のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1926

2021-07-26 00:36:57 | 新しい子猫たち 
あの女の子を狙う 魔の手はいくつか 向けられていた。


あの女の子は地方の資産家の娘、ピアノでも習えと云うのを振り切って将棋を指していた。


この資産家は地方の山脈と云ったら大袈裟だったが幾つもの山を持っていた。その山と隣接する山から レアメタルが出せていた。これは秘密だったし、山の奥で 地下鉱山スタイルで発掘していた。レアメタルは不思議な出方をするが、調査してみたい気持ちが香奈オフィスにあった。汚い仕事は 瑠璃興業が受け持つ。瑠璃興業はあの手この手を考えていた。この子は地域でも有名な美少女。将棋が強い 女の子としても有名。


そして資産家はこの女の子を溺愛していた。元々 綺麗な奥さんを あの手この手で落とし、やっと出来た子供がこの子。ドンドンと綺麗になっていくと目を細めていた。男の子も出来たが この子は自分に似ている。ずんぐりむっくりのドンくさい子、自分を見ているようだった。その子は心配はしても可愛がるとは次元が異なる話。


この資産家は ちょっと山っ気があるが損するにはイヤ、神之助傘下に入った証券会社の大切なお得意先。神之助傘下の証券会社でも神之助グループが運営しているファンドには通常の客は入れないが、この証券会社は特別ですよといいながら出資を認めた。この資産家のゼニが魅力だった。


神之助グループの神のような運用の魅力にこの資産家もハマった。出資した資産はもう三倍にもなっていた。もう直ぐ利益分の返却の時期が迫っていた。もっともっと出資を維持したいと この資産家がいうのを証券会社は限度がありますからと抑えていた。神之助グループの金庫番のオッサンの耳にも入った。あの子の父親なんだね と言って、特例の特例だよと言って、倍の増額出資を認めた。増額出資と言っても儲けを全額引き取って欲しいという要請にたいして引き取り額を減らしただけの話。元々出資金そのものの保証はしませんよと云う前提ではあった。


相場は確実はないですし、余裕をもった出資が必要です。またチャンスがあったらお誘いしますからと部下に わざわざこの資産家に言いに行かせた。こんな事は神之助グループはしないのが普通。自己資金はあり余る程あるのに。金庫番のオッサンは ひょっとしたらと思っていた


実はあの女の子は最初号泣したが 涙を抑えた感想戦で流石にナニかいわないとマズイと思った男の子が 序盤の手を褒めた。あの緩手の背景の意図も聞いて、それも褒めた。ただあの手はまずかったですねと 取りなした。それを聞いて あの女の子は にっこりとした。男の子も安堵のにっこり を返した。こんな事は珍しい。 この女の子の にっこりは 美少女と云うのがはっきりと判った。あの男の子の にっこりは これ又珍しい。 これを偶々 このオッサンも見ていた。ひょっとしたら ひょっとするかもシレン とこのオッサンは思った。


そして猫の先生もこの将棋は見ていた。この子は強い。あの男の子に匹敵する潜在的な素質があると見込んだ。そして本格的に この子の棋力を上げるための計画を練った

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