トドの小部屋

写真付き日記帳です。旅行記、本や美術展の紹介、俳句など好きなことをつれづれに。お気軽にどうぞ。

パラサイト半地下の家族

2020-12-07 10:35:19 | 映画
ポン・ジュノ監督の「パラサイト半地下の家族」を昨夜WOWOWで見ました。私が見たのは、モノクロの字幕版でした。この作品、カラー作品なんですが、監督が黒沢明監督や、ジャン・ルノワール監督など古典映画の巨匠を敬愛し、モノクロ版製作が長年の夢だったということで、できたものだそうです。観ている側としては、カラーに気を取られず、俳優をしっかり見られて、物語がリアルに迫ってくる感じが良いと思いました。さて、物語ですが、ピザの箱を組み立てる内職をしながら、薄汚い半地下の住まいで暮らすキム一家は両親、娘(ギジョン)、息子(ギウ)の四人家族。貧しいながらそれなりに平和に暮らしていた。他所の家のWIFIを盗んでスマホを使うなど、悪賢いところもある一家だった。ある日、息子ギウは、友人から留学するので、その間、家庭教師を変わってくれないかと頼まれる。教え子は、IT企業社長令嬢ダヘ。ギウは何度も受験に失敗し、大学生ではなかったが受験勉強は豊富にしていたので、文書を偽造し、大学生になりすましてダへの家庭教師に収まる。IT社長のパク一家は、妻、高校生の娘ダへ、小さな息子の四人家族。誕生日の夜、邸内で幽霊を観たトラウマを抱えた幼い息子の心理療法を兼ねた家庭教師に妹のギジョンが、経歴と名前を偽っておさまる。ギジョンの色仕掛けの罠にかかり、運転手も解雇され、後釜に父親のキムが就職する。更に桃に強いアレルギーをもつ家政婦をギウが陥れ、母親もパク家の家政婦になることができた。無職だったキムの家族全員が富豪のパク一家をだまして、就職することができたのだった。ある日、パク一家は息子のためにキャンプに出掛けた。主家族が留守中に、キムの家族は広大な居間で豪華な宴会を楽しんでいた。外は大雨。その時、解雇された元家政婦がインターホンに現れ、忘れたものが地下にあるので、家に入れてほしいと懇願する。急いで居間を片付けて、家政婦を邸内に入れた母親は元家政婦の驚くべき秘密を知ることになる。その直後、パク一家も大雨のためにキャンプをあきらめ、帰宅する。何も知らない夫妻と子供たち。庭でテントを張って寝るという息子を見守るべく夫婦は居間で寝るのだったが、キム家の3人はソファの下に身を潜めてじっと耐える。その晩、大雨の中、辛くもパク家の豪邸から脱出し、自宅に戻ったキム家の3人。自宅は水没し、悲惨な状況になっていた。体育館に避難した彼らだったが、その後、事態はどんどん急展開していく。映画の後半が怒涛の展開で、目が離せませんでした。第72回カンヌ国際映画祭パルムドール賞、第92回アカデミー賞で四部門を受賞した作品。傑作だと思いました。格差社会をまざまざと見せつけたこの作品。すごいの一言です。
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