のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.554

2015-09-03 00:00:35 | 新しい子猫たち 

エンジェルホープジャパン病院内でも実は戸惑いが、臨床の医者の中にあった。入院していた患者たちは今までと同じ治療なのに、急回復していた。





来院している患者たちにも、症状の程度に応じて、元気のでる緑の香り、少し元気の出る緑の香り、ほんの少し元気がでる緑の香りを家に居間に置くようにしていた。





ただ回復程度には差があった、ジブシテイーに住んでいる人たちよりも、遠くから来ている人たちでは回復が早かった。





元気の出る緑の香りを置くように勧めた、杉山だったが、回復するメカニズムがはっきりと判っていた訳ではなかったが、兎も角、遺伝子修復は進むらしいとは判っていた。





ここでらしいとの表現を使ったのは、まだ病気と遺伝子配列との関係、遺伝子のどの状態がどの病気に関与するのか、動的な構造なのか、それとも遺伝子の周辺の分子との相互関係によるものかははっきりとはしていなかった。





杉山は、猫のクリスとも話していたが、クリスは妙に奥歯にものがはさまったような言い方をしていた。ナンカ知っている気もしたが、クリスは言いたい時でないと説明しない猫だった。





元気の出る緑の香りは、スイスカナコイン医学研究所がヨーロッパ全体で、売り出そうとして、日本の製薬と話をしていた、真っ最中だった。今の元気の出る緑の香りとは少し違うのだった。





ロイヤリティー問題があって、その違いを根拠にスイスカナコイン研究所が、少しまけてねといっていた時だった。





スイスカナコイン医学研究所は、スイスカナコインの子会社ではあったが、チャが支配していた、スイスカナキャットから大きな出資を受けていて、出資比率は半分近くにもなっていた。いわば、猫たちの会社に近づいていた。





クリス研究所は、研究員の出身母体による出資を受けた、ジブ総研の中では特殊な研究所だった。





猫たちの資本は、クリスの説得によって、特例ではあるが、わざわざ、チャのスイスカナキャットも出資していたが僅かだった。日本なので、ココの香奈特別基金からの出資が多かった。





香奈特別基金は、猫たちの基金だったが、資本としてはやっぱりカナファイナンシャルだった。





香奈個人資産の中の一つであるスイスカナコインとは違っていた。スイスカナコインも香奈一族にとって継承すべき資産の一つだったが、純粋の香奈の個人資産に由来するので、運営には香奈以外の人は口を出さなかった。資産継承を管理している奈津実でさえ、何も言わなかった。



カナファイナンシャルは、今や香奈一族の資産管理会社となって、正人が統括的な運営していたのと微妙な差があった。リトルチャたちの猫たちのグループは、リトルチャが元気な間は、正人には手は出せないが、それもリトルチャ頼みである事は否めなかった。スイスカナキャットは、チャが念入りに出資調整をしていて、猫たちの資本である事を明確にしていたのだった。





クリスは、猫たちの会社に近い、スイスカナコイン医学研究所がとる知財対策が完了するまでは、新しい知見をみんなに言うのを躊躇っていた。猫たちのチームもみんな口が重たかった。





この段階では、杉山でさえ、効能のはっきりとした根拠はまだ判っていなかった



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