小葱(トクワカ)を摘んで来た。片手に握れないくらいたくさん。
10月がやっと秋を連れて来てくれたので、スンスンスンと音を立てて伸びて来ている。
9月の初めに畑に植え込んでおいた。1月経過した。もう発芽してくれないのではないかと案じていた。
よかった。良い方に転回してくれて。
これだけあれば、素麺の麺汁に加えてあげられる。青々とした匂いを嗅いだだけで、元気になれそうだ。
小葱(トクワカ)を摘んで来た。片手に握れないくらいたくさん。
10月がやっと秋を連れて来てくれたので、スンスンスンと音を立てて伸びて来ている。
9月の初めに畑に植え込んでおいた。1月経過した。もう発芽してくれないのではないかと案じていた。
よかった。良い方に転回してくれて。
これだけあれば、素麺の麺汁に加えてあげられる。青々とした匂いを嗅いだだけで、元気になれそうだ。
誘惑にもいろんな種類があるだろう。
悪いことに誘って悪い方に惑わす、ばかりではあるまい。
よいことに誘って、よくなる方へ惑乱させることだって、あるだろう。
*
川水をコップに掬って、それで誘い水をしてあげると、手こぎポンプから冷たい水が地底から勢いよく溢れだして来る,こういう場合のA→Bは、よい始動であり、よい連結、よい結果になる。
よいこと、よい結果に繋がる原因の役割をしてくれるのであれば、その誘惑はよろこばれることになるだろう。
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混乱した手鞠糸の、初めの糸を見出してくれたら、それでするすると混乱が解けることになって、次のステップに移動できることになる。初めの糸筋を提示してくれるのも、それも誘惑といえるかもしれない。
混乱、惑乱が、するすると解けて行くというのは快感だ。
快感を誘い出して、次のステップを誘い出す。それを導き出してくれるのも、それも誘惑効果かもしれない。
*
秋が来ている。秋は、わたしにさまざまな誘惑を仕掛けてくれそうに思える。秋が提示する甘い砂糖のような誘惑に乗ったら、わたしはとろとろとろけだしてしまうかもしれない。
それを待とう。秋の誘惑を待とう。
日差しが暑い。午前中、しばらく畑に出た。里芋を掘った、畝の一列だけ。親芋だけは、土の中に残っていた。子芋は甚だしく小さい。
なにしろ、この数ヶ月の連日の猛暑。里芋は暑いのが苦手の植物。茎も葉も焼け焦げて枯れてしまったので、デンプン製造が出来なくなった。
でも、掘り上げた。赤芋は親芋も食べていいらしいから、棄てずにおいた。水洗いを丁寧に繰り返して、それを台所に運んで、包丁で厚く皮剥きをした。手、指、腕が痒くなってしまった。
今夜料理してもらうつもりだ。さて、食べられるかどうか。でもまあ、家の中に湿っぽくしているよりはましだった。
外は暑い。スコップを使って芋を掘り上げて、それから地均しをするだけで、汗びっしょりになった。
友人が昨日、釣って来たヒラマサを捌いて刺身にしたものを届けてくれた。すまない。
夕食に早速頂いた。うまかった。
彼は葡萄栽培も得意だ。で、最後の葡萄という高級葡萄も一房届けてくれた。有り難い。
3時のお八つで食べた。高級品種の味がした。
*
気が退ける。僕は友人にはなんにもしていない。お返しするものがない。感謝をするが、その後で、悪いなあと思う。
友人は人思いが深い。だから、わたしにだけではなく、多くの人に利他をしている。わたしには利他が湧いていない。ずいぶんの違いだなあと思う。
人様は、いったい、何をしておられるだろう? 何をして楽しんでおられるのだろう?
お散歩かな、山登りかな、スポーツかな?
せっかく生きているんだから、楽しんでいるべきだと思っているんだが、このお爺さんは、無意欲症状を呈している。
日本晴れの秋空になれないでいる。どうすればいいんだろう? 無意欲は鉄球のように重たい。
今年は薩摩芋が不作。我が家の畑では。植え付けた苗が10本で450円したから、1本で約45円。みなおいしいベニハルカ苗。
1株掘って、中くらいの芋が1個しか収穫できない。0個の個所も数株あった。これでは元手がとれない。連日の猛暑のせいだろう。
腐らせずに貯蔵すべきだ、いままで以上に用心をして。我が家は芋好きだから、寒い冬が来るまでには食べ尽くしてしまうだろうけど。
なんでもいいから、興奮を覚えてわわわわって叫んで走りだすようなことがないかなあ。
まるで興味を示さない。なんにも興味を示さない。このところ数日、何かヘン。お爺さんはヘン。寂しいばっかり。
せめて、おいしいものにくらいは興味を示してもよさそうなのに。食欲もない。何処かへ行って見たいという気持ちも起きない。
「ものごとに興味を起こす薬」なんて薬はないのかしらん? 鬱症状改善薬を飲めば改善するかもしれない。
国スポが始まった、当県で。国民スポーツ大会の略語らしい。それすらも知らなかった。開会式に、友人夫妻は、出て行くらしい。開会式参加の当りクジで当たったことをよろこんでいた。
天皇皇后両陛下が会場に姿を見せられた。県民はこぞって小旗を振って歓迎した。
開会式前日のリハーサルで、ブルーインパルスが試験飛行をした。撮影記録がスマホで飛び交った。開会式は生憎の曇り。ブルーインパルスの空中遊覧は、天候不順で、中止になった。
近くまで、その空中サーカスショーを見に行った人たちはさぞがっかりだったことだろう。家内も城原川の川土手まで、時刻に合わせて、見に行った。たくさんの人出だったらしい。
僕は? 僕はまるで無関心。あらゆることに関心が持てない。だから、国スポにも関心がない。県民失格だ。新聞は写真写真写真を掲げて大袈裟に書き立てているが、それを読む気にもならない。老人性鬱症状が出ているらしい。