで六兵衛の正体がはっきりしないもどかしさが残りましたが、奇想天外で話としては面白かったです。朝井まかてさんの「残り者」が大奥が舞台の女性版江戸城引き渡しだったのに対し、西の丸表の男性版江戸城引き渡し劇でした。
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残り者

2018-02-05 22:29:36 | 
朝井まかてさんの「残り者」を読みました。時は1868年4月10日。大奥の主、天璋院が江戸城西の丸の大広間に奥女中170人余りを集め、江戸城を明け渡さなければならないこと、また官軍による江戸城総攻撃はない。ゆるゆると急げと言い渡して御座之間に身の回りの高価な品々を残したまま一橋家へ移ったのだった。奥女中の1人、天璋院付きの呉服之間でお針子として奉公していたりつも、城から退去しようとしていた。ところが、サト姫と名付けられた天璋院の愛猫が行方知れずになり、猫の名を呼びながら探し回っていたお蛸という御膳所の女中と遭遇する。早く城から退去するよう促してもお蛸は猫を探し続ける。仕方なく一緒に探し始めたところ、木に登ってしまったサト姫を木登りして救い出そうと、ちかという女中も加わる。さらに静寛院宮付きの京方の呉服之間でお針子をしていたもみじも長持に潜んで留まっていた。御中臈のふき、呉服之間のりつともみじ、御三之間のちか、御膳所の仲居のお蛸。女5人は大奥に残り者となって一夜を明かすことになる。真っ暗な江戸城大奥で長局に集まり一夜を過ごす5人。5人に奇妙な連帯感が生まれ、翌日、官軍の目を逃れ、隠れ部屋から抜け道を経て辛くも江戸城から抜け出す。徳川方にとっては驚天動地の事態だった徳川幕府の瓦解。こんなフィクションも楽しいなと思いながら読みました。
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シルヴィー・ヴァルタン

2018-02-04 15:57:31 | コーラス
昨夜は夫が泊まりで1人の夜でしたので、夕食後、合唱の練習をしていました。今の練習曲は、ウィーン我が夢のまち、百万本のバラ、赤いサラファンの3曲が中心です。3月3日に高洲地区交流センターでの第27回作品展発表会で、らららはその3曲を演奏して、時間によってさらに東京物語も演奏するかもしれないそうです。東京物語を全曲演奏するとかなり長時間になります。時間枠が大きいのかしら?練習終了後、女声の居残り練習の2回目があり、踊り明かそうを練習しました。私はメゾソプラノのパートで、踊り明かそうのメゾは難しいです。毎回ほぼ旋律を歌わないアルトの人たちのご苦労がわかります。夕食後の練習でYouTube を見ていたら、シルヴィー・ヴァルタンの1965年のライヴ動画が出てきました。ほっそりとした顔で美脚の若き日の彼女が「アイドルを探せ」を歌う動画でした。ちょっとハスキーヴォイスでコケティッシュで魅力的。当時小学低学年だった私が初めて買ったドーナツ盤のレコードが「アイドルを探せ」だったのです。レコード店にあいにくシルヴィー・ヴァルタンのがなくて中尾ミエさんが日本語で歌っているものを買ってきました。久しぶりにシルヴィー・ヴァルタンの歌、懐かしかったです。彼女は70歳を過ぎた今も元気にご活躍のようで、2017年のライヴ映像もYouTube で観ました。貫禄がでていたけど、今も活躍中と知り嬉しかったです。
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2月の句会

2018-02-01 18:03:24 | 俳句
今日は2月の句会でした。今月は、この1年に作った句の中から自選の10句を1月の句会で事務局のT先生に出しておきましたが、その校正がきました。3月の句会で平成29年度の自選句集ができてきます。楽しみです。これも事務局のT先生のご尽力のおかげです。更に今月の20日~22日までの会期で、退職互助部の趣味のサークルの合同展示発表会がありますので、私たちは発表用の句を三つ短冊に書いてこれも事務局に提出しました。19日午前中に展示準備がありますが、静岡県立美術館に用事があるので、20日の展示作業当日に手伝いに行くつもりです。年度末になると集大成でいろいろあって楽しみです。今月の句会では、私は3句のうち、1句が入選、1句が秀逸に選ばれました。嬉しい。入選句は「熟女らのステップ揃ふ新年会」。秀逸に選ばれた句は「雪国の便り聞きつつ布団干す」でした。フェイスブックを通じて友達になったH江さんのおかげです。暖かい静岡にいるだけでは、思い浮かばない句でした。感謝です。今月の兼題は「冬の波」でしたが、それは没でした。いつも宿題の3句だけですませていた私でしたが、間島先生からお誘いいただき、もう一つ句会「梶の葉句会」に参加することにしました。第二火曜日夜だそうで、続けて行けるか不安ですが・・・。6句作って小短冊に書いて持っていくのだそうです。より多くの句を作って見ていただき、ご指導いただければと思います。
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