どうにもならない。どうにもならない。それをどうにかする。こじ開ける。ペンチとスバナ。こいつでこじ開ける。うんうん唸る。明かりが洩れて来る。もう少しだ。もうあとちょっとだ。
どうにもならない。どうにもならない。それをどうにかする。この努力が人間の努力だ。人間になる努力だ。
夏の空に雲が湧く。すういと湧く。雲は夏の元気。僕に元気を送る。僕はそれを受ける。二人は楽しいキャッチボールをして遊ぶ。おおい。おおい。おおい。
夏の海を船が行く。ゆっくり行く。船は夏の絵の具。僕に絵の具を送る。僕はそれを受ける。二人は楽しいキャッチボールをして遊ぶ。おおい。おおい。おおい。
夏の山に夏が来る。すっくと来る。夏は夏の中心。僕に中心をくれる。僕はそれを受ける。二人は楽しいキャッチボールをして遊ぶ。おおい。おおい。おおい。
即興詩 「うらら 春のうらら」
うららうらら／うらうらうらら／春のうららが／スカートを広げて／踊る／スカートは／水平線まで広がって／広がって行ったら／イルカがジャンプをして／捕まえた／
なんだあ／スカートを／履きたかったのかあ／うららうらら／うららを踊る
うららうらら／うらうらうらら／風のうららが／スカーフを被って／踊る／スカーフは／地平線までかぶさって／かぶさって行ったら／イタチがジャンプをして／捕まえた／
なんだあ／スカーフを／巻きたかったのかあ／うららうらら／うららを踊る
夕暮れの僕の即興詩 その２ 「げげげ げげげ」
げげげ／げげげ／げげげ／イボガエルが／げげげ
げげげ／げげげ／げげげ／ツチガエルが／げげげ
げげげ／げげげ／げげげ／ガマガエルが／げげげ
げげげってね／あのね／気持ちいい／ってことだよ
いまここにいる／それが／気持ちいい／ってことだよ
げげげ／げげげ／げげげ／イボガエルが／げげげ
げげげ／げげげ／げげげ／ツチガエルが／げげげ
げげげ／げげげ／げげげ／ガマガエルが／げげげ
げげげってね／あのね／生きている／ってことだよ
青空の下で／下で／生きている／ってことだよ
夕暮れに書いた僕の即興詩 「ほんわかほんわか」
ほんわかほんわかしています／僕は／ほんわかほんわかしています／なんでも美しく見えているのです／人間が人間を好きになるってこんなこと？／こんなにふしぎなこと？／世界がぜんぶ美しいのです／ぜんぶがぜんぶ輝いているのです／
ほんわかほんわかしています／僕は／ほんわかほんわかしています／なんでも美しく見えているのです／人間が人間を好きになるってこんなこと？／こんなにふしぎなこと？／夕焼け雲が／笑っています／笑った顔がやさしく見えるのです／
お昼からの僕の即興詩 その３ 「人間たちのキッス」
人間たちが／キッスをするって／どういうこと？／風が尋ねた／悟った雲が答えた／
人間たちが／キッスをするって／好きだってことだよ／
お互いを嫌っていたら／キッスは出来ない／憎んだり恨んだりしてたら／キッスは出来ない／戦争をしていたら／キッスは出来ない／
キッスをしない人間たちもいるのかい？／風がまた尋ねた／見たことがないね／キッスをしない人間たちなんて／見たことがないよ／悟った雲が悟った顔をして答えた
お昼からの僕の即興詩 その２ 「地上の元気」
若者たちがいる／元気な若者たちがいる／集まって来て／元気いっぱい歌を歌い出した／それを雲が聞いている／聞いている雲が元気になった／それを野原が聞いている／聞いている野原が元気になった／この地上に若者たちがいることが／嬉しいのだ／元気にしているということが／嬉しいのだ／その様子を眺めていた風が／東から西に向かって吹きだした／西から東に向かって吹きだした／元気が／明るい大きい顔をして／みんなの間を歩き回っているのが／嬉しいのだ
お昼からの僕の即興詩 「コスモスにはことばがない」
ことばを持たないコスモスは／黙っている／黙って咲いている／「咲いているよ」っていわない／言わないでもいいのかしらん／
言わないでもいいらしい／言わないでもいいから／黙っているらしい／黙って花を咲かせている／咲いている姿が／ことばなんだろう／
コスモスの咲いている花園に来ている／花園の中を歩く／やさしいやさしい言葉を聞いて回る／
猛暑日。外は３７度を記録した。老人は、ことさら、この暑さに対処できない。冷房を効かせた家の中に、黙って籠もっているしかない。この暑さが当分続くらしい。日本列島の住人は乗り切れるだろうか。乗り切らねばならない。外で働いておられる人のご苦労が偲ばれる。
老人の僕は、外に出ての肉体労働が出来ない。それを申し訳なく思う。
ああ、よかった‼️
家内の検査結果は異常なし。医師の診断が得られた。明日ではなく、今日に。ほっとした。MRIの検査だった。脳内の血管は詰まったりしてなかった。
家内には元気にしていてほしい。僕より長く生きていてほしい。僕の死を看取ってほしい。
