小田急中心の模型のブログ

Nゲージで私鉄電車を楽しむブログです。
旧小田急中心の模型のページ(2003~2014)の製作記も再掲載しています。

小田急2600形非冷房車製作記(2008~2010年版)その1

2011年09月27日 20時35分06秒 | 小田急2600形(2008年版)
***この製作記は2008年5月から2010年3月にかけて、
本サイトへアップしたものです。当ブログに移転の上掲載を継続します。
なお、完結済み製作記の為今後の新規更新はしません。2011.09.27***




■小田急2600形非冷房車製作記(2008~2010)その1■
地元私鉄だからといって贔屓しているわけではないのですが、
小田急の通勤電車は1100形から最新鋭の新4000形まで、
「これは受け付けない・・・」というようなものはほとんどなく、大体どれでもOKです。
しかし、当然のことながら気に入っているものの中でも
やっぱり「一番」というのはありまして、私の場合それは
冷房がない時代の2600形でした。特にアイボリー塗装に
なった直後、昭和40年代半ばにはまだ灰色のHゴムというのが
残っていたようで、それらが合わさった、冷房もスカートもなく
加えて明るいカラーリングに上品な印象の窓周り・・・写真でしか
見た事がありませんが、その姿は軽快そのもので、自分の理想を
詰め込んだような仕様でした。

まぁ、そんなですからこれまでに何度となく模型作りも試みてきたのですが、
あいにく材料・技術ともにあまりにも足りないものが多すぎて、頑張りはした
もののおよそ納得のいくものにはなりませんでした。
そして、基礎的な工作技術が未熟である事や、単純に重工作をする元気が
なかったことなどから、長い事「きちんとした」2600形の製作はして
きませんでしたが、5000形が2編成、そして5200、4000(尤も4000は
妥協の産物ですが)と揃えば、やはりそろそろ2600形が欲しくなるのは
ある意味当然の流れで、ここしばらく「あのキット」をじっくりと作って
いなかった事もあり、そろそろやってみるか・・・となった次第です。

さて、いつにも増して前置きが長くなりましたが、このページでは
2600形非冷房車の製作の様子を、作業が進むごとにアップして参ります。
細部まで理想を追い求めた結果、プロトタイプは大変絞り込まれたものとなり、
昭和44年夏の2662Fで決定済みです。

仕様としては新塗装・非冷房・スカートなし・灰色Hゴム、密自連・・・というもので、
大体44年の春頃に塗装変更が行われ、9月には一斉に連結器の交換が
行われた事を考えると、夏の間だけの仕様になるというわけです(´∀`)
編成番号からお分かりの方も多いかもしれませんが、2661F、2662Fは
かの「お買い物電車」塗装を経験した編成で、今回の仕様はその塗装から
アイボリーに青帯のいわゆる「新塗装」に塗り替えられた直後のものという
ことになります。

ところで、当時の写真を見る限り、灰色Hゴムの編成もサハに限り黒Hゴムだったようですが、
このサハというのが興味深い車両で、基本的に全編成が黄色+紺色の「旧塗装」時代に
製造された2600形にあって珍しく「旧塗装」を経験していない車両っぽい気がしてなりません。
というのは、当初5連で登場した2600形の6連化時期が前述の「お買い物電車」塗装の
時代(S42-11~S44-5くらい?)とほぼ重なり、当時お買い物電車塗装の2661Fと2662Fの
増結用サハに関しては編成に合わせてお買い物電車塗装で新造されたらしいのです。
この2本と同時にお買い物電車塗装となった4001Fは短期間で旧塗装に戻ったようですが、
2600形の2本に関しては旧塗装を経ずに、恐らくお買い物電車塗装からいきなり新塗装に
なったため、結果としてサハ2761、2762は一度も旧塗装を経験していない・・・となるわけです(多分)

どうでもいい推測交じりの薀蓄を垂れてしまいましたが、まぁそんな不思議な経歴の
車両が混じっているというのもこの編成が好きな理由の一つという事で(^ω^)

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2008年5月17日



いきなり前面加工が済んでいる図(´∀`;)
逆に、この前面の加工がある程度上手く行かない
限り、製作記を書き始めるつもりはなかったとも
言えるんですが・・・。

下で加工前の前面との比較画像を掲載しますので、
違いなどについてはそちらに書かせて
いただきますが、やはりこれまで同様かなり苦労
しました。加工そのものの難易度が高いというよりは、
貫通扉の窓をやたら小さく作っちゃって作り直したり、
パーツの取り付け穴の位置がおかしかくて度々
修正したり・・・という、初歩的なミスによる苦労
なんですけどね(´Д`;)

とりあえず修正を重ねてある程度のレベルまでは
持ってきたつもりですが、しかしそれでも2つの
前面で窓のRが微妙に違っていたりして(右の顔の
ほうがちょっと角ばった窓になってますよね・苦笑)、
技術不足を隠し切れない結果となったのは残念な
ところです。今回は仕上げ段階でどうにかなる(する)
と考えてそのままとしましたが、ここまで仕上げた
時点でどっと疲れてしまい、なかなか次の作業に
進めません・・・。




左側より、今回の改造前面、そして1年半ほど前の
06年秋に製作の改造前面、製品状態の前面です。
無加工前面の窓がやや高い事や、行き先表示窓が
妙に縦長な事などがおわかりいただけると思います。
仕上げ次第でだいぶ変わるのでしょうが、実車と
見比べると難があるのも確かで、以前よりこれを
実車の顔つきに近づける工作を繰り返してきました。
真ん中の06年製作の前面は、出来た当初は
我ながら上手く作ったものだと自惚れたものでしたが、
今回製作の前面と見比べると、一ヶ月くらい
寝てなさそうな勢いのクマや、やたら角張った窓、
分厚いHゴムなど、およそ成功とは言いがたいもので、
知らぬ間に随分見る目が厳しくなったものだと感じて
いるところです。(*´∀`*)

今回分も大まかな構成は06年版とほぼ同じですが、
06年版でクロポのFM用に挿げ替えたヘッドライト
ケースは、今回はレンズを入れられるよう穴を開ける
に留め、ライトケースそのものは元のものを使って
います。手すりや種別表示窓・行き先表示窓は
いずれも今回分・06年版ともにクロポのFM用で、
標識灯はTAVASAの私鉄用(PN-032)です。




いつもそうなんですが、この前面加工を余裕で
こなせるという事は決してなく、毎度その時々の
自分の技術を全て投入するくらいの勢いですので、
作っている最中は本当に必死です。そのため、
写真を撮る余裕はなく、製作途中の写真というのが
これくらいしかないです(ノД`)ごめんね・・・

工作はまず貫通扉をくり貫いてしまい、両側の
窓の位置を下げる事から始めました。この窓の
位置を下げる作業は、NゲージマガジンNo.38に
掲載の2600形製作記事を参考に進めました。
窓周囲の窪みを、上側と貫通扉側では瞬着で
埋め、残りの2方向では削り広げる事でなくし、
最終的に開口部の大きさを縦5.8mm、横4.5mm
にする・・・という感じです。記事では窪み埋めは
パテで・・・とありましたが、私の場合塗装に
失敗する事が多く、薄め液に漬ける事が少なく
ないため、やり直さずに済む瞬着を使いました。
まぁ、最終的な微調整で少量のパテは使っちゃ
いましたけどね・・・。また、前述の06年版前面の
反省というわけではないのですが、窓を削り
広げる時には丸ヤスリを使うなどして隅にきちんと
Rを付けるように心がけました。

それが終わったら開口部の大きさピッタリに
切り出したt0.5プラ板を、表面よりやや窪むように
(窪みすぎると“クマ”が深くなりすぎる)はめ込み、
タミヤセメントの緑キャップを流し込んで固定
しました。そして、よく乾燥させた後、中央に適当な
穴を開け(左の画像はこの状態)、この状態から
ヤスリで削り広げていきました。窓の下辺は
“クマ”になる部分(Hゴム下辺~窪み下辺の
スペース)を残して削り、他の辺は0.2ミリほど
削り残す感じにしました。そこにエバーグリーンの
厚さ0.25mm×幅0.5mmのプラ材を巻いて、Hゴム
としました(プラ材の断面でHゴムを表現する)
このHゴムも出っ張りすぎるとやたら“クマ”が深く
見えてしまうので、張り出し具合は少しだけに
なるよう調整し、加えて隅のRにもきちんと密着
するよう、緑キャップを流し込んだ後ピンセットなどで
丹念にくせを付けました。
これで運転席窓・助手席窓は出来上がりました。

続いて貫通扉ですが、これは元のをいじるのは
相当困難という事で前述の通り一旦くり抜いて
しまっていますので、開口部の上部を少し埋めて
上下方向の寸法を若干縮めた後でプラ板で新製
した扉をはめ込みました。具体的な寸法は忘れて
しまいましたが、左右の窓とのバランスを見つつ
調整していきました。Hゴムの表現も左右の窓と
同様エバグリのプラ材によるものですが、左右の
窓がHゴムを出っ張らせたのに対し、貫通扉の窓は
Hゴム部分を一段窪ませます(プレスにより一段
窪んだところにHゴムがある)

ここまで出来たら種別表示窓・行き先表示窓を
取り付けますが、これの固定は5200形と同じです。
そして、それが済んだら標識灯やらヘッドライトやらの
穴を開け、最後に手すりを取り付けて上の画像の
状態になりました。まぁ・・・実を言うと今回は手すりを
付けた後になってどうしても貫通扉の出来に納得が
いかなくなり、手すりを曲げないようヒヤヒヤしながら
扉の交換を行ったりしたわけですが・・・。途中で変に
妥協すると後で苦労が倍になる事を学習しましたので、
今後納得がいかないパーツはおとなしく放棄する事と
なりそうです(^^;)




ちなみにこちらはまだ試作段階なのですが、今回
側面の二段窓はこのような構成になりそうです。
まぁ、素材の色が出ていますので詳しい説明は
あまりいらないかもしれませんが、一応簡単に
書いてみます。
まず、元々の9000風の側窓のうち、上辺の
サッシは残しておき、隅のRだけ
カッターで除去して角窓化。そして、中柱も
細く削りました。当然のことながらこの時
両側から均等に削っていく必要があり、私は
予め柱の真ん中に線を引いておき、その線だけ
を削り残すような感覚で柱を細くしていきました。
この後は下段から上段の順番で、前面Hゴムにも
使ったエバグリのt0.25・幅0.5ミリのプラ材にて
窓枠を構築していくだけです。工作が雑な事も
あって自信満々の仕上がりとはいえませんし、
数が多いということで均一に仕上がるかという
問題はありますが、これまで中々再現できな
かった「立体的な田の字サッシ」が、一応は
実現しましたので、今回はこの方法を採って
みたいと思います。

ちなみに、戸袋窓のHゴムの加工も試してみました。
自分で編み出した方法ではなく、この世界の大先輩
の方法をそっくり真似させていただいたもので、
元のHゴムの輪郭を、ダルマ画鋲の針だけ抜き取った
やつである程度の深さまでなぞる(ピンバイスにくわえ
させる)→結構深くまで彫る→Hゴム(の出っ張り)を
削る→先ほどの彫り込みにたまったプラのカスを取り
除く→太すぎるHゴムを細く削り込んで、あとは微調整
・・・という具合です。手間はかかりますが、実車のように
プレスで一段窪んだところにHゴムが入っている様子
(Hゴムそのものは外板から出っ張っていない)が再現
できますので、これで色差しが決まれば相当リアルに
なるものと思われます。ただ、二段窓以上に数が多い
ため、全てを均一に仕上げるのはかなり難しいと
思われ、最大限丁寧に、そして根気強く進めることで
仕上がりの差を極力抑える・・・という
程度になりそうです。

あとは、ドア窓もやや角張っていて彫りが浅いので
(ただし先頭車側板の片方はやたら深い・・・バラつき
があるんですね)何とかしたいところですが、
今のところ良い方法は思い浮かびません。

---
2008年9月12日



3000形製作記以上に久々の更新となって
しまいましたが、いよいよ側面の工作に
着手しましたので、今回はその辺を
ご紹介致しますヽ(´∀`)

側面に取り掛かって最初に手を入れたのは、
前面に続く重要項目である二段窓です。
方法としては前回更新時の最後に触れた通り、
エバーグリーンの極細・極薄プラ材を用いて
窓枠を自作するというものです。前回試験的に
作った際には手持ちの0.5mm幅のプラ材のみで
頑張っていましたが、今回は同じ薄さ(t0.25)で
幅が0.75mmのプラ材を加えて使い分ける事で、
より柔軟な工作ができるようにしました。

この作業については今後嫌になるほどやるはず
なので、その工作の進行をレポートすると同時に、
製作過程の写真を交えてより詳しくご紹介する
予定です。こういうのは、多分出来上がったもの
を見せてココをこうしました・・・と説明するよりも、
作ってる途中の写真をご覧いただいたほうが
分かりやすいと思いますので・・・
もう暫くお待ち下さいm(__)m

とりあえず先行して先頭車一両の片側分が
出来上がりましたので、残りの側板を同じレベル
まで進めた後、他の加工に取り掛かろうかと
思っています。

ちなみにコレもまた改めてご紹介する予定
なのですが、今回は大型通勤車特有の
「ふっくら感」を出すため、側板の裾を僅かに
切り詰めてみました。このふっくら感は特に
スカートがなかった頃の写真を見るとよく
わかるのですが、GMキットの場合、特に
正面から見た時にどうも縦長すぎるシルエットに
なりがちなので、試験的にやってみた次第です。

・・・ともっともらしく説明してみましたが、
実際のところは凄腕モデラーが作った作品を
真似したものです(^^;)




コレを再現したかった!
これまでキット付属の印刷窓や、タヴァサの金属
サッシを使った時に不満だったのがココなのです。
実車の写真を見ると、こういう角度、或いはもっと
正面側から側面を「すかして」見たような角度
であっても、二段窓の中桟が目立つのですが、
前述の方法の場合、サッシを側板裏側から貼り
付ける構造のため側板の板厚の分だけ奥まって
しまい、確かにサッシ自体はシャープで見栄えが
良いのですが、こういう「すかした」角度で見た時に
その存在が全然目立たないのです。
それをどうにかしたいというのが、
今回のプラ細工をやる発端になりました。




接着剤のはみ出しが目立って
お恥ずかしいのですが・・・
この「田の字型」サッシも今回ちゃんと再現
したかった部分です。

前にもどこかに書いたかもしれませんが、
前述のタヴァササッシとか市販完成品からの
はめ込みガラス流用(4000形製作時に比較しました)
の場合、どうしてもサッシが「三の字型」になってしまい、
シャープに見える反面、自分のイメージする小田急の
二段窓とはちょっと違っていました。
以前マイクロエースが2600を発売したとき、
ややオオゲサにも見える二段窓表現は賛否両論
でしたが、個人的にはあれくらいの表現でも良い
と思うくらいなので、今回2600形を作るのであれば
やっぱりちゃんと「田の字型」で・・・と思った次第です。




前面と合わせてみた様子。
まだ片側分しか出来上がっていないのでこんな具合
ですが、早くも箱組みが楽しみになってきました!

こうしてみると乗務員扉をどうするか非常に迷うところ
ですが、スッキリ仕上げられるかどうか非常に怪しい
ところでもあり・・・ラクな方向へ逃げたい思いと、
この際だからキッチリやろうという思いがぶつかって
いるところです(´Д`;)

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