この会社の社長のあの頼りないSE出身のアイツだったが、色々と異なるグループの異才たちを上手く協調させる能力を持っていた。創造性よりは協調性は流石と言えた。
オマケにゴキゲンソフトのビジネス部門とも話をして、スモールビジネス用のビジネスソフトを形を変えて、市販していく事にも成功した、ごきげんソフト自体は、ジブトラストの収益分散構造に組み込まれていたので、この会社がロイヤリティーを払って、販売元になった。この収益もそこそこになっていた。
コイツは、あの二人の老人たちの運用会社の社員である事は変わらなかった。老人たちもそれを望んだし、コイツもそんなにはいけないものの、老人たちの運用会社の社員でありつつげた。コネコ情報研究所にも週に一回は行って、猫たちと働くと云うよりは遊んだ。
実は、コイツの付加給はある時点からドーンと増えて、二人の老人たちから借りた金はあっと云う間に返していた。
神之助の金融センターが慎重に神之助バージョンの自動、半自動取引プログラムをテストしていって、ドーンと世界で使用する事に決定した。
世界の金融センターの取引利益は神之助が直接指導していた時は膨大だったが神之助が忙しくなって直接指導できないので、一気に半減とか三分の一近くまで下がっていたのが、それが戻ってきた。神之助直接指導とは違うものの、従来より少ないもののある程度まで戻していったのは神之助バージョンのプログラムのお陰と言えた。
金融センターの収益は取引利益よりも債券運用、通常債券運用と債券融資、つまり銀行に債券を発行させ、ナンダカンだと優先条項をつけて、金できたたらそれを買い戻させた。そうした債券運用の利益が増えていたのだったが、再び取引利益もふえてきたのだった。
ごきげんソフトに入る、システム利用料は膨大に増えていた。その利益はごきげんソフトの世界各地の資産管理会社に多くは貯めるようになっていたが、やっぱり一部は日本にも還流はした。
ビットタロウのストラジー研究所も実は世界各地に子会社と云うか資産管理会社が、ストラジー利用料の受取のために作られていた。コネコ情報研究所に渡す金は極く一部でもあって、その金は日本に還流する金の中で支払っていた。その金のコレマタ極く一部が、二人の老人たちの運用会社に支払われ、コイツの付加給にもなった。
元々、コイツに金渡す目的なので、コネコ情報研究所の猫たちは、コイツに自分だけの名目的な会社を作って、その会社に流すシステムに変えた方が、もっと金は入ってくるよと勧めたがコイツは、今まで通りでいいといって聞かなかった。
あの二人の老人たちのお陰で今の僕がある。そんな恩知らずな事はしてはいけないと、リトルチャ人形からも言われていた。人間は信用が大切な財産、目先の利益はあくまで目先の利益にしか過ぎない。
コネコ情報研究所の猫たちも感心して、コイツをより一層好きになった。
そんな事はあの二人の老人たちにも何故かわかり、付加給の設定も少し変えていた
元々の二人のプログラムは、ロンドンそしてシンガポール、ニューヨークとサンパウロのリトルチャの運用会社では採用されて、プログラム使用料として二人の老人たちの会社には入っていた。
このプログラムに関する利益での付加給の設定は変えないものの、それ以外に入ってくる、システム開発協力費として入ってくる金については、コイツへの付加給に回す比率を変えて、コイツと二人の老人たちの運用会社の取り分を山分けに変えた。
結果として、金融センターの莫大な利益の一部の極く一部の更にその一部ではあったが、やっぱり莫大になって、コイツの付加給を押上げたのだった。
ごきげんソフトのシステム利用料が利益比例の高い設定がしてあるのは、ジブトラスト内部の利益分散のためでもあるが、実は神之助とごきげんソフトの総括である神太朗とのバランスを香奈が考えていたものでもあった。
金をごきげんソフトに回すのは、神太朗管轄の組織に金を流す代わりに、神太朗も神之助の行動には口は出さないと云う暗黙のキマリでもあった。
それは神子と神太朗との間でも同様で、神子もやがて株式の自動プログラムを一部採用していくにつれて、ビットタロウのストラジー研究所にも金が入るようになって、同様にコネコ情報研究所にもごく一部の金は流れコイツにもその一部は流れるようになった。
ビットタロウのストラジー研究所は香奈ファイナンシャルの香奈特別基金が出資しているので、香奈の関連企業に金流す事でもあって、世界の多くのジブトラスト関連会社ではビットタロウの存在とかコネコ情報研究所の猫たちの存在を知らなくても、香奈の所に金流すのをドーノ、コーノと云う奴はいなかった。単にそういう名目になっているのだと勝手に思っていた。
神子も神之助も自分たちの子分そして自分たちの資産管理会社も巧みに利益受け入れ先にいれていた。これも香奈が認めたものだった。
ジブを支えていた三人の神がかりに対する、利益分配を香奈は考えていた。
回りの連中はそうした中に香奈の出先機関があるのも不思議とは思わなかっただけだった。
元々 ジブトラストの海外は香奈オフィスの海外からの移行で出来たものだったが、香奈オフィスの海外は、香奈の個人的な資産管理会社を財布のように使っていて、それはジブトラストになってからも同様だった。
やがてはジブトラストとしての資産管理会社も作り使ったが、資産としては巨額に膨れ上がっていた香奈の個人的な資産管理会社は、そうしたネットワークの中核でもある事には変わりなかった。
ただ香奈はそうした資産は、ジブトラストの資産、自分は単なる名義人としての姿勢を変えず、香奈ファイナンシャルにも入れなかった。
そうした資産管理会社の株式は、ジブトラストの株式保有比率を増やしていこうとする姿勢に変っていたが、依然として香奈の資産が膨大になっていて、ジブトラストと香奈とはある意味同意語であった。
香奈は税理士や会計士の指摘を受けて、香奈個人名義の資産ではあるが、ジブトラストの資産でもある事を明確にして、税処理を如何すべきかを、神子、正人たちと税理士たちとで検討させていた。
香奈が驚く程長生きをしていくにつれて対策は進んだが、資産管理会社の資産も増えて、イタチゴッコの様相もあった。
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