のら猫の三文小説

のら猫が書いている、小説です。
質問があれば
gmailのnaosukikan
まで連絡ください

新しい子猫たち No.477

2015-06-02 00:00:08 | 新しい子猫たち 

リトルチャタロウとオバハンの金融政策研究会は、各国政府と中央銀行も会員となっていた。初めはオバハンのコネでFRBが参加したのではあるのが、次々に入り、日本の財務省もアメリカの財務省が入ると速攻で会員となっていた。竹花のジイサンが根回ししていた。財務省の人間も当然のように事務局に天下りを押し込んでいた。








各国政府とか中央銀行が入る過程は奇妙なものだった。中央銀行としては、FRBの次に会員となったのは実はドイツ連銀が二番目で、その後にECBがなっていた。








ドイツ連銀は、ドイツの総理が瑠璃に頼んで、瑠璃が強引にオバハンに頼んでいた、瑠璃は強い奴にはぺこぺこするが、弱い立場の奴には強引な性格だった。あのオバハンが弱いとは意外でもあったが瑠璃にとっては敵ではなかった。





それにドイツ連銀の総裁はオバハンにとっては、金融政策が比較的共感できる奴ではあった、変な蝶ネクタイするキザな奴ではあったが、金融政策そのものでは共通点があった。





ドイツ連銀が入ったので、ECBも慌てて入った。欧州各国の中央銀行もドイツのあの女性総理に頼み、女性総理が瑠璃に頼み、瑠璃があのオバハンに押し込んだ。



香奈オフィスと瑠璃興業が強い国が中心である事は云うまでもなかった。当然ドサクサ紛れで、中東の産油国の中央銀行まで入った、瑠璃絡みの強引なやり方だった。香奈オフィスと瑠璃興業絡みの油田がある国に限られていたのは云うまでもなかった。








金融政策研究会が大きくなっている途中に、各国政府とか中央銀行の出資は、それぞれのGDP比例の出資と変わっていったが、最初に入った所の出資は高かった、それも政府と中央銀行は別個に入っていたので余計だった。





ただ出資と発言力の根源となるクオートは比例していた。GDP比例なので、少なくても済む国とか政府多くは財務省と中央銀行は国としての併せたものでいいとする改善案が出されたが、従う国も中央銀行はなかった。発言力が弱くなるからだった。





日本の財務省も入った時は高い出資を出して、事務局に押し込める人間の数も多くなっていた。








オバハンも瑠璃の強引さに負けているだけではなかった、会員となる各国政府とか銀行は、金融政策研究会として招聘して、規約と出資とかに納得できる国とか中央銀行だけが入るシステムに変えた。事前に会員が招聘できる所を会員投票して、クオート比例で過半数になった所だけを招聘する事にした。





瑠璃興業が強いのは欧米と一部の産油国に限られていた、南米にも香奈オフィスはあるが、瑠璃も瑠璃興業もあまり関係なかった。特に中国では香奈オフィスは結構でかいのに、瑠璃派もいず、瑠璃も無関心だった。瑠璃は中国が嫌いなのだった。ハゲタカはハゲタカを好きにはなれなかった。








それは兎も角、瑠璃興業の強い地域はとっくに入り、瑠璃は金融政策研究会なんぞには、そんなに関心もなかったので、強引な押し込みはなくなった。








そうして、南米やアフリカ、中東もアジアなどの国とか中央銀行が入りだした、この時はGDP比例でしかも中央銀行と政府がその半分つづの出資、つまりクオートとする事になっていた。元々私的な懇談会、しかも民間銀行の組織でもあって、銀行システムが発達していない国では推薦されず、招聘もなれなかった。そして小さい国では政府だけが入ったりしていた








共産圏の国では民間銀行がそもそもないので、初めの構想では元々除外されていた。IMFとか世界銀行でも金融政策研究会はそもそもないのだった。








ただついに、中国が香奈の推薦で政府と中央銀行がダブルで会員になり、ロシアはドイツの連銀の推薦でこれまたダブルで会員になっていた








ところが、この金融政策研究会が日本にあり、財務省も会員なのに、日銀だけが会員ではなかった








日銀は財務省の下部組織とまではいわないものの、財務省が入っていればそれでいいと云う不思議な空気があった。








ただ中国人民銀行の総裁が会員になって、日銀は突然慌てだした。そこで正人に頼んで、招聘してもらおうとしていた。陽太は中国には香奈の関係もあって近い、今の総理は元々右派なので、中国は嫌い。総理の任命なので日銀総裁も財務省出身の少し右かかった人だった。








日銀総裁は密かに、ジブトラストのオフィスビルの秘密の部屋で陽太とも会って、ご機嫌伺いして、その足で正人にも挨拶に行った。





正人はもう一つの大きな銀行の敷地内支店で会おうとしたけど、日銀総裁は、日銀の伝説的な秀才と言われていた政則や財務省正しくは大蔵省出身でエネルギー分野では生きている伝説といわれていた、徹にも挨拶したいと言って、香奈の家の二階にわざわざ行った








徹は生きているのが不思議なジイサンで、日銀総裁はあまり好きではないタイプだったが、そこそこ挨拶はした。正人は財務省くささがにじみ出ている日銀総裁は好きではなかったが、そこは大人だったので、そこそこ挨拶はした。








ただ政則は伝説的な秀才ではあったが、伝説的な毒舌家でもあったのだが、その部分の伝説は日銀総裁には伝わらなかった。そして日銀総裁は自信家でもあった。統計の数字を自分勝手に読み替える事も自然と出来た。政則はそれが許せなかった。政則の毒針みたいな発言が出て、日銀総裁は激昂して、帰りの挨拶の代わりに、捨て台詞を残して去った。








政則よりも正人が憤然とした。頼みにきて帰りの挨拶もデキンのかと怒った。正人はガキではなかったので一応、推薦人にはなったが、正人の代わりに支持活動しようとしていた、もう一つの大きな銀行の頭取らには支持を広げる活動はするなと正人としては珍しく強い口調で言った、








投票は記名式で、誰がどのような投票したのかは事務局は判るシステムだった。当然秘密ではあるが、事務局が判ると云う事は正人には判ると考えるのが普通だった。








もう一つの大きな銀行の頭取は、親しい人には賛成しない方がいいかも、正人は本音では反対らしいと伝えた。それが伝わった。



神之助は独自に日銀幹部に親しい人がいて、ソイツらと話をしていると、ソイツらも今の総裁には不満があって、次期総裁から会員になる方がいいと神之助に言っていた。



ジブトラストの金融センターには、金融政策研究会用の財務省からのOBもいたが、ソイツラまで、今の日銀総裁を好きではなかった。次期総裁からでもいいといい出だした。それが事務局にいた他の国から派遣されていた人たちにも伝わっていった。








結局日銀総裁の賛成は得られず、会員として招聘はされなかった。



コメントを投稿