小田急中心の模型のブログ

Nゲージで私鉄電車を楽しむブログです。
旧小田急中心の模型のページ(2003~2014)の製作記も再掲載しています。

かっこいいTKK8000がほしい。 その1

2020年01月29日 20時59分54秒 | 東京急行
2020年になりました。
本年もよろしくお願いいたします。

新年の一作目は何にしようか・・・?ずいぶん考えました。
昨年買ったイエローの阪和もいいし、ジュラ電も作りたいナ・・・と思いましたが、
これらはその車が欲しいという気持ち以上に、キットに対する好奇心が強い。
すなわち「作ってみたい車」です。
対して、妥協できない→作るのは気が重いが、一生のうちに必ずモノにしたい、
納得のいく出来栄えで手に入れたい車も年に1作くらいはやりたいと思いました。
いろいろ思案する中で出てきたのが、TKK8000。
4年ほど前にガレージマニアの素材を中古で入手したものの、
若干天地寸法が不足気味(屋根をコンバートするGMキット準拠?)なのを
うまく解決する術が浮かばず保留になっていました。
ある日唐突に思い付いた方法を試したところ、何とかなりそうなので、
まずは一番の山である前面からとりかかることにしました。


長い前置きでしたが、ガレマニの顔はこんな感じ。
このまま使う可能性も微レ存ながら、若干つぶれ気味の顔に見えなくもない。
GMキットの顔を加工する、切妻だからいっそのことプラ板でスクラッチなどを
検討していましたが・・・


鉄コレの顔が案外悪くない。
はめ込みガラスのクリアランスがやや緩めなことを修正すれば
化けそうなので、ひとまず1両試作してみたところあっさりできてしまった。
それではということで反対側の先頭はつぶさに工程を撮りながら作ってみることに。
日頃なら飛ばし飛ばし説明するレベルの工程まで掘り下げてご紹介してみたいと思います。


とりあえずモールドを削りますが、
いきなり深剃りするのは無用な傷をつけるもとなので、
薄く薄く削ぐように進めると○
じれったくてやってられない(結果を急ぎたくなる)時はたぶん疲れているので、
無理してやらないことにしています(だからなかなか進まない)


ひととおりモールドを削ったら、
行き先表示窓を開口する下準備をおこないます。
ちょうど開口したい部分に天井板があるので、まずはこれを撤去します。
レール方向にカッターで何度か切れ込みを入れます。


裏から見て白い筋が見えてくるくらいまでで大丈夫です。


ご覧のような角度でニッパーを入れると切れ込みのラインで勝手に割れてくれます。
肉厚があるので、カッターだけだとなかなか大変→完成後にさして影響しない箇所は
こんな感じでさくさく進めます。


外板部分もけっこう肉厚があるので、
そのまま小さな表示窓の形に穴あけするのが大変です。
まずはリューターで薄くしていきます。
気を付けないとあらぬところにビットが当たり、使い物にならなくなるので
工具と車体双方をしっかり保持します。


リューターだけで完全に仕上げようとせず、
目標の2/3くらいまで来たらカッターに交代。
ご覧のような角度で薄く薄く削いでいきます。


エッジを出す時にはこの角度で刃を入れます。


こんな感じに仕上げておくと、
のちのちステッカーを貼ったプラ板で裏打ちするときにラクです。


説明の都合上前後しますが、表示窓にはこんな感じで
ドリルで穴を開けて・・・


つないで角穴に仕上げます。
薄いプラ板ならいざ知らず、t0.3を超えたくらいからは
極力最後の仕上げまでカッターに頼らない工法を採ったほうがラクです。


お次は前面窓です。
今回はHゴムをプラ材で作り直しますが、
そもそも窓の開口部がやや大きめなので、
一旦埋め込んでからHゴムを付け直したいと思います。
窓埋めに用いるのはタミヤのt0.5プラ板。

まずは開口部の天地ピッタリに切り出して、
こんな感じに手を放しても落ちないくらいの加減に調整します。


横の寸法は5.2mmくらいなので、カッターの刃先で印をつけて・・・


プラ板と定規の上辺をしっかり合わせて垂直を出しつつ、切っていきます。


一番左の辺はカッターの刃がやや内側に倒れすぎ、
真ん中が理想的な刃の入り方です。

片割れは右のような状態になりますので、
きちんと垂直になるよう一度切ってから使います。


横もピッタリになりました。


隅にRを付ける時は、まずカッターで角を取ります。
これをヤスリでさらに丸く仕上げていくので、
最初の面取りはあくまでも控えめにしておきます。


いま切り出したプラ板は、あくまでも一度窓埋めをするためなので、
外板とツライチ~気持ち出っ張るくらいの塩梅ではめ込みます。
裏からMr.セメントSP(速乾タイプ)を流し込み、
おじさんの息をふーっと吹きかけて乾かしたら液状瞬着で補強します。
瞬着硬化促進スプレーで固めて、さっさと次の工程に移ります。


両側ともはめ込んだら、ドリルで穴を開け、カッターで繋ぎます。
これも貫通するまでカッターの刃を入れる必要はありません。
前述の天井板と同様、裏に白い筋が浮かぶくらいまで切れ込みを入れたら・・・


ピンセットでひねると穴が開きます。


カッターで多少整えますが、この段階ではまだラフです。
Hゴムを上から接着した後、細かく整えていきます。

ちょっとわかりにくいのですが、はめ込んだプラ板の周囲に
微妙な隙間が見えます。
これはハメコミの精度もさることながら、ボディ側の
肉厚方向に若干のテーパーがかかっている(抜き勾配)せいなのでは
ないかと思います。
プラ板を少し出っ張り気味にはめ込んで、真ん中を抜けば
いきなりHゴムを構築できるのにわざわざ一度埋め込むのは、
このテーパーによってHゴム周囲にスキマが出来るのを改良するためです。
黒Hゴムだったり車体の色が濃いならともかく、
今回はシルバーの地に白Hゴムなので、手を抜かずにいきます。


はめ込んだプラ板の周囲にガイアの瞬着カラーパテを塗布します。
何色でもいいのですが、地の色を問わず埋めたところがわかりやすいので黒を愛用しています。


やや話が脱線しますが、
実車の形式図を見ると、基準面間=おそらくコルゲートなどの出っ張りを除いた左右の外板同士の間が
2760mmとのこと。
150で割ると18.4mmとなり、測ってみるとガレマニの前面・妻板はほぼスケール通りでした。
従って今回、妻板はそのまま使うことにしましたが、
比べてみると鉄コレはやや細身なので、幅を揃えるために前面左右にt0.1のプラペーパーを接着します。


左右の拡幅部分にもカラーパテを盛り、先ほどの窓周りとまとめて紙やすりを当てることにしました。
使うのはウェーブのスティック紙やすり#400で、ハードとソフトがあります。
個人的にはソフトタイプが使いやすいです。
カラーパテが削れて平滑になったら、同じシリーズの#600→#1000と続け、表面を整えておきます。
今回は横着してしまいましたが、できれば#800を挟んだほうが良いかも。


黒くなっているところがカラーパテ。
切削性が良いうえに埋めたところが一目瞭然なのでとても便利です。

貫通扉はそのままでもNGではありませんが、
ガラスのクリアランスが緩いのは同じなので、今回はくり抜いてしまいます。
これまで同様ドリル穴を開けて、繋ぎます。


くり抜いた図。
画像の状態ではまだ縦の辺に銀の塗膜が見えて、もうちょっと削ったほうが良いとわかります。
今回のように白い樹脂で成型されている場合、透けてしまって削れ具合がわかりにくいので、
塗装を剥がさずに作業するとラクです。


削りすぎないように注意しつつ、先細りの金ヤスリで仕上げていきます。
この手の「辺」を削るようなケースに平ヤスリは不適で、左右ばかりが削れて
真ん中が残りがちなように思います。
時間はかかりますが、先細りタイプで少しずつ削ると作業しやすいです。

なお、ほとんど触れてませんでしたが、
オデコの急行灯と腰の尾灯は予め虫ピンでマーキング(ポンチ)しておき、
前照灯の拡大共々ドリルで穴を開けてあります。


貫通扉はトレジャータウンのTTP213-01(7200系用手すりセット)に含まれるものを使います。


ただし、窓上を少し詰める必要があります。
ここでもやはり先細りのヤスリで垂直と平行に注意しつつ削り込んでいきます。
幌枠が角ばっている1次車ならば右の状態でOKですが、
今回は個人的な好みで2次車にするので上の角も丸く削りました。

実車の前面は、左右の窓は外板に直接Hゴムがはめ込まれている(すなわち外板より出っ張っている)のに対し、
貫通扉はプレスされた凹みの中にHゴムがはめ込まれています。
市販完成品のはめ込みガラスではとかく見逃されがちな部分・・・というか量産上追いきれない部分なのでしょうが、
せっかく手作りするならパーフェクトを目指すのも楽しいと思います。
2018年に作ったOER5000では窓埋めのプラ板を少し引っ込ませてはめ込み、
外板とツライチになるようプラペーパーを貼り重ねて中を抜きましたが、
今回は運よく流用できるパーツがあり、ラクをしました。


はめ込んでみた図。
まだ接着しないのでラフですが、それ以上に気になるのが
扉をくり抜くときに、上辺が若干斜めに削れていたこと。
さっそく修正します。


カラーパテ大活躍。
エッジを出す時は、大まかに盛ってから先に平面を出して、そのあと先細りの棒ヤスリでエッジを出すとやりやすいです。


無事修正完了。

Hゴムはタミヤのt0.2プラペーパーより。
貫通扉のHゴムと天地が揃うよう、若干元の位置より下に寄せて付けました。


隅のRは念入りに調整します。
カッターで控えめに角を落とし、先細りの棒ヤスリで修正しますが、
今回はちょっとRが緩めだったようです。実車は案外角張っています。


ドリルで穴開け→繋いで角穴


丸い棒ヤスリで先に隅のRを付けて、それを先細りの棒ヤスリで繋いでいく・・・という流れです。
先に隅、あとから辺とすることで隅の削り過ぎを防げます。
画像の状態はまだ若干削り不足。もうちょっと細く削り込みます。


だいぶ画像が多くなってきたので次の工程。
行き先表示窓はすでに穴が開いているので、
上からt0.2のプラペーパーでHゴムを設けます。

さっき明けた穴はかなりラフなので、
マスキングテープでガイドを設けて、そこに収まるようにHゴムを配置します。


ドリルで穴を開けて繋げます(n回目)


若干失敗気味。このあとめちゃくちゃ修正したけど、
微妙に納得いってないので付け直すかも。


・・・という流れで顔が出来ました。
ディテールを仮付けした図。
左の前面が今回工程画像を撮影したものです。
窓下のリブはt0.2のプラペーパーを細く切り、
左右の端部は厚み方向を斜めに削りました。

幌枠はクロポのTKK7200用パーツセットより、
急行灯・尾灯はトレジャーのTTP213-01(TKK7200手すりセット)です。
前照灯はトレジャーのTTP161-61です。
1次車のやや厳つい顔つきに対し、2次車以降のやや柔和な表情は
幌枠上部のRもさることながら、この前照灯の変更によるところが大きいのではないかと思います。
今回は8011F~8019Fのいずれかを作る予定です。
無線アンテナが送信・受信用に2個ついた姿がやりたいので、S48年ごろの時代設定になるのかな?
たぶん続く・・・
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