忙しいほうがいい。でも本当は・・・

時間が止まってしまうと、いろんなことを
考えてしまいます。
だから忙しいほうがいい。

でも、本当は・・・

本当の年金問題

2010-04-03 09:34:38 | のんき的経済問題
のんきは本屋さんが大好きです。
きっとのんきを向上させてくれるような本が見つかるはずだ、とめぐってはみるのですが、
実際「これは当たりだ!」と感じる本にめぐり合うことは稀です。

「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った? ~世界一わかりやすい経済の本~ (扶桑社新書)
細野 真宏
扶桑社

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で、そんな中で気にはなっていたんです。この本。
だけど、こういうタイトルをつける本って、ものすごく主観的な本が多く、実際その内容が
普遍的に通用するか、っていうと、そうではないケースも多いので、中々手にする機会もあ
りませんでした。

きっかけは、三橋貴明さんの本で紹介されていたこと。

読んでみて、納得です。

年金破綻説」。これは、日本経済が破綻する、っていう都市伝説と同じくらいのレベルで
情報がゆがめられた、完全なる「デマ」なのだということ。

この本を読むまで、のんきの頭の中にも、「将来は高齢化が進み、若い世代の負担が増え
る。今のままの年金制度じゃ、もたない。すでに年金のストックは底を尽き始めているん
だ。」という勝手な思い込みがありました。

そして、「将来自分たちが受け取れない(受け取れるとしてもかなり減額された支給しか受
けられない)のであれば、支払う意味がないじゃん」

なんて思い込みすらありました。実際、そのように考え、国民年金を支払わない若者も増え
た、なんてことが一時期盛んにニュースでも取り上げられましたよね。

そして、「未納者が増えている」と。

加えて、社会保険庁の不祥事が立て続けに取りざたされ、年金の管理方式は、恐ろしいほど
に「ずさんだ」と。ある人は、「国家ぐるみのねずみ講である」とまで言っていました。

のんきもそうだと思ってたんですよ。つい1ヶ月くらい前まで。

ちなみに、こちらは2002年10月29日、日経新聞のニュースです。
国民年金の未納率29.1%、発足以来最悪
社会保険庁は29日、自営業者らが加入する国民年金の保険料がどれだけ支払われていないか
を示す未納率が2001年度に29.1%と1961年度の制度発足以来の最悪を更新したと発表した。
20歳代で未納率が4割を突破するなど若年層ほど保険料を払わない傾向が強く、国民年金制
度の空洞化に拍車がかかっている。

未納率は景気低迷による所得の減少などで保険料を支払わない人が増えたため1993年度以
降、年々高くなっている。92年度比で14.8ポイントの上昇。全員加入制となった1985年度と
比べると、約三倍に膨らんだ。(後略)


「国民年金の未納率29.1%、発足以来最悪」
皆さんの記憶にもよく残っていると思います。「未納三兄弟」なんて言葉も覚えているで
しょうか。菅大臣(現)が坊主にしてお遍路へ出発したりしましたね。

そもそも、このニュースの裏にはこんな事情があります。
「保険料収納事務が市町村から国へ移管し、保険料免除基準が改正され基準が厳しくなった
ことにより(以前は、現在の免除基準には該当しない者であっても特例で免除が認められて
いた)納付率が大幅に低下した」(Wiki引用)

知っている人、います? のんきも知りませんでした。つまり、当事のニュースでは、「国
民年金の未納率が大幅に悪化している」ことのみの切り取り報道が行われ、「なぜそうなっ
たのか」ということは一切報道されなかったのです。

ですが、実はこの報道、更に悪質な要素が隠されています。それは

「国民年金の未納率が過去最悪だった」と言う部分。

先ず、分かりやすい部分から突っ込むとすれば、未納が過去最悪だったのは「国民年金」で
あり、「年金」そのものではなかった、ということ。ですが、のんきの記憶に残っている限
り、報道でクローズアップされていたのは、「年金未納問題」であり、「国民年金未納問
題」ではありませんでした。

証拠に・・・といってよいかは解りませんが、フリー百科事典「Wikipedia」で「国民年金
未納問題」と検索をかけると、「年金未納問題」のページが表示されます。

この段階でマスコミ報道が「悪質だ」と呼べる要素が既に2つも登場しています。

では、もう1つ突っ込んでみましょう。本当に、「国民年金未納率」は「29.1%」だったの
か。これは、1つの側面から言えば「Yes」。ですが、見方を変えると、明らかに「No」
です。

Wikiによりますと、未納の現状に関して、「国民年金(基礎年金)制度は全国民を対象と
する制度であり、2006年3月末現在、公的年金加入者の約94%は保険料を納付(免除含む)し
ている。未納者(約374万人)と未加入者(約27万人)の合計約401万人は、公的年金加入対
象者数の5.7%である。


とされています。ちょっと解りにくいですね。簡単に言うと、

2006年3月末のデータでは、国民年金加入者のうち94%が国民年金を納めてます

っていうことです。変ですね~。 新聞の報道とぜんぜん違います。新聞報道は2002年
10月末のデータですから、3年半ほどの間に、それほど急激に納付率が回復したのでしょう
か。

もちろんそんなことはありません。

Wikiによりますと、年金未納問題とは、「日本の年金制度が国民皆年金であるにもかかわら
ず、国民年金保険料(第1号被保険者)の未納率が高い(納付率が低い)ことである。」

これでもまだ解りにくいです。実は、年金未納問題とは、国民年金の未納率が高いことでは
なく、「第一号被保険者」の未納率が高いこと
なのです。

「第一号被保険者って誰のことだよ~

やっと現れましたね、ひよこさん。 第一号被保険者とは、国民年金加入者の内、
厚生年金(会社員が加入する年金)にも、共済年金(公務員が加入する年金)にも加入して
いない人たちのことを言います。

国民年金とは、別名「国民基礎年金」。成人した日本国民であれば、全員支払うことが義務
付けられている年金のことです。厚生年金であろうが、共済年金であろうが、その納付金額
の中には、「一階部分」として国民年金が含まれており、「二階部分」としてそれぞれ「厚
生・共済年金」が上乗せされています。

つまり、「厚生年金、または共済年金に加入している以上、100%国民年金を支払っている」
ことになります。

そろそろお解りでしょうか。つまり、「国民年金の未納率29.1%」とは即ち、

国民年金加入者から、厚生年金、または共済年金に加入している者及びその配偶者、国民年
金の支払いを免除されている者を除く年金加入者のうち29.1%が年金を未納の状態にある


と言うこと。

ちなみに未納者とは、「第1号被保険者(任意加入被保険者を含む)のうち、過去2年間に1
月も保険料を納付しなかった者」のことを言うそうです。

ちなみに2008年3月末の発表では、「国民年金未納者」は約308万人。この人数は公的年金加
入者全体の5%程度に過ぎません。

国民年金の未納率29.1%」と言う報道が全くの大嘘だということがお解りいただけますでしょうか。

当然国民年金の制度が空洞化している、なんて言う表現も全くのデタラメ。一体こんなデタ
ラメな報道を堂々として、何がやりたいんだ、新聞社各局は、と言いたくなります。
もちろん、この報道を行ったのは日経だけではありません。調べられるだけで

って、たかが未納率の問題で、ここまでの長文になるとは思わなかった・・・

まあ、いくら本に感動したとはいえ、のんきがなぜこんな古いニュースを今更引っ張ってく
るのか。これにはちゃんとした理由があります。

「本当の年金問題」。

このタイトル。「年金問題の真相」というニュアンスではありません。今現在、表に出てい
ない、本当の危険性を孕んだ「年金問題」が実際に存在する、ということです。

ええ。当然現政権がらみですから。

ってことで、「本当の年金問題」。続きに乞うご期待!!


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