「偶成」 朱子
少年老いやすく学成り難し 一寸の光陰軽んずべからず 未だ覚めず池塘春草の夢 階前の梧葉已に秋声
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今日の詩吟教室は七言絶句のこの「偶成」の詩だった。
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いつまでも少年ではいられない。またたくまに老いて老いてしまうが、若くして為すべき学問は遅々として進まない。与えられている時間を有効に使ってひたすら学問を追究すべきだという思いが増すばかり。池の周りに柔らかな草が伸びている春に夢見ていた夢が実現を見ないのに、堂に上る階段の前の青桐の葉には秋風が吹いてからからと乾いた音を立てている。無為のうちに、あたら人生が易々と暮れて行くばかりだ。
☆ わたしが高校生の頃に国語の授業でこの詩をお習いした。あれから60年の月日が流れている。
学問が少しも進まなかったので、わたしはこの通りまだ少年でいる。幼い少年のままだ。悔いているのは老醜を曝しているわたしの形骸である。
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